堕天の皇帝

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ロシア(アルファ部隊)編

天才児

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 アルファ部隊は早急にハクの治療をした。
ハクには銃創が見つかった。
そして、ハクを抱き抱えて、
俺とマリアはとある廃ビルに着いた。
そして、ハクはワンっとここで吠えるため、
ここにテロ犯がいるってことだろう。
「マリア。ハクを頼んだ。」
「翔太くん。」
竹縄さんを拉致にうちの飼い犬を傷つけたのは
さすがにブチ切れだ。
「翔太くん。相手は人質を抱えてる。
 だから隠密行動で行くわよ。」
「つまりどういうことだ?」
「上から攻めるわ。でも翔太くんの能力じゃ。」
「あぁ。そうだな。」
俺の能力は発動してしまえば目が光る。
だが、最近はかなり光が薄くなってきた。
なにかの予兆なのかもしれない。
「今日は裕太くんも任務に出てるし、
 私は行けないからスナイパーのアノルフに
 着いてもらうわ。
 そして、翔太くん。これはい。」
そうして、俺はひとつの眼帯を渡される。
「まさかな?」
「そのまさかよ。右目に着けて行ってね。」
「はぁ。まじかよ。」
「それとこれとこれね。」
ブレードとナイフ、愛用のM9べレッタを渡される。
「これ全部実弾か?」
「いえ。全部麻酔弾だけど、効果も射程も短いから
 あまりそれに頼るのはおすすめしないわ。」
「わかった。」
まぁほとんど絞め落とす予定だからいいか。

 俺は人の少ない場所に行き、
マリアのテレポートで廃ビルの屋上まで
連れていってもらう。
「じゃあ、幸運を祈るわ。」
「あぁ。任せろ。」
そして、マリアは姿を消した。
まぁ下から見てるんだろうけどな。
そして、階段から1階下がる。
このフロアは敵影なしか。
久しぶりに俺はサイレントウォークしながら動く。
「クリアっと。」
俺はさらに下へと向かう。
「なぁアノルフ。」
「ん?なんだい?」
「人質のいる階とかわかるか?」
「うーん。明確な場所は分からないかな。
 でも、翔太くんの階から下5階分くらいには
 いるんじゃないかな。」
「りょーかい。」
俺はクリアリングを済ませながら下へと向かう。
なかなか大きな部屋で1人だけいた。
俺はサイレントウォークを駆使し、近づき、
絞め落とすことに成功した。
そして、アノルフが言うには次の階が
竹縄さんのいる部屋。
何を考えているんだ?
上から攻めるのを予測していなかった?
いや、なら上の階には誰もいないはずだ。
何か嫌な予感がするな。
「アノルフ。」
「なんだい?」
「俺が下の階に行って合図したら
 迷わず俺の事をすぐに撃て。」
「ふむふむ。翔太くんが何を考えてるか
 僕にはあまり分からないが分かったよ。
 それで死んでも恨まないでくれよ?」
「そんなんで死ぬほどヤワじゃねぇーよ。」
そうして、俺は竹縄さんの居る下の階へと向かった。

「まじでここまでに一人しかいなかったな。」
俺はやはり何かおかしいと思っていた。
まぁ早めに終わらそう。
そして、ドアを開けた。
そこに立っていたのは竹縄さんと1人のテロ犯。
テロ犯の片手には手榴弾が握られており、
不敵な笑みを浮かべていた。
はぁ。やっぱり嫌な予感は的中するんだな。
「来い。アノルフ。」
俺は大声で叫ぶと同時に眼帯を引きちぎる。
「ヴァクストゥーム。」
窓が割れ、そこからひとつの銃弾が俺目掛けて
放たれているのを俺は色のない世界で捕える。
俺はブレードを引き抜いて、
スナイパーの球を斜めから叩く。
パキンっと音がなり、
銃弾はすぐに方向を変えた。
そして、手榴弾の持つ腕を吹き飛ばす。
一息ついたのだが、もう既にピンは抜かれていた。
クソが。
手榴弾はピンが抜かれてから5秒ほどで爆発する。
衝撃が加わればさらに早くなる。
2秒で竹縄さんを担ぎ、3秒で離れる。
今回の犯人は。いや、ダメだ。助ける。
俺はダッシュで駆け寄り竹縄さんとテロ犯を抱える。
「あとは頼んだぞ。マリア。アノルフ。」
俺は窓から飛び降り、爆風を受け、
空中で2人との立ち位置を反対にするが、
勢いよく隣のビルと衝突をして、意識を失う。

「翔太くん?どういうこと?」
僕はスコープを覗くと翔太くんが
窓に向かい走ってるのが見えた。
そして、その数秒後に爆発。
翔太くんはビルに身体をぶつけ、
目を閉じている。
やべぇ。どうしよう。
ちっ。仕方ないな。
「マリア。ビルに翔太くんを戻して。」
「でもその後はどうするのよ。」
「僕が時間を稼ぐからすぐに下から向かわせて。」
ラペリング器具を設置し僕は飛び下りる。
マリアの風魔法によって翔太くんはビルに戻る。
たまたま建材が翔太くん達を守るが、
テロ犯達もここぞとばかりに攻めてきている。
「じゃあ5分だけ耐えて。」「りょーかい。」
僕はホバリングをしてM110狙撃銃を構える。
ふぅ。集中しないと。
スコープを覗き、ファイヤ。
僕はテロ犯の頭部に当てる。
そのまま跳弾させさらにヘッドショットを決める。
20発しかないが、5分なら耐えてみせる。
いってぇ。
相手の発砲した球が太ももに着弾する。
そして、大きく揺れるが、僕は呼吸を整えて、
さらに狙撃していく。もう仲間は失わない。
「あまり天才児ををなめんなよ。」
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