堕天の皇帝

無人島編

決着。

 俺が立ち上がると思っていなかった修斗は、
俺に今まで以上の殺気を向けてくる。
だが、俺は何も感じなかった。
なぜなら今ならなんでもできる気が
しているからだ。
「俺はもうお前に負けないぜ」
「さっきまでボロボロだったやつが
　調子に乗ってんじゃねぇーぞ。」
そう言いながら修斗はコルトパイソンを
俺に放つ。
銃口を俺に向けていなかったのに
精密な射撃が行われる。
これに当たれば確実に死ぬ。

 その瞬間視界から色彩が消える。
俺はこの銃弾が眉間に当たるとわかった。
ゆっくりと近づく銃弾に対して
俺はしゃがむ。
ゆっくりとはいえ銃弾は怖いから。
だが、修斗は躱されたことに驚いていた。

 俺ですら何が起こったかが分からない。
だけど俺は直ぐに修斗と距離を詰める。
修斗は落ち着き、深呼吸をした。
あれは近接戦の構えだ。
だから、俺は持っているナイフを
手首だけを使い投げた。
修斗はギリギリ予測が間に合ったのだろう。
紙一重で躱していた。
左方向に。
俺はそれを予測しており、
修斗のみぞおちに蹴りを入れる。
その後、修斗をこれ以上動けないように
念の為にももかんを殴る。
さすがにこれ以上は動けないだろう。
修斗は最後の抵抗をするかのように
俺にコルトパイソンを構えるが、
俺はコルトパイソンを蹴り落とす。

ここで殺せば終わる。
俺はもう二度と持ちたくないナイフを
拾い上げ、修斗に向ける。

「さよなら。」
俺は振り下ろした。
「グサッ」
もう二度と聞きたくない音。
修斗の心臓部分には先程までなかった
ナイフが刺さっていた。

「井上 修斗くんが死んだよ。
　残り3人だね。
　最終盤頑張って生きてね」

 結衣も千春も意識が戻っていた。
よかった。俺はそう思った。
俺は彼女たちに歩み寄った。
その瞬間、俺の視界は暗闇が広がり、
体に激痛が走り、頭痛と吐き気に襲われた。
そして意識は深い闇に落ちていくのだった。