ショートショート

二十四夜目、キャバ嬢

知り合いの女性からメールが入った。
「今度、錦糸町のキャバクラに勤めることになったから、来てほしい」「お願い」
あきらかな営業メールだった、こんなおじさんにメールするなんて大変だな。

酒を飲まないので、キャバクラには行かない主義だが、
可愛いあの娘が困っているのか、と思いメールを返した。
「今度、店に遊びに行くよ」
たまには、キャバクラもいいかな。少しワクワクした。

お店は混んでいた。
彼女は「来てくれて、ありがとう」と隣に座ったが、
10分経たずに、他の席に呼ばれていった。
せっかく来たのに、たいしてしゃべれず、面白くなかったので、
さっさと帰ろうと、席を立った。

店を出る際に、彼女から手紙を渡された。
手紙には『23時に終わります、駅で待ていて欲しいです』と書かれていた。
駅で待っていたら、彼女が来た。

「今日は来てくれて、ありがとう」「すごく嬉しかった」
僕は少しさめていた「送っていくよ、車に乗って」と言い、彼女を車に乗せた。

彼女を家まで送る途中、彼女が突然「車を止めて」と言った。
道の路肩に車を止めた。
「今日、帰りたくないの」
彼女は僕を見つめた。僕も彼女の見つめた。
そのままキスをした。
その夜、二人は結ばれた。

歳の離れたカップルなんて長続きするわけがない、僕は抱いたことを後悔することになる。