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休日デートのお仕置き
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「どこに行こうか」
外に出て、手を繋いで歩き始めてからそう問われた。出掛けることが目的で、お互いノープランだ。
「んー……とりあえずランチかなぁ?」
時刻はなんだかんだでもう十一時だ。
「そうだね。瑞姫は食べたいものある?」
うーん、と考える。
特に食べたいものも食べたくないものもないものの、今日もわりと恥ずかしい格好をさせられている。五月に入ってずいぶん暑くなってきたから、上は薄手のレモンイエローのカットソーで、下は白いAラインの膝上フレアスカート。さすがに昼間歩くには透けすぎるので乳首に絆創膏を貼ってはいるけれど、下着はナシ。下も玩具の類は入っていないものの、やはり下着はなし。短いふわふわと揺れるスカートにドキドキしてしまう。
ショッピングモールなどはちょっと避けたい。
「人の多い所に行く?」
見透かしたように、奏輔さんが耳打ちしてくる。途端に顔が熱くなるのを感じた。
「ふは、顔真っ赤!」
結局、私の赤い顔を見た奏輔さんが本当にショッピングモールへ行くことに決めてしまった。
(ここ、ヒロさんと来たとこ……)
よりによって、と思う。
博己の家はここから近いし、鉢合わせたりしないだろうか。
「大丈夫、帰省や旅行で普段より少ないくらいの人しかいないよ」
繋いだ手に力が入っていたのだろう。私が人混みを不安に思ったと勘違いした奏輔さんが、耳元で囁いてくれた。
たしかに、思ったよりもずっと空いている。
「田舎は連休の方が混むのに」
「観光地なんかはやっぱり混むけどね。この辺は近郊の人しか来ないから」
何を食べようか、とグルメ街を歩く。
(あ……あの店……)
考えたくないのに、博己に飲み物をこぼされたことを思い出す。
「ん? あそこにする?」
「ううん! えっと……今日は定食とか、がっつり食べちゃおうかな!」
「そうだね、朝も食べてないし、そうしようか」
別に悪いことなんてしていないのに、ひどく後ろめたい気持ちになったけれど、それでも定食屋さんのショーケースに並ぶ食品サンプルはどれも美味しそうだ。
(うん、今日は奏輔さんとのデートを楽しもう)
白身魚のおろしあんかけ定食をしっかり食べて、ゆっくりお茶を飲んでから店を出た。
「ちょっとお手洗いに行ってくるね」
と、奏輔がぎゅっと手を握って引き寄せる。
「瑞姫、今日は勝手におトイレ行っちゃダメだよね?」
途端に全身が熱くなる。
そうだ、今日はお願いしないとトイレに行けないんだ……
「あ、あの、……お手洗いに、行かせて、ください……」
下着を着けていないことも急に意識してしまって、めちゃくちゃ恥ずかしい。
「どうしよっかなぁ。瑞姫勝手に行こうとしてたし、お仕置きが必要じゃない?」
「う……でも、ここ、外だ、し……」
ゴールデンウィーク中で人が少ないとはいえ、それなりの人出はある。ここでお仕置きはさすがに、と思う。
「そうだなぁ……じゃあ、」
奏輔さんはスマホを取り出して、なにやら打ち始めた。少しして、私のスマホが振動する。
(奏輔さんから……『トイレでビデオ通話にして、オナニーしてくること』!?)
さらにメッセージが追加される。
『ちゃんとおしっこしてるところから電話してね』
奏輔さんの顔を見ると、すっかりドSモードになっている。この顔には逆らえない。
「はい、いってらっしゃい」
トイレに向かって洋式の個室に入って、奏輔さんにビデオ通話をかける。
当然すぐ繋がるけれど、画面の奏輔さんは口に人差し指を立てて『黙って見てるよ』のサインだ。私もトイレで喋るわけにいかないので、そのままスカートを捲くりあげて用を足す。
ちゃんとカモフラージュの機械音もしているのに、本物の水音が妙に聞こえる気がしてしまって恥ずかしい。
一度トイレットペーパーで拭いて、スマホの画面を見ると、奏輔さんが意地の悪い顔で笑っている。
(うう、ここで自分でするの……?)
トイレには他にも人がいる。友達と化粧をなおしているらしく、おしゃべりが聞こえていた。
恥ずかしい気持ちを堪えながら、片手でスマホを持ったまま、もう片手で胸を触ってみる。絆創膏を貼っているので目立たないが、触れば固くなっているのがわかる。
しばらくそうしていたら、奏輔さんが指で下を指した。
(下もしろってことよね……)
胸から手を離し、脚の間に指を差し入れる。それが見えるように、スマホの画面も動かした。
もう機械の流水音は止まっているので、小さくくちゅくちゅという音が聞こえる。奏輔さんはイヤホンをしているので、たぶん聞こえているだろう。
いつの間にか、化粧をしていた女の子のおしゃべりも聞こえなくなっていた。
外に出て、手を繋いで歩き始めてからそう問われた。出掛けることが目的で、お互いノープランだ。
「んー……とりあえずランチかなぁ?」
時刻はなんだかんだでもう十一時だ。
「そうだね。瑞姫は食べたいものある?」
うーん、と考える。
特に食べたいものも食べたくないものもないものの、今日もわりと恥ずかしい格好をさせられている。五月に入ってずいぶん暑くなってきたから、上は薄手のレモンイエローのカットソーで、下は白いAラインの膝上フレアスカート。さすがに昼間歩くには透けすぎるので乳首に絆創膏を貼ってはいるけれど、下着はナシ。下も玩具の類は入っていないものの、やはり下着はなし。短いふわふわと揺れるスカートにドキドキしてしまう。
ショッピングモールなどはちょっと避けたい。
「人の多い所に行く?」
見透かしたように、奏輔さんが耳打ちしてくる。途端に顔が熱くなるのを感じた。
「ふは、顔真っ赤!」
結局、私の赤い顔を見た奏輔さんが本当にショッピングモールへ行くことに決めてしまった。
(ここ、ヒロさんと来たとこ……)
よりによって、と思う。
博己の家はここから近いし、鉢合わせたりしないだろうか。
「大丈夫、帰省や旅行で普段より少ないくらいの人しかいないよ」
繋いだ手に力が入っていたのだろう。私が人混みを不安に思ったと勘違いした奏輔さんが、耳元で囁いてくれた。
たしかに、思ったよりもずっと空いている。
「田舎は連休の方が混むのに」
「観光地なんかはやっぱり混むけどね。この辺は近郊の人しか来ないから」
何を食べようか、とグルメ街を歩く。
(あ……あの店……)
考えたくないのに、博己に飲み物をこぼされたことを思い出す。
「ん? あそこにする?」
「ううん! えっと……今日は定食とか、がっつり食べちゃおうかな!」
「そうだね、朝も食べてないし、そうしようか」
別に悪いことなんてしていないのに、ひどく後ろめたい気持ちになったけれど、それでも定食屋さんのショーケースに並ぶ食品サンプルはどれも美味しそうだ。
(うん、今日は奏輔さんとのデートを楽しもう)
白身魚のおろしあんかけ定食をしっかり食べて、ゆっくりお茶を飲んでから店を出た。
「ちょっとお手洗いに行ってくるね」
と、奏輔がぎゅっと手を握って引き寄せる。
「瑞姫、今日は勝手におトイレ行っちゃダメだよね?」
途端に全身が熱くなる。
そうだ、今日はお願いしないとトイレに行けないんだ……
「あ、あの、……お手洗いに、行かせて、ください……」
下着を着けていないことも急に意識してしまって、めちゃくちゃ恥ずかしい。
「どうしよっかなぁ。瑞姫勝手に行こうとしてたし、お仕置きが必要じゃない?」
「う……でも、ここ、外だ、し……」
ゴールデンウィーク中で人が少ないとはいえ、それなりの人出はある。ここでお仕置きはさすがに、と思う。
「そうだなぁ……じゃあ、」
奏輔さんはスマホを取り出して、なにやら打ち始めた。少しして、私のスマホが振動する。
(奏輔さんから……『トイレでビデオ通話にして、オナニーしてくること』!?)
さらにメッセージが追加される。
『ちゃんとおしっこしてるところから電話してね』
奏輔さんの顔を見ると、すっかりドSモードになっている。この顔には逆らえない。
「はい、いってらっしゃい」
トイレに向かって洋式の個室に入って、奏輔さんにビデオ通話をかける。
当然すぐ繋がるけれど、画面の奏輔さんは口に人差し指を立てて『黙って見てるよ』のサインだ。私もトイレで喋るわけにいかないので、そのままスカートを捲くりあげて用を足す。
ちゃんとカモフラージュの機械音もしているのに、本物の水音が妙に聞こえる気がしてしまって恥ずかしい。
一度トイレットペーパーで拭いて、スマホの画面を見ると、奏輔さんが意地の悪い顔で笑っている。
(うう、ここで自分でするの……?)
トイレには他にも人がいる。友達と化粧をなおしているらしく、おしゃべりが聞こえていた。
恥ずかしい気持ちを堪えながら、片手でスマホを持ったまま、もう片手で胸を触ってみる。絆創膏を貼っているので目立たないが、触れば固くなっているのがわかる。
しばらくそうしていたら、奏輔さんが指で下を指した。
(下もしろってことよね……)
胸から手を離し、脚の間に指を差し入れる。それが見えるように、スマホの画面も動かした。
もう機械の流水音は止まっているので、小さくくちゅくちゅという音が聞こえる。奏輔さんはイヤホンをしているので、たぶん聞こえているだろう。
いつの間にか、化粧をしていた女の子のおしゃべりも聞こえなくなっていた。
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