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僕、白石雪はしがない高校2年生である。真面目で責任感のある性格が裏目に出たのか、クラスの委員長を任され雑用を押し付けられることも少なくない。
今日はラッキーな事に誰にも放課後の教室掃除を頼まれることもなかった。先生からプリントを運ぶのを手伝ってほしいと言われる事もなかった。
なんて、ラッキーな日だ。こんな日は滅多にない。今日はバイトもないから早く家に帰ってご飯でも作っておこう。
夕暮れに染まる帰り道を歩きながら、僕は密かにルンルン気分でいた。内心は浮かれているが、表情はいつも通り仮面をつけたまま。しかし、散歩中のワンちゃんには僕のその仮面の奥に潜む感情に気がついたのだろうか?
尻尾をブンブンブンブン振りながら無邪気に僕に飛びついてきた。まるで僕の心の中を表しているみたいだ。
家に着き、冷蔵庫を覗く。冷蔵庫の中にはたくさんの食材が入っていた。野菜に肉に魚全てが揃っている。なんなら、キャビアに松茸といった高級食材もある。
逆に何を作るべきか迷ってしまう。
考えるのがめんどくさくなったため、この家の持ち主兼僕の同棲相手にメールで何が食べたいのか聞く事にした。すぐに返信が来た。
"雪が作るものならなんでもうまい"
"えぇー、そういうのが1番困るの!"
"じゃあ、カレーが食いたい"
"了解!お仕事がんばってね。"
作るものが決まればこっちのもの。野菜をザクザク切って、お肉をジューと炒める。野菜を入れて、お水を加えてぐつぐつさせる。お野菜が柔らかくなったら、カレーのルーを入れて完成。部屋中が良い匂いになった。
現在の時刻は7時過ぎ。一仕事終えたら急に眠くなってきた。
彼が帰ってくるまでもう少し時間があるから、ソファーで横になっていることにしよう。
あぁ、早く帰ってこないかな…朝あったばかりなのに、顔が見たいよ…寂しいという気持ちをどこかに置いてきたはずなのに、あなたのことを考えると自分が弱くなった気がする。
ガチャ
家の鍵が開く音がした。
「ただいま、雪。」
今日はラッキーな事に誰にも放課後の教室掃除を頼まれることもなかった。先生からプリントを運ぶのを手伝ってほしいと言われる事もなかった。
なんて、ラッキーな日だ。こんな日は滅多にない。今日はバイトもないから早く家に帰ってご飯でも作っておこう。
夕暮れに染まる帰り道を歩きながら、僕は密かにルンルン気分でいた。内心は浮かれているが、表情はいつも通り仮面をつけたまま。しかし、散歩中のワンちゃんには僕のその仮面の奥に潜む感情に気がついたのだろうか?
尻尾をブンブンブンブン振りながら無邪気に僕に飛びついてきた。まるで僕の心の中を表しているみたいだ。
家に着き、冷蔵庫を覗く。冷蔵庫の中にはたくさんの食材が入っていた。野菜に肉に魚全てが揃っている。なんなら、キャビアに松茸といった高級食材もある。
逆に何を作るべきか迷ってしまう。
考えるのがめんどくさくなったため、この家の持ち主兼僕の同棲相手にメールで何が食べたいのか聞く事にした。すぐに返信が来た。
"雪が作るものならなんでもうまい"
"えぇー、そういうのが1番困るの!"
"じゃあ、カレーが食いたい"
"了解!お仕事がんばってね。"
作るものが決まればこっちのもの。野菜をザクザク切って、お肉をジューと炒める。野菜を入れて、お水を加えてぐつぐつさせる。お野菜が柔らかくなったら、カレーのルーを入れて完成。部屋中が良い匂いになった。
現在の時刻は7時過ぎ。一仕事終えたら急に眠くなってきた。
彼が帰ってくるまでもう少し時間があるから、ソファーで横になっていることにしよう。
あぁ、早く帰ってこないかな…朝あったばかりなのに、顔が見たいよ…寂しいという気持ちをどこかに置いてきたはずなのに、あなたのことを考えると自分が弱くなった気がする。
ガチャ
家の鍵が開く音がした。
「ただいま、雪。」
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