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第四章 新たな任務
第四十八話 新たな任務
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約二週間後。
ようやく謹慎が明けた私はあらためて本部にて、アルベリク団長と対面していた。
「イグナート卿」
「ハイ……」
イケナイ。緊張でカタコトに……。
そんな私に、アルベリク団長は穏やかな笑みで返してくれた。
「そんなに緊張することはないよ? 君は処罰を受けた訳だしね?」
でも、それが逆に緊張するんだよなぁ。
「は、はぁ。その……この度は申し訳ありませんでした!!」
私は謝罪した。全身全霊で。すると、アルベリク団長が優しく語りかけて来た。
「反省しているようだし、それに私はね? アレは事故のようなものだと思っているのさ。……守らなければならないものは守った訳だしね?」
そう言うとアルベリク団長は書類を取り出した。
「という事で……イグナート卿。謹慎明けの最中悪いのだけれど……任務を遂行して欲しいんだ。頼めるかな?」
「も、もちろんです!」
「ふふふ、ありがとう」
相変わらず優しい団長から書類を手渡される。私は書類を見ると、思わず目を見開いた。なぜならそこには……。
――リュドヴィック・エアラ聖騎士二等騎士、オクタヴィアン・クラヴリー下級二等騎士と共にアウストラリス山の調査及び『全てを見た魔女』との接触を試みよ――。
そう書かれていたからだ。
****
「しっかし、アウストラリス山とはなぁ~! 大陸横断だぜ!」
「えっ!?」
オクト君の一言に私は思わず声を上げる。横断って……えっ!? えっ!?
動揺していると、リュドヴィックさんがやって来た。
「お前、地図とか見ていないのか? 仕方ない。説明してやるからちょっと待ってろ」
そう言ってリュドヴィックさんが地図を探しに棚へ向かって行く。
ちなみにここは、本部の会議室の一室だ。
そこに、私、オクト君、リュドヴィックさん、そして……。
「あ、あの~……ブリアック卿?」
私がおもむろに声をかけると、熊の獣人らしい。体格のいい茶髪に金眼のワイルドガイ『ブリアック・アランブール』卿は、一瞥するだけだった。
ブリアック卿は今回御者として同行してくれる人なんだけど、双剣使いらしくて道中、私への指導もしてくれるんだとか。
リュドヴィックさんが地図を木製のテーブルに広げた。
「いいか? まずルクバトからアスケラまで行くだろ? そこからヌンキ運河を船で渡ってヌンキに一泊する。そして、メディアまで向かい、アウストラリス山を登る」
ちょ、ちょっと待って!! アスケラはともかく、ヌンキ運河? ヌンキ? メディア? って知らない地名がいっぱいで混乱するんですけど……。
どうやら顔に出ていたらしい。リュドヴィックさんが広げていた地図を私に見やすいよう向きを変えてくれた。
「イグナート。一気にとは言わないが……ある程度の地理は把握しておけ。いいな?」
「ハイ……」
圧に屈してまたカタコトになってしまった。
こうして、私は必死に地図と向き合いながら――次なる任務へ備えるのだった。
ようやく謹慎が明けた私はあらためて本部にて、アルベリク団長と対面していた。
「イグナート卿」
「ハイ……」
イケナイ。緊張でカタコトに……。
そんな私に、アルベリク団長は穏やかな笑みで返してくれた。
「そんなに緊張することはないよ? 君は処罰を受けた訳だしね?」
でも、それが逆に緊張するんだよなぁ。
「は、はぁ。その……この度は申し訳ありませんでした!!」
私は謝罪した。全身全霊で。すると、アルベリク団長が優しく語りかけて来た。
「反省しているようだし、それに私はね? アレは事故のようなものだと思っているのさ。……守らなければならないものは守った訳だしね?」
そう言うとアルベリク団長は書類を取り出した。
「という事で……イグナート卿。謹慎明けの最中悪いのだけれど……任務を遂行して欲しいんだ。頼めるかな?」
「も、もちろんです!」
「ふふふ、ありがとう」
相変わらず優しい団長から書類を手渡される。私は書類を見ると、思わず目を見開いた。なぜならそこには……。
――リュドヴィック・エアラ聖騎士二等騎士、オクタヴィアン・クラヴリー下級二等騎士と共にアウストラリス山の調査及び『全てを見た魔女』との接触を試みよ――。
そう書かれていたからだ。
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「しっかし、アウストラリス山とはなぁ~! 大陸横断だぜ!」
「えっ!?」
オクト君の一言に私は思わず声を上げる。横断って……えっ!? えっ!?
動揺していると、リュドヴィックさんがやって来た。
「お前、地図とか見ていないのか? 仕方ない。説明してやるからちょっと待ってろ」
そう言ってリュドヴィックさんが地図を探しに棚へ向かって行く。
ちなみにここは、本部の会議室の一室だ。
そこに、私、オクト君、リュドヴィックさん、そして……。
「あ、あの~……ブリアック卿?」
私がおもむろに声をかけると、熊の獣人らしい。体格のいい茶髪に金眼のワイルドガイ『ブリアック・アランブール』卿は、一瞥するだけだった。
ブリアック卿は今回御者として同行してくれる人なんだけど、双剣使いらしくて道中、私への指導もしてくれるんだとか。
リュドヴィックさんが地図を木製のテーブルに広げた。
「いいか? まずルクバトからアスケラまで行くだろ? そこからヌンキ運河を船で渡ってヌンキに一泊する。そして、メディアまで向かい、アウストラリス山を登る」
ちょ、ちょっと待って!! アスケラはともかく、ヌンキ運河? ヌンキ? メディア? って知らない地名がいっぱいで混乱するんですけど……。
どうやら顔に出ていたらしい。リュドヴィックさんが広げていた地図を私に見やすいよう向きを変えてくれた。
「イグナート。一気にとは言わないが……ある程度の地理は把握しておけ。いいな?」
「ハイ……」
圧に屈してまたカタコトになってしまった。
こうして、私は必死に地図と向き合いながら――次なる任務へ備えるのだった。
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