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第五章 旅は続く
第六十八話 ヌンキ付近に着いて
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三日後。
船は何事もなく、無事にヌンキの港付近までたどり着いたのは良かったのだが……。
「旅の騎士様方! た、大変です!」
有事のため、最後に船を降りることにして待機していた私達のところに、慌てた様子で若い男性の船員さんが駆け寄ってきた。
「どうなされた?」
冷静にアンドレアスさんが訊くと、震えた声で船員さんが叫ぶ。
「ヌンキが! ヌンキの街が壊滅しています!!」
驚いて同時に立ち上がる私とオクト君。そして、目を見開くブリアック卿に、帽子を被りなおすアンドレアスさんを代表して、リュドヴィックさんが尋ねた。
「その話、詳しく訊かせていただけないか?」
****
「ご足労頂き、ありがとうございます。私が船長の『カリーナ・エルメリンダ・コッリドーリ』です。カリーナとお呼びください」
豪華な船長室でそう私達を出迎えてくれたのは、ピンクの長い髪を一つに束ねた、制服の上からでもわかる爆乳の美しい女性船長さんだった。
私達はそれぞれ挨拶をする。
「それでカリーナ船長。ヌンキについてお訊きしたいのですが……」
リュドヴィックさんが話を切り出した。カリーナさ……船長は、こめかみに右手を置いて答える。
「えぇ。私達も、まだ詳しいことはつかめていないのですが……。先程のことです。もうすぐ寄港するため、ヌンキの港と連絡をとろうとしたところ応答がなく。あまりにもおかしかったため、数人の船員を派遣したところ……」
一呼吸置くと、カリーナ船長が資料らしき紙を見ながら続ける。
「報告によると、『港から見える範囲で町の家々に傷や崩れがあり、煙も上がっている。そして、目視できる範囲で死体が見える』とのことです」
思わず、全員息を飲んだ。そんな……。そんなことって……!
信じられない。
一体何が起こっているのか? もしかして……?
「それは襲撃によるものであるか? いや、判別はできぬか。我々に船を出してもらえぬか? 出来れば馬も乗せられるとありがたいが……」
こんな時でもアンドレアスさんは冷静だ。的確な指示を掲示すると、カリーナ船長は頷いた。
「こちらとしても、非戦闘員である船員達に調べさせるのはと思っていたところです。すでに、惨事を見てか、体調を悪くしている者やヌンキに家族がいて、不安な船員達も出ています。お願いできますか?」
「うむ。我々であれば、問題ないであろう。リュドヴィック殿達も異論はないであるな?」
アンドレアスさんの言葉に、私達は頷く。
「では、船をお出ししますので、準備を。場所は船員達に案内させます」
「感謝します。カリーナ船長」
リュドヴィックさんがお礼を言うと、カリーナ船長は辛そうな表情をする。
「いえ、大したことができず申し訳ありません」
そう言いながら、船員さん達に指示を出していた。
私達は挨拶をして船長室を後にし、船員さん達の案内に従って船内を進んで行く。
通り過ぎる船員さん達の顔は暗い。そして、とても不安そうだった。その不安が伝播してきて……辛かった。
船は何事もなく、無事にヌンキの港付近までたどり着いたのは良かったのだが……。
「旅の騎士様方! た、大変です!」
有事のため、最後に船を降りることにして待機していた私達のところに、慌てた様子で若い男性の船員さんが駆け寄ってきた。
「どうなされた?」
冷静にアンドレアスさんが訊くと、震えた声で船員さんが叫ぶ。
「ヌンキが! ヌンキの街が壊滅しています!!」
驚いて同時に立ち上がる私とオクト君。そして、目を見開くブリアック卿に、帽子を被りなおすアンドレアスさんを代表して、リュドヴィックさんが尋ねた。
「その話、詳しく訊かせていただけないか?」
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「ご足労頂き、ありがとうございます。私が船長の『カリーナ・エルメリンダ・コッリドーリ』です。カリーナとお呼びください」
豪華な船長室でそう私達を出迎えてくれたのは、ピンクの長い髪を一つに束ねた、制服の上からでもわかる爆乳の美しい女性船長さんだった。
私達はそれぞれ挨拶をする。
「それでカリーナ船長。ヌンキについてお訊きしたいのですが……」
リュドヴィックさんが話を切り出した。カリーナさ……船長は、こめかみに右手を置いて答える。
「えぇ。私達も、まだ詳しいことはつかめていないのですが……。先程のことです。もうすぐ寄港するため、ヌンキの港と連絡をとろうとしたところ応答がなく。あまりにもおかしかったため、数人の船員を派遣したところ……」
一呼吸置くと、カリーナ船長が資料らしき紙を見ながら続ける。
「報告によると、『港から見える範囲で町の家々に傷や崩れがあり、煙も上がっている。そして、目視できる範囲で死体が見える』とのことです」
思わず、全員息を飲んだ。そんな……。そんなことって……!
信じられない。
一体何が起こっているのか? もしかして……?
「それは襲撃によるものであるか? いや、判別はできぬか。我々に船を出してもらえぬか? 出来れば馬も乗せられるとありがたいが……」
こんな時でもアンドレアスさんは冷静だ。的確な指示を掲示すると、カリーナ船長は頷いた。
「こちらとしても、非戦闘員である船員達に調べさせるのはと思っていたところです。すでに、惨事を見てか、体調を悪くしている者やヌンキに家族がいて、不安な船員達も出ています。お願いできますか?」
「うむ。我々であれば、問題ないであろう。リュドヴィック殿達も異論はないであるな?」
アンドレアスさんの言葉に、私達は頷く。
「では、船をお出ししますので、準備を。場所は船員達に案内させます」
「感謝します。カリーナ船長」
リュドヴィックさんがお礼を言うと、カリーナ船長は辛そうな表情をする。
「いえ、大したことができず申し訳ありません」
そう言いながら、船員さん達に指示を出していた。
私達は挨拶をして船長室を後にし、船員さん達の案内に従って船内を進んで行く。
通り過ぎる船員さん達の顔は暗い。そして、とても不安そうだった。その不安が伝播してきて……辛かった。
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