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第五章 旅は続く
第七十九話 パビルサグとそして……
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乗り込めば中は先程の洞窟とは比べ物にならないくらい広く、私でもわかるほどに邪悪な魔力で満ちていた。
そして……不思議なことに、魔物達が一匹もおらず中には五体の『パビルサグ』がいた。
相変わらず不気味な奴らは、私達を認識すると目を赤く光らせながら、こちらへとゆっくりと歩いてくる。
……強い殺気を纏いながら。
「行くぞ……!」
リュドヴィック卿の合図で、全員それぞれパビルサグに向かって行く。
左からリュドヴィック卿、オクト、私、ブリアック卿、アンドレアス殿だ。
各々の武器で、先に攻撃をしかける。私は双剣を逆手に持って、飛び上がり回転しながら、目の前のパビルサグへと向かう。
「はぁ!」
攻撃は当たったかのように見えたが、両手で防がれてしまった。そして、その両手で思い切り広げられ、私は後ろへ吹き飛ばされる。
「くっ!」
私は勢いをなんとか相殺して、体勢を立て直す。すぐにパビルサグが今度は蹴りを入れてきた。それを、左に避け、右手に持っていた剣を逆手から持ち替え、切っ先を向ける。
「【怒焔の矢】!」
私は容赦なく焔を放ち、焼いた。……だが。
《オモシロイ。コレガ、サジタリウスガ呼ビシ勇者カ》
「お前は……あの時の……?」
私が警戒を解くことなく言うと、皮膚が、全身が焼けていきながら笑い声をあげる。そして。
《全テノ配下共ヨ。我ガ糧トナレ!》
突如、五体のパビルサグ達が雄たけびを上げながら宙へと浮き、空中で輪になる。
「何か来るである! これは……なんであるか、この魔力は!?」
アンドレアス殿が珍しく叫ぶ。皆、警戒を一層強める。その輪が黒く光り、柱となり、その中から……とてつもなく巨大な、半人半馬のボサボサの黒髪の怪物が現れた。
咆哮を上げるその怪物の殺気と勢いで、私達は後ろへ下がる。
「なんだってんだ、コイツは!?」
オクトの言葉に、私だけがソイツが何者なのか認識できたようだった。私は皆に向かって叫ぶ。
「『破壊神サテュロス』だ! 気を付けてください! 恐らく……逃がしてなどくれません!」
そう。
直感でわかった……コイツは、サテュロスは……殺しに来ていると。
みんなもそれを理解したのだろう。各々武器を構える。
「仕方ない。迎撃するぞ!」
リュドヴィック卿の言葉を合図に、サテュロスに向かって行く。リュドヴィック卿、オクト、ブリアック卿、私は接近する。アンドレアス殿が後方から強化魔法を施してくれた。
「有難き」
そう言うと、ブリアック卿が最初に仕掛けた。獣人故の筋力で飛び上がり、サテュロスの胴体を双剣で斬りつける。
そして、リュドヴィック卿とオクトが、二人で刃を合わせて飛ぶ斬撃を放つ。……いつの間にそんな技を編み出していたんだ……?
そう思いつつ、私は捕捉してサテュロスに向かって【怒焔の矢】を放った。火力はもちろん最大でだ。
だが……。
《ヌルイワ! サジタリウスガ選ビシ勇者トハ、ソンナモノカ?》
ブリアック卿はサテュロスの手に捕捉され思い切り投げられ、リュドヴィック卿とオクトは地団駄を踏まれて思わず地面によろめく。
そして私は……。
《勇者ヨ! イザ、勝負ダ!》
そう言ってサテュロスは私目掛けて口から青い焔を――吐いた。
そして……不思議なことに、魔物達が一匹もおらず中には五体の『パビルサグ』がいた。
相変わらず不気味な奴らは、私達を認識すると目を赤く光らせながら、こちらへとゆっくりと歩いてくる。
……強い殺気を纏いながら。
「行くぞ……!」
リュドヴィック卿の合図で、全員それぞれパビルサグに向かって行く。
左からリュドヴィック卿、オクト、私、ブリアック卿、アンドレアス殿だ。
各々の武器で、先に攻撃をしかける。私は双剣を逆手に持って、飛び上がり回転しながら、目の前のパビルサグへと向かう。
「はぁ!」
攻撃は当たったかのように見えたが、両手で防がれてしまった。そして、その両手で思い切り広げられ、私は後ろへ吹き飛ばされる。
「くっ!」
私は勢いをなんとか相殺して、体勢を立て直す。すぐにパビルサグが今度は蹴りを入れてきた。それを、左に避け、右手に持っていた剣を逆手から持ち替え、切っ先を向ける。
「【怒焔の矢】!」
私は容赦なく焔を放ち、焼いた。……だが。
《オモシロイ。コレガ、サジタリウスガ呼ビシ勇者カ》
「お前は……あの時の……?」
私が警戒を解くことなく言うと、皮膚が、全身が焼けていきながら笑い声をあげる。そして。
《全テノ配下共ヨ。我ガ糧トナレ!》
突如、五体のパビルサグ達が雄たけびを上げながら宙へと浮き、空中で輪になる。
「何か来るである! これは……なんであるか、この魔力は!?」
アンドレアス殿が珍しく叫ぶ。皆、警戒を一層強める。その輪が黒く光り、柱となり、その中から……とてつもなく巨大な、半人半馬のボサボサの黒髪の怪物が現れた。
咆哮を上げるその怪物の殺気と勢いで、私達は後ろへ下がる。
「なんだってんだ、コイツは!?」
オクトの言葉に、私だけがソイツが何者なのか認識できたようだった。私は皆に向かって叫ぶ。
「『破壊神サテュロス』だ! 気を付けてください! 恐らく……逃がしてなどくれません!」
そう。
直感でわかった……コイツは、サテュロスは……殺しに来ていると。
みんなもそれを理解したのだろう。各々武器を構える。
「仕方ない。迎撃するぞ!」
リュドヴィック卿の言葉を合図に、サテュロスに向かって行く。リュドヴィック卿、オクト、ブリアック卿、私は接近する。アンドレアス殿が後方から強化魔法を施してくれた。
「有難き」
そう言うと、ブリアック卿が最初に仕掛けた。獣人故の筋力で飛び上がり、サテュロスの胴体を双剣で斬りつける。
そして、リュドヴィック卿とオクトが、二人で刃を合わせて飛ぶ斬撃を放つ。……いつの間にそんな技を編み出していたんだ……?
そう思いつつ、私は捕捉してサテュロスに向かって【怒焔の矢】を放った。火力はもちろん最大でだ。
だが……。
《ヌルイワ! サジタリウスガ選ビシ勇者トハ、ソンナモノカ?》
ブリアック卿はサテュロスの手に捕捉され思い切り投げられ、リュドヴィック卿とオクトは地団駄を踏まれて思わず地面によろめく。
そして私は……。
《勇者ヨ! イザ、勝負ダ!》
そう言ってサテュロスは私目掛けて口から青い焔を――吐いた。
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