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5日目。

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 違う違う違う違う。
あれは夢だ。夢なんだ。
悪い夢すぎる。
俺は夕焼けどこかの高い場所。
俺は、俺は。
泣き叫びながら、結衣をだき抱えていた。 

 俺は久しぶりに朝にシャワーを浴びていた。
今日は大学が休みだ。
俺は明日にある結衣とのデートに備えるのと
について調べようと思った。

 俺はショッピングに出かけていた。
明日のデートの服装を買いに、
「お、翔太。」
「おー。大吾じゃねぇーか。」
「お前が外に出るだなんて珍しいな。
 明後日には世界滅亡するんじゃねぇーか?」
「ほんとにしそうだからやめてくれ。」
「あはは。」
1泊置いて大吾は言う。
「まだ死にたくねぇーな。」
「あぁ。そうだな。」
俺は心の奥底から願う。
どうか、俺らがまだ生きれる世界が、
俺らが生きれている世界が、
俺らがいつも通り笑っている世界が、
5分前に作られていますように。

 そして、俺は大吾と別れ、
家の近くのでかい図書館に来ていた。
神の鼓手という言葉の意味を知りたいから。
図書館には俺と管理者的なおじいちゃん1人だけだ。
何時間たっただろうか。
俺はひたすらに探し続けたが、見つからなかった。
「どうした。青年よ。」
おじいちゃんが話しかけてくる。
「ワシがお主の探している本を
 見つけてあげようじゃないか。」
「なら、神の鼓手って言う言葉が
 関係する本とかってありますかね?」
「神の鼓手?」
おじいちゃんは考えている。
「あぁ。そういや。
 図書保管庫にそんなのがあったような
 気がするのぉ。ちょっと待っとれ。」
そう言って、おじいちゃんは
てこてこと歩いて探しに行ってくれた。
ってか、歩き方可愛いな。
そうして、1つの分厚い本を持って帰ってきた。
「これじゃないかのぉ。」
その本のタイトルは「神の鼓手」
完璧だ。
「ありがとうございます。」
「おぉ。見つかってよかったのぉ。」
 そういって、おじいちゃんは
 また仕事に戻って行った。
俺は1ページ、また1ページとめくる。

 あぁー!!よくわかんねぇ。
クトゥルフってやつが目覚めたら
人類滅ぶとか恐ろしすぎだろ。
だが、それを永遠と寝かすために
ヴィルトゥオースってやつが、
太鼓を鳴らし続ける?
逆にうるさくて寝れねぇだろ。
とかツッコミを入れながら
読むのを諦めようとしたその時、
1枚のメモ用紙が出てきた。
「選択肢は2つだけではない。
 提示されたものだけを
 選択肢だとは思ってはいけない。」
一体なんの意味を示すのだろう。
俺はこのメモ用紙だけを持って帰った。

 そして、俺は家に帰る。
いつも通りの暮らしをすると、
「プルルルル。」
結衣から電話だ。
ピッ。
俺はその電話に出る。
「もしもし。翔太。」
「今日は落ち着いているんだな。」
「毎日落ち着いてないみたいな言い方やめてよ。」
そして、また喋って時間を潰す。
そして、また夜遅くになり、
「明日は10時に駅前だからね。
 絶対に遅刻しちゃダメだよ!!」
「あぁ。わかってるよ。」
そう釘を刺されながら、俺らは就寝をした。






 
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