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第1章
33 侯爵令嬢は獣のように
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かわいい。
アルミラが大悪魔と呼んだベリアルは、天使のようにかわいらしかった。
もちろん、牛のような角がこめかみあたりから2本生えていて、翼はところどころ羽が抜け落ち穴も空いていてボロボロであることは充分に悪魔っぽさを示していた。
けれどカールのかかったブロンドの髪や白い肌、睫毛が長くクリクリした目などは、まるで聖歌隊に入ったばかりの少年みたいで、燃え盛る炎の上に乗っていてもなお、愛らしい微笑みを浮かべていた。
「えっと、ついこの間、銀色のほうの子は会った気がするなあ」
銀色のほうの子と呼ばれたアルミラは、緊張した面持ちで「この間と言っても200年は前だがな…」と言った。
「僕にはこの間さ。それで、今回はそっちの赤い髪の子?」
私はそこで初めてベリアルと目が合い、一気に背筋に悪寒が走った。
一見クリクリした目だが、その奥に光は何もない。
さっき薙ぎ倒した墓石も木切れも砂粒も目の前の私も、何もかも等しく無価値。
そのことを積極的に信じてさえいなくて、ただ事実としてそうだということを虚ろに眺めているだけとしか感じられない目だった。
「そ、そうよ…。リリアス・エル・エス」
「名前なんてどうでもいい」
ニコニコと笑い、声も変声期前の少年そのものだったが、声色のあまりの冷たさに私の背筋に再び悪寒が走る。
「そ、その前に大悪魔ベリアルよ!第6層の守護者である貴様が、なぜこの第5層にいる!」
引きつった顔でそう言ったアルミラに、ベリアルは一瞥もくれず答える。
「ただの配置換えさ。ほら、始めて」
えっと、つまり『戦いを始めろ』ということ?
腰のサーベルに手をかけた私に、アルミラが「違う!」と声を上げる。
「戦って勝てる相手ではない!ヤツはどんな攻撃もすり抜けすべて無に帰してしまうのだ!始めろとは固有能力を見せろ、という意味だ…!」
固有能力。
つまり、この第5層までの各層で潜影移動、憑依変身、動物支配、誘惑魅了、死霊魔術という吸血鬼としての基礎能力を試された。
そして本来この下の第6層にいるというこのベリアルは、上位の吸血鬼のみが持つという固有能力を試す守護者ということなのだろう。
「…で、でも私、固有能力なんて」
「あ、ないの?ないなら殺しちゃうけど」
「ま、待ってくれ!いろいろ試してみろリリアス!」
「待たないよ」
私が何かする前に、ベリアルの足元の炎が轟音を伴って猛スピードで吹き出し、私の全身を一気に包んだ。
「り、リリアスっ!」
アルミラの叫び声が聞こえる。
凄まじい熱量の炎は私の身体を焼き付くし…あれ?全然熱くない。
私は身に纏った炎をゴクンと身体の奥に飲み込む。
「あれ?」
「―――は?」
アルミラもベリアルも呆気にとられた顔をしている。
私もよくわからなくて首をかしげる。
「僕の炎で燃えないなんて…なんか変なもの食べた?」
そう聞かれて私は思い出してみる。
「普通の人間の食事と、動物の血と、あとは雷竜王と…さっき第3層で狼くらいかしら…あ、その前にヒドラも食べたわね。あとは食べてはいないけど私の中にケルベロスとフェンリルがいるわ」
「う~ん、別にそのくらいなら燃え尽きるはずだけどなあ…まあいいや」
ザンッ!
え?
いつの間にか宙に銀色の刃が浮いていて、私の左腕が肩からスッパリと斬り落とされている。激痛が走る。
「あぁああぁあぁぁぁぁあぁぁっ!!!」
身もだえるとすぐに左腕は服ごと再生される。痛みももうないが痛かった。
「何すんのよっ!」
「おかしいなあ、精霊銀の刃で斬ったのに再生するなんて。もう一度」
ザザンッ!
今度は左脚と右腕が斬り飛ばされる。
「――――…ぐぅっ!!!」
バランスを崩して転びそうになるが、その前に左脚と右腕は再生する。
「…へえ」
ザシュッ!
私の視界がぐるりと回る。
あ、今度は首ね。ギロチンぶりだわ。
また頭部がぐにゃりと溶けたように変容し、気付けば身体に戻っている。
「うーん…これはどうかな?」
ザザザザザザザッ!!!
身体中がバラバラに斬り裂かれ、心臓も突き破られる。
「リリアス!!!」
アルミラの叫び声が虚しく響くと同時に、バラバラだったパズルのピースが組み合わさるみたいに私の身体が元通りになる。
「あれぇ?」
「な、なぜだ………!」
ベリアルは怪訝そうに眉根を寄せ、アルミラは目を丸くしている。
「不死性が高すぎるねぇ…もしかしてそれが君の固有能力なのかな?」
「知らないわよ、そんなの」
私は何度も痛めつけられ、イライライライラしてきている。
再生はするけど、痛いのは痛いんだから…!!
「なんか、つまんないねぇ」
ベリアルがそう言うと、突然アルミラの胴体が真っ二つになった。
「かっ…は………っ!」
「――――アルミラッ!!!」
ドサッと砂の地面に倒れたアルミラの上半身に私は駆け寄る。
おなかのあたりの切り口がボロボロと少しずつ灰になって崩れかけている。
「アルミラ!!!」
アルミラの頭の後ろに手を回して私はアルミラの上半身を抱きかかえる。
「リリ…アス………」
「アルミラ…!」
アルミラの口から真っ赤な血が溢れ出る。
「リリアス…!」
「あ、アルミラ…!」
アルミラの目から血の涙がこぼれる。
「た、頼む…最後に……アタシの血を…吸ってくれ………」
懇願するその顔は、一人ぼっちの心細さに涙を流す少女のようだった。
「―――――……っ!!!」
私は言葉を発することができず、震えるアルミラをただ見つめている。
おなかのほうがボロボロと、ゆっくり灰に変わっていく。
「頼む…す……吸って………」
私は何も言わず、獰猛な獣のようにアルミラの首筋に牙を突き立てた。
アルミラが大悪魔と呼んだベリアルは、天使のようにかわいらしかった。
もちろん、牛のような角がこめかみあたりから2本生えていて、翼はところどころ羽が抜け落ち穴も空いていてボロボロであることは充分に悪魔っぽさを示していた。
けれどカールのかかったブロンドの髪や白い肌、睫毛が長くクリクリした目などは、まるで聖歌隊に入ったばかりの少年みたいで、燃え盛る炎の上に乗っていてもなお、愛らしい微笑みを浮かべていた。
「えっと、ついこの間、銀色のほうの子は会った気がするなあ」
銀色のほうの子と呼ばれたアルミラは、緊張した面持ちで「この間と言っても200年は前だがな…」と言った。
「僕にはこの間さ。それで、今回はそっちの赤い髪の子?」
私はそこで初めてベリアルと目が合い、一気に背筋に悪寒が走った。
一見クリクリした目だが、その奥に光は何もない。
さっき薙ぎ倒した墓石も木切れも砂粒も目の前の私も、何もかも等しく無価値。
そのことを積極的に信じてさえいなくて、ただ事実としてそうだということを虚ろに眺めているだけとしか感じられない目だった。
「そ、そうよ…。リリアス・エル・エス」
「名前なんてどうでもいい」
ニコニコと笑い、声も変声期前の少年そのものだったが、声色のあまりの冷たさに私の背筋に再び悪寒が走る。
「そ、その前に大悪魔ベリアルよ!第6層の守護者である貴様が、なぜこの第5層にいる!」
引きつった顔でそう言ったアルミラに、ベリアルは一瞥もくれず答える。
「ただの配置換えさ。ほら、始めて」
えっと、つまり『戦いを始めろ』ということ?
腰のサーベルに手をかけた私に、アルミラが「違う!」と声を上げる。
「戦って勝てる相手ではない!ヤツはどんな攻撃もすり抜けすべて無に帰してしまうのだ!始めろとは固有能力を見せろ、という意味だ…!」
固有能力。
つまり、この第5層までの各層で潜影移動、憑依変身、動物支配、誘惑魅了、死霊魔術という吸血鬼としての基礎能力を試された。
そして本来この下の第6層にいるというこのベリアルは、上位の吸血鬼のみが持つという固有能力を試す守護者ということなのだろう。
「…で、でも私、固有能力なんて」
「あ、ないの?ないなら殺しちゃうけど」
「ま、待ってくれ!いろいろ試してみろリリアス!」
「待たないよ」
私が何かする前に、ベリアルの足元の炎が轟音を伴って猛スピードで吹き出し、私の全身を一気に包んだ。
「り、リリアスっ!」
アルミラの叫び声が聞こえる。
凄まじい熱量の炎は私の身体を焼き付くし…あれ?全然熱くない。
私は身に纏った炎をゴクンと身体の奥に飲み込む。
「あれ?」
「―――は?」
アルミラもベリアルも呆気にとられた顔をしている。
私もよくわからなくて首をかしげる。
「僕の炎で燃えないなんて…なんか変なもの食べた?」
そう聞かれて私は思い出してみる。
「普通の人間の食事と、動物の血と、あとは雷竜王と…さっき第3層で狼くらいかしら…あ、その前にヒドラも食べたわね。あとは食べてはいないけど私の中にケルベロスとフェンリルがいるわ」
「う~ん、別にそのくらいなら燃え尽きるはずだけどなあ…まあいいや」
ザンッ!
え?
いつの間にか宙に銀色の刃が浮いていて、私の左腕が肩からスッパリと斬り落とされている。激痛が走る。
「あぁああぁあぁぁぁぁあぁぁっ!!!」
身もだえるとすぐに左腕は服ごと再生される。痛みももうないが痛かった。
「何すんのよっ!」
「おかしいなあ、精霊銀の刃で斬ったのに再生するなんて。もう一度」
ザザンッ!
今度は左脚と右腕が斬り飛ばされる。
「――――…ぐぅっ!!!」
バランスを崩して転びそうになるが、その前に左脚と右腕は再生する。
「…へえ」
ザシュッ!
私の視界がぐるりと回る。
あ、今度は首ね。ギロチンぶりだわ。
また頭部がぐにゃりと溶けたように変容し、気付けば身体に戻っている。
「うーん…これはどうかな?」
ザザザザザザザッ!!!
身体中がバラバラに斬り裂かれ、心臓も突き破られる。
「リリアス!!!」
アルミラの叫び声が虚しく響くと同時に、バラバラだったパズルのピースが組み合わさるみたいに私の身体が元通りになる。
「あれぇ?」
「な、なぜだ………!」
ベリアルは怪訝そうに眉根を寄せ、アルミラは目を丸くしている。
「不死性が高すぎるねぇ…もしかしてそれが君の固有能力なのかな?」
「知らないわよ、そんなの」
私は何度も痛めつけられ、イライライライラしてきている。
再生はするけど、痛いのは痛いんだから…!!
「なんか、つまんないねぇ」
ベリアルがそう言うと、突然アルミラの胴体が真っ二つになった。
「かっ…は………っ!」
「――――アルミラッ!!!」
ドサッと砂の地面に倒れたアルミラの上半身に私は駆け寄る。
おなかのあたりの切り口がボロボロと少しずつ灰になって崩れかけている。
「アルミラ!!!」
アルミラの頭の後ろに手を回して私はアルミラの上半身を抱きかかえる。
「リリ…アス………」
「アルミラ…!」
アルミラの口から真っ赤な血が溢れ出る。
「リリアス…!」
「あ、アルミラ…!」
アルミラの目から血の涙がこぼれる。
「た、頼む…最後に……アタシの血を…吸ってくれ………」
懇願するその顔は、一人ぼっちの心細さに涙を流す少女のようだった。
「―――――……っ!!!」
私は言葉を発することができず、震えるアルミラをただ見つめている。
おなかのほうがボロボロと、ゆっくり灰に変わっていく。
「頼む…す……吸って………」
私は何も言わず、獰猛な獣のようにアルミラの首筋に牙を突き立てた。
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