上 下
69 / 76
第1章

第69話 はじめて、自分から(R)

しおりを挟む
 昨日もエディを想いながら、一人あの部屋で自身を慰めていた。指一本なら簡単に挿入できる。
 エディの指を、レイのそこはそんなりと受け入れる。けれど中の感触はやはり、自分でするのとは大違いで。

「ぁ、あ」
「少し、緩くなった? 水晶宮でもひとりでしてたの?」
「んっ、ぅ、して、た、してた……っ」
「レイのえっち。そんなに俺のこと想ってた?」

 ふ、と笑いながら聞いて来るのは冗談なんだろう。
 けれど、本当に想っていた。レイは頷き、エディに縋りつきもっととキスを求めた。

「エディのことしか、かんがえてなかった……っ」
「っ」
「じかんも、何日かもわかんなくて、でもずっと、おまえのっ」

 言葉は続けられなかった。
 エディに激しくキスをされたから。
 自分の中で緩くピストンし、前立腺を優しく撫でるだけだった指の動きも激しくなる。一本では緩いそこが二本、三本と次々エディの指を埋め込み、レイはその刺激にキスをしながら喘いだ。

「んっ、ふぁ、んんっ」
「レイ、好きだよ。大好き。愛してる。レイは?」
「っは、ぁ、すき、えでぃすき……っ」

 初めて告げる好きが、こんなシチュエーションでいいんだろうか。
 キスして、指で中を慣らしているなんていうこんな場面で。
 でもまあ、いいか。これから幾らでも言うんだし。
 レイはぐりぐりと触れられ慣らされ散々啼かされて疲弊しながらも、エディが挿入していない方の手で頬を撫でてくるとその手を掴み、頬擦りした。

「すき……」
「……レイ、きついだろうけどもう挿れたい。いい……?」

 三本目の指でもきつくて、痛い。無理矢理に埋め込んできた指三本でも、エディのものには到底太さは及ばない。
 けれど、自分ももうしたい。あの日途中で終わってしまった続きをしたい。レイは自ら足を手で掴んで拡げ、エディを求めた。

「エディの、もうほしい……」
「じゃあ、挿れるね。痛かったら言って」
「言わない。ほしい、えでぃの」

 自分と違って、殆ど服が乱れていないエディはパンツのフロントを広げ、下穿きの中から完全に反り立つ昂りを取り出しレイのそこへと擦り付ける。先端を触れさせれば吸い付く襞に、エディはゆっくりと体重をかけて押し込み、挿入を果たした。
 ずっと求めていた熱だ。熱い、エディの熱。レイはエディに縋りつき、抱きつくと甘えた声でエディを求める。

「エディ、もう邪魔されない?」
「されない。誰かが来たってやめられないけど、レイは誰に見られても平気?」
「それは止めろよ、ばか」
「じゃあ、誰か来てもいいように布団被ってする?」
「……エディの熱いの、もっと感じられる?」

 そんな言い方、エディが我慢できないということに気付かないはずない。
 レイはわざとエディを煽り、布団を被って襲い掛かってくるそれを受け入れた。

「んっ、ぁ、あ、きもち、ぃ、エディ、えでぃ……っ」
「うん、俺も気持ちいい」
「えでぃ、すき、えでぃ」
「俺も好きだよ。レイ、大好き」

 布団の中で汗だくになりながらも、エディの匂いに包まれてエディの熱で冷たい身体を熱される。
 自分の全部がエディと溶け合うような感覚になりながら、レイは激しくなるピストンで初めて最奥を刺激され何度も甘く達してしまう。

「っは、ぁ、ぅん、えでぃ、えでぃいってる、いってる……っ」
「奥、そんなに気持ちいい?」
「あ、だめ、だめだってだめ、らめ、やぁ、っぁ」

 ごりごりと最奥を突かれ、更にその奥まで挿入ってきそうな勢いに達していて敏感になってしまっているレイは必死に止める。それでもエディは止まらず、レイの細い腰を大きな両手で掴んだと思えば勢いよく貫かれた。

「お゛……っ!」
「漸く、全部挿入った……」

 呟くように吐き出される言葉が、レイの脳をじわりと浸食する。
 ここを突いたら、エディの全てがレイの腹に挿入される。エディの全部を受け入れるなら、この、頭が馬鹿になりそうに気持ちのいいところを、ごんごん突いてくれれば。

「え、でぃ……?」
「ん……?」
「ここまで、ずっとごんごんして……?」

 甘ったるく、エディの箍が外れるようにおねだり。
 レイは次の瞬間、獣のように激しくなったエディに襲われた。

「……っ」
「は、ぁ、レイ、レイ……ッ!」
「おっ、ぉ、オ゛……ッ」
「ここ、レイも気持ちいい? この、奥……っ」
「あ゛ッ、ぁ、ぃぐ、イぐ、っぅ……」

 びゅるる、と勢いよく白濁の欲望が溢れ出す。布団の中で見えないそれはどくどくと自分の腹の上に垂れ流され、エディが毎度激しく腰を穿つ度にびゅるりと溢れる。
 だが、エディには見えないから。エディは一回一回を強く貫くように腰を振りながら、レイの中へ注ぎたいと甘く求めた。

「っは、ぁ、俺もそろそろ……っ」
「も、い、ってる、い、れるぅ、ゔ」

 呂律ももう回らない。レイは激しく喉の奥から嬌声を漏らしながらエディの激しい律動を受け入れ、絶えず達し続ける自分の身体すら満足に動かせない。
 快感から、逃げられない。
 がくがくとエディの腰が震え、中にじんわりと温かい感触が溢れてきた。レイの上に倒れ込むようにして小さく呻くエディは、時折腰を揺らしながらもレイの頬に何度もキスを落としてくる。

「ふ……ぅ」
「いった……?」
「うん、ごめん中で……」
「んん、もっかい」

 もう一度、中で。
 レイはエディに自らキスをし、もっとしたいと強請った。

「え、でもレイ疲れたんじゃない? 俺の体力に付き合わせるわけには」
「ばか、別にそんなんじゃない」

 別に、エディの馬鹿みたいな体力に付き合ってやると言ってるんじゃない。

「俺がしたいからもっかい。やならいい」
「……嫌なわけ」
「あさまで、ずっとしたい」
「……怒っても知らないよ?」
「そん時は、怒られてくんないとやだ」

 エディとずっとくっついていたい。離れさせられていた分、ずっと。
 限界を超えた時は怒るから、その時は受け入れてほしい。いいだろ、幾らでもしていいと言質をくれてやったんだからそれくらい。
 とにかく、自分も限界までエディがほしいのだ。この体力おばけが満足するまで、ずっと。

「……したくないなら、いいけど」
「したいです。わかった、気持ちいいこといっぱいしようね」

 ちゅ、と額にキスをされ、中にまだ注がれたものが残っている感触があるままにゆるゆるとピストンが再開される。
 レイはエディにずっと愛されることの嬉しさに、小さく甘い吐息を漏らした。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして

みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。 きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。 私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。 だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。 なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて? 全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです! ※「小説家になろう」様にも掲載しています。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

処理中です...