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086 ショータイム
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「仲間ぁ?他人の心配してる場合じゃないだろ?」
教皇ユジカ・キーミヤンは、立ち上がった俺にゆっくりと近付いた。
ツルツルで真っ白い床をカツ、カツ、と靴音を立てて歩いてくる。
俺たちから盗んだ次元転送装置、2つの巨大な黒い箱の間を抜け、その前に出た。
「死ななかったのは褒めてやるけどさ、別にさっきので全力ってわけじゃないぜ?」
言い終わると同時に、ユジカ・キーミヤンは爆発的な魔力を放った。
精神破壊だ。
俺も魔力を解放して精神破壊を放つ。
バチッ!
俺とユジカの間の中空で青白い火花が散る。
ユジカの魔力に押し流されそうになるのを俺は何とかこらえる。
「がああああっ!!!!」
バリバリバリバリッ!
雷のような音が鳴って、俺の魔力がユジカの魔力を打ち消した。
ユジカはその向こうで意外そうな表情を浮かべている。
「へえ…けっこう魔力上がったじゃん。まあ俺に勝てるレベルじゃないけど」
「そんなことより、俺の仲間をどこにやったんだ」
ユジカは「う~ん」などと腕を組んで芝居がかった調子で何か考える様子を見せた。
俺はすでに息が上がっている。
悔しいが確かにこいつの言う通り、まだ勝てるレベルではなさそうだ。
「OK、わかった!じゃあこうしよう」
そう言ってユジカが両手を大きく広げると、そこから薄い光の板が4枚、中空に展開された。いつも俺たちが情報共有装置で通話する際に使う光の板にそっくりだ。
「お前の4人の仲間は、それぞれウチの枢機卿と対戦する。それに勝てた奴はここに転送されるように設定した。さあ、大切な仲間たちは強敵を打ち破ることができるかな?」
4枚の光の板にレミー、シェリル、シシリー、バーグルーラの姿が映し出される。
全員、巨大な石像のある真っ白な部屋の床に突っ伏している。
ユジカはニヤニヤしながらその様子を眺め、ボーイでも呼ぶように指をパチンと鳴らした。
「楽しいバトルを始めよう!イッツ・ショータイム!」
…………………………………………
みんなも同じように飛ばされたのかしら。
シェリルは目を覚ますと、自分がこの真っ白な部屋に強制転移させられたことを悟った。
部屋には扉も窓もない。
床も壁も天井も真っ白で、闘技場のように広大な空間だ。
他に何もない中で、奥の壁沿いにそびえる巨大な石像だけが異質な存在感を放っている。
爬虫類のようにヌメッとした印象の若い男の石像。
教皇を象ったものなのだろうか。
シェリルは用心深く周囲を見渡してから、巨大な石像を冷たく睨みつけてその方向に歩みを進めた。
あんなゴミムシ男の像なんてどうでもいいわ。とにかく一刻も早く脱出方法を探さなくては。
ティモシーは無事でいるかしら。
彼は通信魔術に関しては圧倒的だし、魔導兵装を使えば誰にも負けるはずはないけれど、その2つが封じられてしまうことだってある。
だから私がいる。
私が、あの人を守る。
そう考えると胸が締め付けられると同時に、心の奥底からあたたかいものが湧き上がってくる。
通信魔術を極めたティモシーには、もう自分のこの気持ちは丸裸なのだろう。
それでも、どれほどの月日を一緒に過ごしても、たくさんの冒険や危険を乗り越えても、彼は私に何も言ってこないし何もしない。
きっと、私が自分の言葉で自分の気持ちを直接言わなくてはいけないのだ。
好き。
大好き。
ずっとずっとずっと好きで、今までもこれからも今この瞬間も大好きで、たぶん、愛している。
そう言わなくてはいけない。
巨大な石像に向かって歩きながら、思わず自分の顔が真っ赤に染まるのがわかる。
でも今はそんな場合じゃない。
この戦いを終えたら、勇気を出して伝えるのだ。
それまでこの気持ちは仕舞っておこう。そっと。
まずは脱出だ。
そのヒントが何かあるとすれば、あの石像ではないだろうか。
広大な空間のちょうど中央あたりに差し掛かった時、その石像の両目が怪しく光った。
シェリルが身構えると、自分から4~5メートルほど離れた位置に同じような怪しい光が立ち昇り、そこに赤い法衣を着た男があらわれた。
眉毛がつながっておりゴツゴツした顔の下半分は青ひげで覆われている。
「ふははははは!ワシはミリキア最強の枢機卿が1人、炎のエイブラハム!もしワシを倒すことができたなら教皇様のもとにいるティモシーとやらに会わせてやろう!しかしワシは」
「氷結槍刺!」
エイブラハムの言葉を遮って、シェリルは魔術で氷の槍を撃ち放った。
鋭く尖った何本もの氷柱がエイブラハムに襲いかかる。
「まだワシの話の途中だろうがぁ!!!」
左手を大きく振るったエイブラハムの目の前で、氷の槍はすべて消し飛ばされた。
見れば、エイブラハムの左腕が炎に包まれている。
「いいかっ!このワシに貴様の氷魔術は一切通用せんぞ!紅蓮の炎で焼き殺してくれるわっ!」
…………………………………………
「ふっ、光を司るこの私にあなたの空間魔術は通じませんよ」
ちょうど同じ頃、シシリーもシェリルと似たようなことを言われていた。
シシリーは突然あらわれた「光のシーラ」を名乗るキザったらしい若い男に、挨拶代わりの重力爆弾を放ったが空間のねじれが到達するより早く逃げられてしまった。
逃げられた、というよりもほとんど瞬間移動のようだった。
「光の速さで移動する私には、どんな攻撃も当たりません。それにこの法衣は完全な魔力障壁。仮に当たったとしてもあなたの魔術は無効化されます」
シシリーはその言葉に首をかしげた。
「光の速さで移動してるってことは、瞬間移動じゃないってこと?」
「ええ、そうです。ノロマなあなたの目には瞬間移動のように見えると思いますがね」
「でも、瞬間移動じゃないんだよね?」
「…そうですが?」
「じゃあ、アタシより遅いじゃん!」
「…ふっ」
シーラは長い金髪をかきあげて微笑った。
「この私にスピードで勝てる者などいないっ!」
シーラは光の速度で突進しシシリーに手刀を浴びせたが、そこにシシリーはいない。
振り向くとシシリーが先ほど自分がいた場所で舌を出して笑っている。
「ばーか!アタシのは本当の瞬間移動だよ!」
シーラは小刻みに身体を震わせ怒りの表情を見せた。
「…光の反応速度からいつまでも逃げ切れると思うな!」
…………………………………………
「ボクのモードは風。君のブレスがどんなに強力でもすべて受け流してみせるよ」
バーグルーラの前にあらわれたのは風の枢機卿アーセルと名乗る少年だった。
その言葉通り、先ほどバーグルーラが小手調べに軽く放った火炎のブレスも衝撃波も、アーセルが巻き起こす不思議な風に方向を変えられてしまい届かせることができずにいた。
<面白い。ただのそよ風ではないということか>
バーグルーラがそう言うと、アーセルは「くっくっく」と声を殺して笑った。
「それだけじゃないよ?」
アーセルは意味ありげないやらしい笑みを浮かべている。
面倒くさい小僧だと思いながらも、バーグルーラは期待された質問を返してやる。
<では他に何があると言うのだ>
アーセルは含み笑いを抑えきれず、癇癪でも起こしたかのように笑った。
「あははははははははははは!ボクの法衣は特別製でね!99匹の竜の心臓を煮詰めて作った特殊な繊維で編まれているんだ!だから仮に君のブレスが届いたとしても何の効果もないよ!たとえ大陸を消し飛ばすような強力なブレスでもね!」
バーグルーラは身体をムクムクと膨らませながら言った。
<…貴様、99匹の我が同胞を殺したということか?>
「そうだけど!?ボクからすればあんな奴らただのトカゲさ!あははははははははははははははははははは!」
しばしの沈黙のあと、もとの大きさに戻ったバーグルーラはアーセルを見下ろして言った。
<いいだろう…。黒竜王の真の恐ろしさ、とくとその目に焼き付けるが良い!>
…………………………………………
「この岩のイザーク様に軟弱な魔導具なんて何の意味もねえんだよ!」
レミーは先ほどから何発も魔光斉射砲や魔光爆炎砲を放っているが、目の前の大男に傷ひとつ付けられずにいた。
電撃閃光弾も試したが失神どころか身じろぎひとつせず突進してくる。障壁阻害弾も効果がなく、魔力障壁の類で防がれているのではないようだ。
「俺様の武器は鍛え上げたこの肉体!この筋肉がすべてを解決するぜ!」
法衣を脱ぎ捨て上半身裸になったイザークの身体は確かに素晴らしい筋肉美だった。
僧帽筋、三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、大胸筋といった部位だけでなく、前腕筋や腹斜筋までパンパンに肥大している。
身長2メートルを超えるであろう大男を見て、レミーは正直、嫌いではない。と思う。性的な意味でその身体が、ではない。
そこまでの肉体を作り上げた努力、そして「筋肉はすべてを解決する」というシンプルかつ真っ直ぐな思考。方向性は違えど、自分と同じタイプだと感じる。
レミーはその両手から魔光斉射砲と魔光爆炎砲を手放し、床に投げ捨てた。
「諦めるのか!この俺様を前にそんなことは許さねえぞ!」
レミーは静かに頭を左右に振る。
「違いますよ。私、あなたの考え方けっこう好きなんです」
イザークは自分の筋肉を見せつけたまま、きょとんとした表情を見せた。
「ただですね、私の場合は、すべてを解決するのは筋肉ではないと思っています」
その発言に「何ぃ!?」と憤ったイザークを「まあまあ」とレミーは制する。
「お見せしましょう、私の新発明。すべてを解決するのは科学の力ですよ…」
教皇ユジカ・キーミヤンは、立ち上がった俺にゆっくりと近付いた。
ツルツルで真っ白い床をカツ、カツ、と靴音を立てて歩いてくる。
俺たちから盗んだ次元転送装置、2つの巨大な黒い箱の間を抜け、その前に出た。
「死ななかったのは褒めてやるけどさ、別にさっきので全力ってわけじゃないぜ?」
言い終わると同時に、ユジカ・キーミヤンは爆発的な魔力を放った。
精神破壊だ。
俺も魔力を解放して精神破壊を放つ。
バチッ!
俺とユジカの間の中空で青白い火花が散る。
ユジカの魔力に押し流されそうになるのを俺は何とかこらえる。
「がああああっ!!!!」
バリバリバリバリッ!
雷のような音が鳴って、俺の魔力がユジカの魔力を打ち消した。
ユジカはその向こうで意外そうな表情を浮かべている。
「へえ…けっこう魔力上がったじゃん。まあ俺に勝てるレベルじゃないけど」
「そんなことより、俺の仲間をどこにやったんだ」
ユジカは「う~ん」などと腕を組んで芝居がかった調子で何か考える様子を見せた。
俺はすでに息が上がっている。
悔しいが確かにこいつの言う通り、まだ勝てるレベルではなさそうだ。
「OK、わかった!じゃあこうしよう」
そう言ってユジカが両手を大きく広げると、そこから薄い光の板が4枚、中空に展開された。いつも俺たちが情報共有装置で通話する際に使う光の板にそっくりだ。
「お前の4人の仲間は、それぞれウチの枢機卿と対戦する。それに勝てた奴はここに転送されるように設定した。さあ、大切な仲間たちは強敵を打ち破ることができるかな?」
4枚の光の板にレミー、シェリル、シシリー、バーグルーラの姿が映し出される。
全員、巨大な石像のある真っ白な部屋の床に突っ伏している。
ユジカはニヤニヤしながらその様子を眺め、ボーイでも呼ぶように指をパチンと鳴らした。
「楽しいバトルを始めよう!イッツ・ショータイム!」
…………………………………………
みんなも同じように飛ばされたのかしら。
シェリルは目を覚ますと、自分がこの真っ白な部屋に強制転移させられたことを悟った。
部屋には扉も窓もない。
床も壁も天井も真っ白で、闘技場のように広大な空間だ。
他に何もない中で、奥の壁沿いにそびえる巨大な石像だけが異質な存在感を放っている。
爬虫類のようにヌメッとした印象の若い男の石像。
教皇を象ったものなのだろうか。
シェリルは用心深く周囲を見渡してから、巨大な石像を冷たく睨みつけてその方向に歩みを進めた。
あんなゴミムシ男の像なんてどうでもいいわ。とにかく一刻も早く脱出方法を探さなくては。
ティモシーは無事でいるかしら。
彼は通信魔術に関しては圧倒的だし、魔導兵装を使えば誰にも負けるはずはないけれど、その2つが封じられてしまうことだってある。
だから私がいる。
私が、あの人を守る。
そう考えると胸が締め付けられると同時に、心の奥底からあたたかいものが湧き上がってくる。
通信魔術を極めたティモシーには、もう自分のこの気持ちは丸裸なのだろう。
それでも、どれほどの月日を一緒に過ごしても、たくさんの冒険や危険を乗り越えても、彼は私に何も言ってこないし何もしない。
きっと、私が自分の言葉で自分の気持ちを直接言わなくてはいけないのだ。
好き。
大好き。
ずっとずっとずっと好きで、今までもこれからも今この瞬間も大好きで、たぶん、愛している。
そう言わなくてはいけない。
巨大な石像に向かって歩きながら、思わず自分の顔が真っ赤に染まるのがわかる。
でも今はそんな場合じゃない。
この戦いを終えたら、勇気を出して伝えるのだ。
それまでこの気持ちは仕舞っておこう。そっと。
まずは脱出だ。
そのヒントが何かあるとすれば、あの石像ではないだろうか。
広大な空間のちょうど中央あたりに差し掛かった時、その石像の両目が怪しく光った。
シェリルが身構えると、自分から4~5メートルほど離れた位置に同じような怪しい光が立ち昇り、そこに赤い法衣を着た男があらわれた。
眉毛がつながっておりゴツゴツした顔の下半分は青ひげで覆われている。
「ふははははは!ワシはミリキア最強の枢機卿が1人、炎のエイブラハム!もしワシを倒すことができたなら教皇様のもとにいるティモシーとやらに会わせてやろう!しかしワシは」
「氷結槍刺!」
エイブラハムの言葉を遮って、シェリルは魔術で氷の槍を撃ち放った。
鋭く尖った何本もの氷柱がエイブラハムに襲いかかる。
「まだワシの話の途中だろうがぁ!!!」
左手を大きく振るったエイブラハムの目の前で、氷の槍はすべて消し飛ばされた。
見れば、エイブラハムの左腕が炎に包まれている。
「いいかっ!このワシに貴様の氷魔術は一切通用せんぞ!紅蓮の炎で焼き殺してくれるわっ!」
…………………………………………
「ふっ、光を司るこの私にあなたの空間魔術は通じませんよ」
ちょうど同じ頃、シシリーもシェリルと似たようなことを言われていた。
シシリーは突然あらわれた「光のシーラ」を名乗るキザったらしい若い男に、挨拶代わりの重力爆弾を放ったが空間のねじれが到達するより早く逃げられてしまった。
逃げられた、というよりもほとんど瞬間移動のようだった。
「光の速さで移動する私には、どんな攻撃も当たりません。それにこの法衣は完全な魔力障壁。仮に当たったとしてもあなたの魔術は無効化されます」
シシリーはその言葉に首をかしげた。
「光の速さで移動してるってことは、瞬間移動じゃないってこと?」
「ええ、そうです。ノロマなあなたの目には瞬間移動のように見えると思いますがね」
「でも、瞬間移動じゃないんだよね?」
「…そうですが?」
「じゃあ、アタシより遅いじゃん!」
「…ふっ」
シーラは長い金髪をかきあげて微笑った。
「この私にスピードで勝てる者などいないっ!」
シーラは光の速度で突進しシシリーに手刀を浴びせたが、そこにシシリーはいない。
振り向くとシシリーが先ほど自分がいた場所で舌を出して笑っている。
「ばーか!アタシのは本当の瞬間移動だよ!」
シーラは小刻みに身体を震わせ怒りの表情を見せた。
「…光の反応速度からいつまでも逃げ切れると思うな!」
…………………………………………
「ボクのモードは風。君のブレスがどんなに強力でもすべて受け流してみせるよ」
バーグルーラの前にあらわれたのは風の枢機卿アーセルと名乗る少年だった。
その言葉通り、先ほどバーグルーラが小手調べに軽く放った火炎のブレスも衝撃波も、アーセルが巻き起こす不思議な風に方向を変えられてしまい届かせることができずにいた。
<面白い。ただのそよ風ではないということか>
バーグルーラがそう言うと、アーセルは「くっくっく」と声を殺して笑った。
「それだけじゃないよ?」
アーセルは意味ありげないやらしい笑みを浮かべている。
面倒くさい小僧だと思いながらも、バーグルーラは期待された質問を返してやる。
<では他に何があると言うのだ>
アーセルは含み笑いを抑えきれず、癇癪でも起こしたかのように笑った。
「あははははははははははは!ボクの法衣は特別製でね!99匹の竜の心臓を煮詰めて作った特殊な繊維で編まれているんだ!だから仮に君のブレスが届いたとしても何の効果もないよ!たとえ大陸を消し飛ばすような強力なブレスでもね!」
バーグルーラは身体をムクムクと膨らませながら言った。
<…貴様、99匹の我が同胞を殺したということか?>
「そうだけど!?ボクからすればあんな奴らただのトカゲさ!あははははははははははははははははははは!」
しばしの沈黙のあと、もとの大きさに戻ったバーグルーラはアーセルを見下ろして言った。
<いいだろう…。黒竜王の真の恐ろしさ、とくとその目に焼き付けるが良い!>
…………………………………………
「この岩のイザーク様に軟弱な魔導具なんて何の意味もねえんだよ!」
レミーは先ほどから何発も魔光斉射砲や魔光爆炎砲を放っているが、目の前の大男に傷ひとつ付けられずにいた。
電撃閃光弾も試したが失神どころか身じろぎひとつせず突進してくる。障壁阻害弾も効果がなく、魔力障壁の類で防がれているのではないようだ。
「俺様の武器は鍛え上げたこの肉体!この筋肉がすべてを解決するぜ!」
法衣を脱ぎ捨て上半身裸になったイザークの身体は確かに素晴らしい筋肉美だった。
僧帽筋、三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、大胸筋といった部位だけでなく、前腕筋や腹斜筋までパンパンに肥大している。
身長2メートルを超えるであろう大男を見て、レミーは正直、嫌いではない。と思う。性的な意味でその身体が、ではない。
そこまでの肉体を作り上げた努力、そして「筋肉はすべてを解決する」というシンプルかつ真っ直ぐな思考。方向性は違えど、自分と同じタイプだと感じる。
レミーはその両手から魔光斉射砲と魔光爆炎砲を手放し、床に投げ捨てた。
「諦めるのか!この俺様を前にそんなことは許さねえぞ!」
レミーは静かに頭を左右に振る。
「違いますよ。私、あなたの考え方けっこう好きなんです」
イザークは自分の筋肉を見せつけたまま、きょとんとした表情を見せた。
「ただですね、私の場合は、すべてを解決するのは筋肉ではないと思っています」
その発言に「何ぃ!?」と憤ったイザークを「まあまあ」とレミーは制する。
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