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第1章
第41話 今すぐ表出ろ
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本の虫干ししかしなくていい仕事は、有難いやら申し訳ないやら。
本の修復をしている同僚に手伝おうか聞いても病み上がりなのだからと拒否され、受付には絶対に出るななんて言われ。どうしてだと聞けば、軍の人間が最近よくレイを尋ねてくることが増えているがレイが嫌がっていたから出ない方がいいと。
嫌がっているのを知っているということはあのゴリラか。成程、それなら隠れていた方が良い。
だから、レイは毎日2階の隅で仕事をしていた。人目のない場所で、時間の経過もわからないまま夕方まで外を眺めて。
「寒いなぁ……」
今朝エディに、レイと終業時間が被っているから迎えに行くと言われた。一緒に帰ろうと言われ、気恥ずかしさに悪態を吐きながらも頷けばいつもの優しい笑顔で頭を撫でられた。
一緒に暮らしているし、食後は寄りかかったり膝枕までしているのに今更何だと言われるだろうが、普段と違うことをするとなると少し恥ずかしい。
外を一緒に歩いて、ひとつの家に帰る。寮にはまだ帰っていないからエディの家に。
干していた本を片付け、閉館してしまった後表でエディを外で待つため早く準備をしておこうと1階へ降りる。階段は表の利用客が使う大階段ひとつしかない。そこをレイが降りていると、受付の方に見たくない姿を見てしまった。
あのゴリラだ。また性懲りもなく来ていたのか。
レイは気付かれないよう息を殺しながら遠回りをしようと決め、個人的に借りる予定だった分厚い他国の聖書で顔を隠すようにしながらこっそりと階段を降りる。
すすす、と見られないように移動して裏へとまわると、レイの行動を不審に思ったのか上司や同僚が受付の方を覗いていた。
「また来てるんですかあの人」
「ヴァンダムさん好かれてますね」
「嬉しくなぁい……」
できれば二度と会いたくないのにしょっちゅう来るから疲弊する。早くエディが来てくれたらいいのだが、それまでは裏で隠れていないと駄目だろうか。エディは関係者ではないから、表で待っていないといけないのに。
レイははあと溜め息を吐き、荷物をまとめて本を借りる手続きを手早く終わらせる。今日はこれを持ち帰って記述の違いがないかエディと読むつもりなのだ、あのゴリラに邪魔されるわけには。
「呼ぶのはなぁ……」
腕輪に触れ、外すのはと躊躇う。もうそろそろ来るのだし、転移してくるにはエディ側の魔力が使われると聞いた。何の仕事をしているかは知らないけれど聖騎士として魔法を使っていたとしたら、たかがゴリラを追い出すために疲弊させてしまうわけには。
レイは青い宝石を撫で、少し話して帰ってもらえないか聞くことにした。
荷物を全てまとめて肩から鞄を掛け、受付に顔を出す。エディが来たらすぐに気が付くように、外の方を見える位置でデプレに声を掛ける。
「閣下、こんばんは」
「ヴァンダム! 久しぶりに会えたな、具合はどうだ?」
軍部の人間だというのに、レイが誰に襲われたのかを知らされていないのか?
思わず訝しげにデプレを見上げてしまうが、デプレは何やらレイの視線を別のものだと感じたらしく、照れたように笑う。
それさえ嫌悪の対象にしかならず、レイは思わず露骨に嫌な顔をしてしまった。
「今日は飲みに行かないか?」
「あーいや、今日は同居人と一緒に帰る約束してて」
「一日くらいいいだろう?」
「いやいや無理ですって、約束してるんで」
「俺は前々から誘っていただろ」
確かにそうなのだが、約束自体はしていない。
レイがどうしようと考えていると、デプレは手を伸ばしてくる。
まずい、触られたら弾け飛ぶ。レイは慌てて飛び退き伸びた手から距離をとった。
「す、すみません、ちょっと触られるのはまずくて」
「以前は乗り気だっただろ」
「はあ? あ、いや、そんなことありました?」
有無を言わせず突然尻を触ってきたことはあるけれどそれに乗ったことなんて一度もない。
段々と苛立ちを見せてくる目の前の大柄な男に少しばかり恐怖を覚え、どうしようと思っていると、レイの視界の端に白い制服を纏った騎士が見えた。
「レイ、帰ろ」
「エディ! すみません、同居人が来たので失礼します」
「おい待て、ヴァンダム!」
レイは弾かれるようにエディに走り寄り、その背に隠れた。
突然間に挟まれたエディは面食らうも、レイのその態度と自分の向かいにいるレイに言い寄っていた男がいつもレイを困らせていたデプレだと気付くなり目を細め、にっこりと笑いながらデプレを見上げた。
「此処だと図書館の方々の迷惑になるので、少し表で話しましょうか」
嗚呼、声色でわかる。これは完璧に怒っている時の声だ。
言葉を柔らかく表現しているが、これを自分が言っていたとしたら『てめぇ今すぐ表出ろ』だ。喧嘩勃発一秒前。
デプレはエディに窘められていると思ったのか、顔に怒りが浮かぶ。そんなデプレから逃げるよう、エディを盾にしながらレイは外へと連れ出された。
往来で言い合いをするには三人は目立つ。図書館の隣の公園に新しく作られた四阿へエディはレイをエスコートしながらデプレを連れ歩き、レイと隣同士で座ると向かいの席を手で差す。
「そちらにお座りください」
「……」
もう不機嫌を隠しもしない。苛立った様子でデプレが椅子に座ると、エディは早速本題を口にする。
「合意のない相手の身体を触るのは如何なものでしょうか。同性を好きとも限らない、上官の命令に逆らえない部下に強要するのは如何かと」
「ヴァンダムは合意していた」
「していないです。していたら、私が口を出すわけがないでしょう」
「……貴様はどの立場で俺に物を言っている?」
「レイを保護する立場で。親友であり同居人であり、今は王太子殿下より直々にレイの護衛を任されています」
それは知らなかった。まさか自分が護衛されるような立場になるなんて。
レイが驚いていると、エディはふっと微笑みレイを見つめる。
「そうやって驚くと思ったから秘密だったんだ。療養中から俺の家に住まわせてたのもそのためだよ」
「じゃあ今出てったらどうなる?」
「俺も寮に行くことになるかな、留守はアンジーさんにお願いして」
「……暫く同居続けるわ」
「うん、続けて。……というわけで、護衛対象を危険にさらす真似はさせられないので」
デプレには近付けさせない。レイを守るようにエディが言えば、当然気に入らないデプレは反論してくる。
「人の色恋沙汰に口を出すなんて聖騎士様は余程お偉い立場らしい」
「逆らえない相手を手籠めにしようとしておいて何が色恋だ」
一触即発の雰囲気だ。エディはデプレがレイに触れ、迫っていることが気にいらず、デプレはレイとの色恋だのの邪魔をされたくないらしい。
本人だというのに口を挟む余地もなく言い争われているのは困る。それに、デプレがまだ自分との何かを夢見ているのは正直気持ち悪い。
レイは、エディの服の裾を掴み引っ張った。
「エディ」
「なに?」
「今から言うの、本気にすんなよ」
耳許で囁き、じっと睨む。今から言うことでどうにかなるなんて絶対に嫌だから、釘を刺しておかないと。
レイはデプレを見上げた。
「……俺の心に住んでるの、エディなので。……気を持たせてたなら、すみません」
こんなところで告白なんてしたくはなかったけれど、レイがデプレを想っていると思われるのは癪だ。レイの心にはエディがいる。
だからデプレのことは何とも思っていない。申し訳ないが、ここではっきりと言っておかないと。
ただ、これが本当だとエディに伝わってしまったら今後が面倒なことになる。そもそも、翻弄し続けると決めたのだし。
二人が硬直してしまった中レイは立ち上がり、帰るため改めて鞄を肩に掛け直した。
「エディ、帰るぞ」
「え、えっと」
「早く!」
エディはレイが釘を刺したのにも関わらず顔を真っ赤にして慌てて立ち上がる。
ついてこないなら置いて帰ってやろうと勝手に先に歩き出したレイは、走って追いついてきたエディを睨み上げた。
「本当じゃないからな、絶対本気にすんなよ」
「わかってる。ごめん、嘘でも嬉しくて」
そんなになるのに、何でこれ以上先を望まないんだ。
自分は毎夜、エディを求めているのに。
「……お前、一回喧嘩しとくか?」
「俺に勝てると思ってる?」
「はぁ……そうだった」
エディには魔法も力も敵わない。
口喧嘩だって勝てない。
レイは、熱い頬を見られないよう俯きながらエディと共に帰路についた。
本の修復をしている同僚に手伝おうか聞いても病み上がりなのだからと拒否され、受付には絶対に出るななんて言われ。どうしてだと聞けば、軍の人間が最近よくレイを尋ねてくることが増えているがレイが嫌がっていたから出ない方がいいと。
嫌がっているのを知っているということはあのゴリラか。成程、それなら隠れていた方が良い。
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「寒いなぁ……」
今朝エディに、レイと終業時間が被っているから迎えに行くと言われた。一緒に帰ろうと言われ、気恥ずかしさに悪態を吐きながらも頷けばいつもの優しい笑顔で頭を撫でられた。
一緒に暮らしているし、食後は寄りかかったり膝枕までしているのに今更何だと言われるだろうが、普段と違うことをするとなると少し恥ずかしい。
外を一緒に歩いて、ひとつの家に帰る。寮にはまだ帰っていないからエディの家に。
干していた本を片付け、閉館してしまった後表でエディを外で待つため早く準備をしておこうと1階へ降りる。階段は表の利用客が使う大階段ひとつしかない。そこをレイが降りていると、受付の方に見たくない姿を見てしまった。
あのゴリラだ。また性懲りもなく来ていたのか。
レイは気付かれないよう息を殺しながら遠回りをしようと決め、個人的に借りる予定だった分厚い他国の聖書で顔を隠すようにしながらこっそりと階段を降りる。
すすす、と見られないように移動して裏へとまわると、レイの行動を不審に思ったのか上司や同僚が受付の方を覗いていた。
「また来てるんですかあの人」
「ヴァンダムさん好かれてますね」
「嬉しくなぁい……」
できれば二度と会いたくないのにしょっちゅう来るから疲弊する。早くエディが来てくれたらいいのだが、それまでは裏で隠れていないと駄目だろうか。エディは関係者ではないから、表で待っていないといけないのに。
レイははあと溜め息を吐き、荷物をまとめて本を借りる手続きを手早く終わらせる。今日はこれを持ち帰って記述の違いがないかエディと読むつもりなのだ、あのゴリラに邪魔されるわけには。
「呼ぶのはなぁ……」
腕輪に触れ、外すのはと躊躇う。もうそろそろ来るのだし、転移してくるにはエディ側の魔力が使われると聞いた。何の仕事をしているかは知らないけれど聖騎士として魔法を使っていたとしたら、たかがゴリラを追い出すために疲弊させてしまうわけには。
レイは青い宝石を撫で、少し話して帰ってもらえないか聞くことにした。
荷物を全てまとめて肩から鞄を掛け、受付に顔を出す。エディが来たらすぐに気が付くように、外の方を見える位置でデプレに声を掛ける。
「閣下、こんばんは」
「ヴァンダム! 久しぶりに会えたな、具合はどうだ?」
軍部の人間だというのに、レイが誰に襲われたのかを知らされていないのか?
思わず訝しげにデプレを見上げてしまうが、デプレは何やらレイの視線を別のものだと感じたらしく、照れたように笑う。
それさえ嫌悪の対象にしかならず、レイは思わず露骨に嫌な顔をしてしまった。
「今日は飲みに行かないか?」
「あーいや、今日は同居人と一緒に帰る約束してて」
「一日くらいいいだろう?」
「いやいや無理ですって、約束してるんで」
「俺は前々から誘っていただろ」
確かにそうなのだが、約束自体はしていない。
レイがどうしようと考えていると、デプレは手を伸ばしてくる。
まずい、触られたら弾け飛ぶ。レイは慌てて飛び退き伸びた手から距離をとった。
「す、すみません、ちょっと触られるのはまずくて」
「以前は乗り気だっただろ」
「はあ? あ、いや、そんなことありました?」
有無を言わせず突然尻を触ってきたことはあるけれどそれに乗ったことなんて一度もない。
段々と苛立ちを見せてくる目の前の大柄な男に少しばかり恐怖を覚え、どうしようと思っていると、レイの視界の端に白い制服を纏った騎士が見えた。
「レイ、帰ろ」
「エディ! すみません、同居人が来たので失礼します」
「おい待て、ヴァンダム!」
レイは弾かれるようにエディに走り寄り、その背に隠れた。
突然間に挟まれたエディは面食らうも、レイのその態度と自分の向かいにいるレイに言い寄っていた男がいつもレイを困らせていたデプレだと気付くなり目を細め、にっこりと笑いながらデプレを見上げた。
「此処だと図書館の方々の迷惑になるので、少し表で話しましょうか」
嗚呼、声色でわかる。これは完璧に怒っている時の声だ。
言葉を柔らかく表現しているが、これを自分が言っていたとしたら『てめぇ今すぐ表出ろ』だ。喧嘩勃発一秒前。
デプレはエディに窘められていると思ったのか、顔に怒りが浮かぶ。そんなデプレから逃げるよう、エディを盾にしながらレイは外へと連れ出された。
往来で言い合いをするには三人は目立つ。図書館の隣の公園に新しく作られた四阿へエディはレイをエスコートしながらデプレを連れ歩き、レイと隣同士で座ると向かいの席を手で差す。
「そちらにお座りください」
「……」
もう不機嫌を隠しもしない。苛立った様子でデプレが椅子に座ると、エディは早速本題を口にする。
「合意のない相手の身体を触るのは如何なものでしょうか。同性を好きとも限らない、上官の命令に逆らえない部下に強要するのは如何かと」
「ヴァンダムは合意していた」
「していないです。していたら、私が口を出すわけがないでしょう」
「……貴様はどの立場で俺に物を言っている?」
「レイを保護する立場で。親友であり同居人であり、今は王太子殿下より直々にレイの護衛を任されています」
それは知らなかった。まさか自分が護衛されるような立場になるなんて。
レイが驚いていると、エディはふっと微笑みレイを見つめる。
「そうやって驚くと思ったから秘密だったんだ。療養中から俺の家に住まわせてたのもそのためだよ」
「じゃあ今出てったらどうなる?」
「俺も寮に行くことになるかな、留守はアンジーさんにお願いして」
「……暫く同居続けるわ」
「うん、続けて。……というわけで、護衛対象を危険にさらす真似はさせられないので」
デプレには近付けさせない。レイを守るようにエディが言えば、当然気に入らないデプレは反論してくる。
「人の色恋沙汰に口を出すなんて聖騎士様は余程お偉い立場らしい」
「逆らえない相手を手籠めにしようとしておいて何が色恋だ」
一触即発の雰囲気だ。エディはデプレがレイに触れ、迫っていることが気にいらず、デプレはレイとの色恋だのの邪魔をされたくないらしい。
本人だというのに口を挟む余地もなく言い争われているのは困る。それに、デプレがまだ自分との何かを夢見ているのは正直気持ち悪い。
レイは、エディの服の裾を掴み引っ張った。
「エディ」
「なに?」
「今から言うの、本気にすんなよ」
耳許で囁き、じっと睨む。今から言うことでどうにかなるなんて絶対に嫌だから、釘を刺しておかないと。
レイはデプレを見上げた。
「……俺の心に住んでるの、エディなので。……気を持たせてたなら、すみません」
こんなところで告白なんてしたくはなかったけれど、レイがデプレを想っていると思われるのは癪だ。レイの心にはエディがいる。
だからデプレのことは何とも思っていない。申し訳ないが、ここではっきりと言っておかないと。
ただ、これが本当だとエディに伝わってしまったら今後が面倒なことになる。そもそも、翻弄し続けると決めたのだし。
二人が硬直してしまった中レイは立ち上がり、帰るため改めて鞄を肩に掛け直した。
「エディ、帰るぞ」
「え、えっと」
「早く!」
エディはレイが釘を刺したのにも関わらず顔を真っ赤にして慌てて立ち上がる。
ついてこないなら置いて帰ってやろうと勝手に先に歩き出したレイは、走って追いついてきたエディを睨み上げた。
「本当じゃないからな、絶対本気にすんなよ」
「わかってる。ごめん、嘘でも嬉しくて」
そんなになるのに、何でこれ以上先を望まないんだ。
自分は毎夜、エディを求めているのに。
「……お前、一回喧嘩しとくか?」
「俺に勝てると思ってる?」
「はぁ……そうだった」
エディには魔法も力も敵わない。
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