堕天の皇帝

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軍事育成学校編

決着。

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 はぁはぁはぁ。
なんなんだよこの化け物。
隙も何もない。ウィンチェスターは弾が切れる前に
俺がやられる。
近距離戦は簡単にさばかれる。
勝てない。負ける。負ける。負ける。
「翔太くん。それでいいのかい?」
この声はセクレートか?
「だが、どうやって勝てばいいんだ?」
「君は無人島で何をしてきたんだい?
 相手は確かに化け物だ。
 私も力を貸してあげたいけど、
 条件には満たさないから貸せない。」
「力?あ、あの時のやつか。
 だが、条件ってどういう事だ?」
「でも翔太くん。」
セクレートは優しい口調で俺に尋ねる。
「君は力がなくても勝てる。
 だって今までそうやって勝ってきたからこそ。
 今、君が生きてるんじゃないか。
 だから、負けるなんて思っちゃダメだよ。」
「わかったよ。このドSが。」
こんな化け物に勝てとか言うなんて
ドS以外の何物でもないだろう。
だが、俺は勝つ。勝ってみせるさ。

 ふぅー。俺は呼吸を整える。
落ち着け。敵の様子を見るに、
若干息が上がっている。
とするなら相手も何かしらのがあるはずだ。
動体視力を上げる?いや、違う。
身体能力強化?いや、違う。
魔術?いや、違う。俺らのクラスに
魔術の類を使えるやつはいないはず。
ならなんだ?そう俺が思考すると、
ひとつの結論に辿り着く。
未来視。多分これだ。
少なくともこれに近い何かだ。
なら。脳への負担が大きいと考えた方が良さそうだ。

 彼の雰囲気が変わった?
多分なにかを考えている。
とすると、僕の能力のことだろう。
能力を知ってるなら彼も能力持ちの可能性が高い。
能力は世間には広がっていないからな。
彼が能力者ならなぜ能力を使わない?
いや、使えないのか?
この状況で使わないメリットはない。
多分、何かしらの条件があるはず。
なら早く決着をつけた方がいい。
そうして、僕は仕掛ける。

 気づいた時には相手が目の前にいた。
俺はその瞬間フラッシュを投げる。
だが、相手もそれを予測し、目を閉じている。
ウィンチェスターから鳴らされる発砲音。
俺はそれを紙一重でかわす。
あと2発。そして俺は背後を取る。
相手も予測し、背後にウィンチェスターを撃つ。
俺は姿勢を低くし、かわす。
その瞬間、少しだけ掠ったが、
アラームは鳴らない。
相当決着を急いでいるように見える。
もう能力もあまり使えないのだろうか。
さらに、俺はもう1つのフラッシュを投げる。
「パァン。」
相手のウィンチェスターから放たれた銃弾は
またしても俺には当たらない。
相手はこれ以上武器を持っていない。
リロードさせなければ俺の勝ちだ。
そう思い、俺は一気に距離を詰め、
M9ベレッタを構える。

「パァン。」
は?俺が構え、引き金を引く頃には
相手のウィンチェスターから銃弾が放たれた。
俺からアラームが鳴り響く。俺はその場で座り込む。

「君を油断させるためには5発撃たなければいけない
 だから、僕は5発撃った。」
ならなぜだ。装弾数は5発のはず。
何が間違いだったんだ?
「前込みだよ。
 君は強かった。またクラスで話そう。」
そう言ってあいつはこの場を去った。
俺はただただ悔しかった。


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