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036 世話
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「またこの労働地獄に戻されちゃったよ…」
シェリルとともに捕らえられラノアール王宮に連行されてきた俺は、地下牢に入れられ、そこに並べられた大量の通信媒体を見て思わずそう呟いた。
音声通信用の水晶、文字や図版を送受信するための石版がボロボロになり、起動に必要な魔力も完全に枯渇した状態で乱雑に積み込まれていた。
本来ならそれらに加えてシルフィードという通信用の精霊が12匹いたのだが、適切なケアを怠ったせいですべて消え去ってしまったようだ。
シルフィードはその半径100mほどの範囲内にいる人間の思念共有を促してくれる精霊で、部隊の連携が格段にスムーズになる優れものだが、デリケートな性格で扱いが非常に難しい。
俺を蹴り上げたフランネル財務大臣は「すぐに呼び戻せ」と言ったが、それは不可能だ。
俺にできるのはケアだけであって、召喚魔術師が作成した魔法陣がなければ呼び出すことはできない。魔法陣さえあれば俺の初歩の召喚魔術でも呼び出せるのだが。
そのことを説明すると「言い訳ばかり抜かしおって!すぐに魔法陣を手配してやるからその間は他の作業を進めておけ!」だそうだ。
暗部のリーダーであるクラウスの手によって俺は地下牢に入れられると、魔術使用不能の機能がついた手錠と足かせは外してもらえたが、この地下牢には魔力障壁が張られているらしく、ここから俺が記憶探知で外の様子を窺い知ることや精神破壊で外の誰かを攻撃することはできない。
ただ、目の前に積み上げられた通信媒体の作業が完了したら、また次の通信媒体を持ってくるとのことで、地下牢に備え付けられた石版で完了報告をしろとのことだった。
つまり、この地下牢は魔力障壁が張られていても通信媒体による通信はできる。
俺はシシリーが咄嗟に渡してくれた小型の通信用水晶が奪われなかったことに安堵し、レミーたちの救出行動に一縷の望みを抱きながら、目の前の作業に取り掛かった。
全然やる気しないけど、どこかでクラウスが見ていて「サボったら殺す」とか言うから仕方なく。
終わりのない強制労働。あまりに酷い。
ただ、ラノアール王国で働いていた10年間も、「サボったら殺す」と言明まではされていなかったが似たようなプレッシャーをかけられる日々であったし、辞めることさえ思いつかなくなるような激務によって縛り付けられ、実質的には強制労働であった。
地下牢の中に設けられた簡易ベッドを見て、「通勤しなくていいだけマシか」と思った自分には、さすがに労働地獄に慣らされすぎだと感じた。
数時間ほど作業を続けていると、ポケットの中の小型の通信用水晶にわずかな反応があった。小声すぎて、どこかで見ているというクラウスには聞こえていないはずだ。俺は独り言のふりをしてレミーに自分が地下牢に囚われていることを伝えた。
ここに向かってくるはずのレミーも心配だが、おそらくシシリーとバーグルーラも一緒だろう。少なくとも簡単にやられるようなタマじゃない。
それにしても心配なのはシェリルだ。
フランネルの野郎、自分の部屋に連れ込んで一体シェリルに何をするつもりだ。
…………………………………………
レミー、シシリー、バーグルーラ、ショコラ、デイモンの5人は、ティモシーとの連絡を終えると、地下へと降りる階段を探した。
王宮内の兵士たちは完全にモチベーションゼロで、本来なら王宮内をうろついていいわけではない街の巡回の衛兵たちの姿をしている彼らを見ても、咎める素振りさえ見せなかった。
しかし、いくら何でも限界はある。
レミーたちが地下への階段を見つけたその時、背後から突然「どこへ行く」という声がかかった。
それと同時にレミーたちは光りに包まれ、擬態が解除され、もとの彼らの姿に戻されてしまった。魔術を解除する魔導具か魔術を使われたのだろう。
振り返るとそこには右目に眼帯をした男と赤い瞳をもつ女。目元以外は全身が黒装束。シェリルから聞いていた特徴と一致する。暗部のリーデルとフィッツェリアだ。
彼らの姿を見て、レミーの心には怒りの炎が静かに燃え上がった。
「ティモシーさんとシェリルさんがずいぶん世話になったみたいですね…」
腹の底から低く低く、そう呟いた。
「まあな」
リーデルは努めてクールにそう答えたが、つい「世話」という言葉に対して、「確かにラノアールまでの道中ではティモシーのシモの世話までしたわけで、本当にけっこうちゃんと世話したんだよな俺」と考えたことまでは、レミーには知る由もなかった。
双方がジリジリとにじり寄る中、バーグルーラが羽を広げて宙に舞い、前に出る。
<ここは我に任せてもらおう>
それにショコラとデイモンが続き、二人が口を揃える。
「私たちも戦います。レミーさんとシシリーさんは地下牢へお願いします」
小さく頷いて踵を返し、地下への階段の手摺に手をかけたシシリーに向けて、フィッツェリアが無言のまま短刀を投げる。
短刀はバーグルーラが展開した結界にかき消され、細かい砂のようになって床に落ちた。
<久方ぶりに堪能していた我の人間の姿を断りもなく解除した無礼、その身を持って理解させてやるわ>
…………………………………………
「命知らずがやってきたようだな」
地下牢で作業を続けていると、どこからともなくクラウスがあらわれてそう言った。
黒装束を身に纏ったクラウスは、両手にやや短めの曲刀を構えて上階へとつながる階段の前に立ちふさがった。
「ティモシーさん!」
叫び声とともに階段を駆け下りながらレミーが魔光斉射砲を撃ち放つ。
クラウスは無言で両手の曲刀を振り回し、すべての銃撃を弾き返す。
「邪魔だよ!」
レミーの横からシシリーが手刀で重力波斬を放つが、空間のズレが到達する前にクラウスは消えてなくなる。
空間のズレを受けて、いくつかの地下牢の鉄格子が音もなく斬り裂かれるが、俺のいる地下牢だけは無傷だ。魔力障壁で防がれたのだろう。
階段を降りきったレミー、シシリーの背後に再びクラウスがあらわれる。
「死ね!」
両手の曲刀が振り抜かれる。
「障壁護符!」
「斥力障壁!」
レミーとシシリーの前にそれぞれ立ち昇った光の壁に、クラウスの斬撃は高い金属音を鳴らして弾き返される。
「ちっ!」
クラウスは舌打ちをして、素早い動きで自らの親指の先を噛み切ると、血が滲む親指を床に押し付けた。勢いよく吹き出た煙とともに、三つ首の巨大な犬があらわれる。
凶悪な地獄の番犬、ケルベロスか。一瞬で召喚しやがった。
ケルベロスが三つの口をそれぞれ大きく開くと、咆哮とともに轟々と真っ黒い炎を吐き出した。
黒い炎がレミーとシシリーを襲い、二人の障壁を打ち砕いてその衝撃で二人は吹き飛ばされる。
その勢いで二人は俺がいる地下牢の前までズシャアッ!と転がされた。
「ぐうっ…!」
どうにか立ち上がろうと身体に力を入れるが、二人とも立ち上がれないようだ。
クラウスが両手の曲刀をシャリンシャリンと擦り合わせながら、生まれたての子鹿のように震えるレミーとシシリーに歩み寄る。
「ティモシー・スティーブンソン、これから目の前で仲間が殺される気分はどうだ?」
俺は湧き上がる怒りと焦燥で、鉄格子を強く握り締める。
クソッ…!
もし俺にとんでもない怪力があれば、こんな鉄格子メキメキとねじり折ってしまえるのに。
でも俺の握力は、ちょっと力が強めの女子にも負けるレベルだ。
どうにもならない。
「ティモシーさん!これを!」
俺の目の前で地に伏せるレミーが、青白い宝玉が輝くペンダントを投げて寄こした。
「首にかけて兵装起動と言ってください!」
シェリルとともに捕らえられラノアール王宮に連行されてきた俺は、地下牢に入れられ、そこに並べられた大量の通信媒体を見て思わずそう呟いた。
音声通信用の水晶、文字や図版を送受信するための石版がボロボロになり、起動に必要な魔力も完全に枯渇した状態で乱雑に積み込まれていた。
本来ならそれらに加えてシルフィードという通信用の精霊が12匹いたのだが、適切なケアを怠ったせいですべて消え去ってしまったようだ。
シルフィードはその半径100mほどの範囲内にいる人間の思念共有を促してくれる精霊で、部隊の連携が格段にスムーズになる優れものだが、デリケートな性格で扱いが非常に難しい。
俺を蹴り上げたフランネル財務大臣は「すぐに呼び戻せ」と言ったが、それは不可能だ。
俺にできるのはケアだけであって、召喚魔術師が作成した魔法陣がなければ呼び出すことはできない。魔法陣さえあれば俺の初歩の召喚魔術でも呼び出せるのだが。
そのことを説明すると「言い訳ばかり抜かしおって!すぐに魔法陣を手配してやるからその間は他の作業を進めておけ!」だそうだ。
暗部のリーダーであるクラウスの手によって俺は地下牢に入れられると、魔術使用不能の機能がついた手錠と足かせは外してもらえたが、この地下牢には魔力障壁が張られているらしく、ここから俺が記憶探知で外の様子を窺い知ることや精神破壊で外の誰かを攻撃することはできない。
ただ、目の前に積み上げられた通信媒体の作業が完了したら、また次の通信媒体を持ってくるとのことで、地下牢に備え付けられた石版で完了報告をしろとのことだった。
つまり、この地下牢は魔力障壁が張られていても通信媒体による通信はできる。
俺はシシリーが咄嗟に渡してくれた小型の通信用水晶が奪われなかったことに安堵し、レミーたちの救出行動に一縷の望みを抱きながら、目の前の作業に取り掛かった。
全然やる気しないけど、どこかでクラウスが見ていて「サボったら殺す」とか言うから仕方なく。
終わりのない強制労働。あまりに酷い。
ただ、ラノアール王国で働いていた10年間も、「サボったら殺す」と言明まではされていなかったが似たようなプレッシャーをかけられる日々であったし、辞めることさえ思いつかなくなるような激務によって縛り付けられ、実質的には強制労働であった。
地下牢の中に設けられた簡易ベッドを見て、「通勤しなくていいだけマシか」と思った自分には、さすがに労働地獄に慣らされすぎだと感じた。
数時間ほど作業を続けていると、ポケットの中の小型の通信用水晶にわずかな反応があった。小声すぎて、どこかで見ているというクラウスには聞こえていないはずだ。俺は独り言のふりをしてレミーに自分が地下牢に囚われていることを伝えた。
ここに向かってくるはずのレミーも心配だが、おそらくシシリーとバーグルーラも一緒だろう。少なくとも簡単にやられるようなタマじゃない。
それにしても心配なのはシェリルだ。
フランネルの野郎、自分の部屋に連れ込んで一体シェリルに何をするつもりだ。
…………………………………………
レミー、シシリー、バーグルーラ、ショコラ、デイモンの5人は、ティモシーとの連絡を終えると、地下へと降りる階段を探した。
王宮内の兵士たちは完全にモチベーションゼロで、本来なら王宮内をうろついていいわけではない街の巡回の衛兵たちの姿をしている彼らを見ても、咎める素振りさえ見せなかった。
しかし、いくら何でも限界はある。
レミーたちが地下への階段を見つけたその時、背後から突然「どこへ行く」という声がかかった。
それと同時にレミーたちは光りに包まれ、擬態が解除され、もとの彼らの姿に戻されてしまった。魔術を解除する魔導具か魔術を使われたのだろう。
振り返るとそこには右目に眼帯をした男と赤い瞳をもつ女。目元以外は全身が黒装束。シェリルから聞いていた特徴と一致する。暗部のリーデルとフィッツェリアだ。
彼らの姿を見て、レミーの心には怒りの炎が静かに燃え上がった。
「ティモシーさんとシェリルさんがずいぶん世話になったみたいですね…」
腹の底から低く低く、そう呟いた。
「まあな」
リーデルは努めてクールにそう答えたが、つい「世話」という言葉に対して、「確かにラノアールまでの道中ではティモシーのシモの世話までしたわけで、本当にけっこうちゃんと世話したんだよな俺」と考えたことまでは、レミーには知る由もなかった。
双方がジリジリとにじり寄る中、バーグルーラが羽を広げて宙に舞い、前に出る。
<ここは我に任せてもらおう>
それにショコラとデイモンが続き、二人が口を揃える。
「私たちも戦います。レミーさんとシシリーさんは地下牢へお願いします」
小さく頷いて踵を返し、地下への階段の手摺に手をかけたシシリーに向けて、フィッツェリアが無言のまま短刀を投げる。
短刀はバーグルーラが展開した結界にかき消され、細かい砂のようになって床に落ちた。
<久方ぶりに堪能していた我の人間の姿を断りもなく解除した無礼、その身を持って理解させてやるわ>
…………………………………………
「命知らずがやってきたようだな」
地下牢で作業を続けていると、どこからともなくクラウスがあらわれてそう言った。
黒装束を身に纏ったクラウスは、両手にやや短めの曲刀を構えて上階へとつながる階段の前に立ちふさがった。
「ティモシーさん!」
叫び声とともに階段を駆け下りながらレミーが魔光斉射砲を撃ち放つ。
クラウスは無言で両手の曲刀を振り回し、すべての銃撃を弾き返す。
「邪魔だよ!」
レミーの横からシシリーが手刀で重力波斬を放つが、空間のズレが到達する前にクラウスは消えてなくなる。
空間のズレを受けて、いくつかの地下牢の鉄格子が音もなく斬り裂かれるが、俺のいる地下牢だけは無傷だ。魔力障壁で防がれたのだろう。
階段を降りきったレミー、シシリーの背後に再びクラウスがあらわれる。
「死ね!」
両手の曲刀が振り抜かれる。
「障壁護符!」
「斥力障壁!」
レミーとシシリーの前にそれぞれ立ち昇った光の壁に、クラウスの斬撃は高い金属音を鳴らして弾き返される。
「ちっ!」
クラウスは舌打ちをして、素早い動きで自らの親指の先を噛み切ると、血が滲む親指を床に押し付けた。勢いよく吹き出た煙とともに、三つ首の巨大な犬があらわれる。
凶悪な地獄の番犬、ケルベロスか。一瞬で召喚しやがった。
ケルベロスが三つの口をそれぞれ大きく開くと、咆哮とともに轟々と真っ黒い炎を吐き出した。
黒い炎がレミーとシシリーを襲い、二人の障壁を打ち砕いてその衝撃で二人は吹き飛ばされる。
その勢いで二人は俺がいる地下牢の前までズシャアッ!と転がされた。
「ぐうっ…!」
どうにか立ち上がろうと身体に力を入れるが、二人とも立ち上がれないようだ。
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「ティモシー・スティーブンソン、これから目の前で仲間が殺される気分はどうだ?」
俺は湧き上がる怒りと焦燥で、鉄格子を強く握り締める。
クソッ…!
もし俺にとんでもない怪力があれば、こんな鉄格子メキメキとねじり折ってしまえるのに。
でも俺の握力は、ちょっと力が強めの女子にも負けるレベルだ。
どうにもならない。
「ティモシーさん!これを!」
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