ショートショート

二十一夜目、神

全てのものは、あるべくしてある。
あると思えばあるし、無いと思えば無い。
色即是空、空即是色。
ある即ち無い、無い即ちある。

ここに地球と言う惑星がある。
元々何も無い空間であった、あるとき、惑星が出来た。
神がくしゃみをしたせいと言われたが、定かではない。
それも古きことだ、誰も覚えていない。

ふと見ると、その惑星も無くなっている。
そんなものだ、もうあったことさえ覚えていない。

どうやらその惑星には生物がいたらしいが、
私にはどうでも良いことだ。

生きること死ぬこと、どちらも、どうでも良いことだ。
どうでも良いことだから、考えることも意味が無い。

私は既に執着をもっていない。
流れに身を任せ、ただあるという存在である。

もしかしたら、本当な無いのかもしれない。
あると思うから、あるのであって、
無いと思えば、無いのであろう。

急に眠くなってきた、久しぶりに眠い。
意志のみの存在となった私が深い眠りについた。

『認証システムが零になりました、世界の終了を確認しました』
その時、全ての宇宙が停止した。