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第四章 新たな任務
第五十八話 パビルサグとの対峙
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私はすぐに信号弾を放つ。
この信号弾も魔法具の一種らしくて、火薬やら色々混ざった球体で投げると勝手に空まで上がって、花火とはちょっと違うけれど、信号を出してくれるらしい。
私が投げた信号弾に、『パビルサグ』は反応せず、ジッと私の方を見つめてくる。その目は映像で見た以上に虚ろで……ものすごく不気味だった。
しばらく睨み合うと、『パビルサグ』が突然身体を震わせ、瞳が光る。
《貴様ガ、サジタリウス、ガ、呼ビ出シタ、勇者、カ》
「な!? 喋った!?」
いきなりの豹変ぶりに、私は警戒心を強める。何が来てもおかしくない!
『パビルサグ』は、口元を歪める。
《オモシロイ、実力、見セテ、モラウ》
そう言ったと同時に、勢いよく私目掛けて飛んで来て、蹴りを入れようとして来た。
「うわぁ!?」
それをギリギリでかわした私は、急いで距離を取る。さっきまで私がいた場所には、大きな穴が空いていた。あ、危なかった……。
「騎士さん! 援護しますよ!」
一般市民だか魔道士団だかの人の声がする。援護してくれるのはありがたいけど……なんだろう、嫌な予感がする!!
私のカンは当たったらしい。『パビルサグ』は突然、口を大きく開くと、衝撃波を放った。
「のわ!?」
その勢いは凄まじくて、私は受け身を取りながら壁にぶつかる衝撃を和らげるしか出来ず、援護に名乗り出てくれた方々は悲鳴を上げながら吹き飛ばされて行ってしまった。
「こ、この!!」
強化のおかげと受け身のおかげで、立ち上がれるレベルのダメージで済んだけど……。不気味な『パビルサグ』は、首を左右に動かしながら私に再び向かって来る。
今度は避けられない! 判断した私は双剣で『パビルサグ』の、馬だか羊だか……よくわからない下半身の蹴りを受け止め、斬り払う。
『パビルサグ』は少し距離を取り、今度は長い両手の爪で引っ掻くかのように迫って来た。
「くっそ! 動きが早い!!」
素早い攻撃を、ギリギリでかわすのが精一杯。
強化魔法を受けていてこれなんて……そう思うとゾッとする。
なんとか猛攻をかわしきると、『パビルサグ』が今度は両手を上に掲げて……球体の物質を生み出し始めた。
私は大慌てで距離を取り、全力で離れて落下したと思しき壁の一部であろう瓦礫に隠れた。
同時に、先程とは違う衝撃と、黒い霧? 煙? っぽいものが瓦礫の横を通り過ぎて行く。
しばらくしてから、私は息を殺して瓦礫の隙間から『パビルサグ』を見ようとして……思わず絶句した。
何故なら、あの『パビルサグ』の攻撃で、辺り一面が抉れ、破壊されていたからだ――。
この信号弾も魔法具の一種らしくて、火薬やら色々混ざった球体で投げると勝手に空まで上がって、花火とはちょっと違うけれど、信号を出してくれるらしい。
私が投げた信号弾に、『パビルサグ』は反応せず、ジッと私の方を見つめてくる。その目は映像で見た以上に虚ろで……ものすごく不気味だった。
しばらく睨み合うと、『パビルサグ』が突然身体を震わせ、瞳が光る。
《貴様ガ、サジタリウス、ガ、呼ビ出シタ、勇者、カ》
「な!? 喋った!?」
いきなりの豹変ぶりに、私は警戒心を強める。何が来てもおかしくない!
『パビルサグ』は、口元を歪める。
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そう言ったと同時に、勢いよく私目掛けて飛んで来て、蹴りを入れようとして来た。
「うわぁ!?」
それをギリギリでかわした私は、急いで距離を取る。さっきまで私がいた場所には、大きな穴が空いていた。あ、危なかった……。
「騎士さん! 援護しますよ!」
一般市民だか魔道士団だかの人の声がする。援護してくれるのはありがたいけど……なんだろう、嫌な予感がする!!
私のカンは当たったらしい。『パビルサグ』は突然、口を大きく開くと、衝撃波を放った。
「のわ!?」
その勢いは凄まじくて、私は受け身を取りながら壁にぶつかる衝撃を和らげるしか出来ず、援護に名乗り出てくれた方々は悲鳴を上げながら吹き飛ばされて行ってしまった。
「こ、この!!」
強化のおかげと受け身のおかげで、立ち上がれるレベルのダメージで済んだけど……。不気味な『パビルサグ』は、首を左右に動かしながら私に再び向かって来る。
今度は避けられない! 判断した私は双剣で『パビルサグ』の、馬だか羊だか……よくわからない下半身の蹴りを受け止め、斬り払う。
『パビルサグ』は少し距離を取り、今度は長い両手の爪で引っ掻くかのように迫って来た。
「くっそ! 動きが早い!!」
素早い攻撃を、ギリギリでかわすのが精一杯。
強化魔法を受けていてこれなんて……そう思うとゾッとする。
なんとか猛攻をかわしきると、『パビルサグ』が今度は両手を上に掲げて……球体の物質を生み出し始めた。
私は大慌てで距離を取り、全力で離れて落下したと思しき壁の一部であろう瓦礫に隠れた。
同時に、先程とは違う衝撃と、黒い霧? 煙? っぽいものが瓦礫の横を通り過ぎて行く。
しばらくしてから、私は息を殺して瓦礫の隙間から『パビルサグ』を見ようとして……思わず絶句した。
何故なら、あの『パビルサグ』の攻撃で、辺り一面が抉れ、破壊されていたからだ――。
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