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第二章 ルクバトにて
第三十話 町案内その一
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「まずは二層の……えーっとここが一層だから、そっから案内すっかな?」
「任せるよ」
私がそう言うと、オクト君が頷く。
「おう!」
気合いの入った一言をもらい、私達は歩き出した。
****
「まずは門付近の商店街に行くか?」
オクト君に促され、寮から本部を抜けて町に出る。
一直線の道を進むと、二手に大道が分かれていた。
「俺達から見て、右側奥が役所と二層目に上がる階段な? んで、今から向かう左側が庶民の住宅と商店街で……本部から見て真っ直ぐに行くと、公共の広場があるんだぜ!」
うっ……地理に疎い私には難しいな……。でも、直線になってくれてるのは助かるかも?
「商店街か……」
「それがどーしたん?」
商店街。前の私なら喜んだだろう。だけど、今の私にとっては……女々しくなる理由の一つだ。
だって、ウィンドショッピングが好きだったんだもん! でも、男の人はやらないって知ってるもん!
なので、私は商店街を後回しにしてもらい、役所から二層目までを案内してもらうことにした。
「まぁ、お前が言うならいいけどよ……」
不思議そうなオクト君と共に、役所まで向かう。
案外すぐ近くだった。四角くて、でも入口の円柱形の柱が綺麗に左右で四つづつ並んでいるのが、またいいアクセントになっていた。
「何階建て?」
「確か二階建てだな。俺もあんま来ねぇから曖昧だけど……」
なるほど。そういうものなのね……。あれ? そう言えば私の戸籍とかどうなってるの?
オクト君に訊いてみる事にした。すると、こんな風に返された。
「リュドヴィック卿が手続きしてくれたんじゃね? じゃなきゃ、寮どころか騎士団に入れねぇと思うぞ?」
リュドヴィックさん、本当に面倒見いいな……。今度会ったらお礼言わなきゃ。
「役所ん中はさすがに案内しなくていいだろ? 二層目行くぜ?」
「うん、お願いします」
****
二層目まで階段を登る。本部の階段より緩やかで楽だった。
登りきると、豪華なお屋敷がズラりと並んでいて華やかだ。
「ここは貴族が住んでる階層なんだよ。まぁ、階段上がってすぐ目の前は図書館だから、庶民もここまではよく来るけど。んで、右側奥に裁判所があって、左側奥にこの都市のトップであられる教王様がお住まいの、教王庁兼教王邸があるな!」
「きょ、教王様?」
聞き慣れない言葉に私が聞き返せば、オクト君が教えてくれた。
「あー……お前はしょうがねぇか。この都市は、『聖バティスト教』の聖地なんだよ。って言っても、信仰対象は『サジタリウス』様だから……他の都市とは宗派が違うって思っとけばいいぜ? んで、そのトップが教王様で、今世の教王様のお名前が『ジャン=バティスト・ベルデアン七世』様な?」
なるほど、都市ごとに宗派があるのね。そういえば、ポーリスの町でベルちゃんが『この世界は大きな都市とたくさんの町や村でできてるんだよ!』って言ってたっけ。
どうやら、『国』という概念はないらしくて驚いた記憶がある。
「とにかく、偉い人ってことだね。覚えておくよ」
「おう、まぁ大々的に会うことはねぇとは……いやわからねぇけど、覚えておくに越したことはねぇな!」
オクト君の言葉に頷けば、再度オクト君が告げる。
「教王庁は行かなくていいだろ。だから、なるべくお世話になりたくない裁判所を観て……戻って図書館だな!」
確かに、裁判所はお世話になりたくないなぁ。
そんな感想を抱きつつ、私達は歩き出した。
「任せるよ」
私がそう言うと、オクト君が頷く。
「おう!」
気合いの入った一言をもらい、私達は歩き出した。
****
「まずは門付近の商店街に行くか?」
オクト君に促され、寮から本部を抜けて町に出る。
一直線の道を進むと、二手に大道が分かれていた。
「俺達から見て、右側奥が役所と二層目に上がる階段な? んで、今から向かう左側が庶民の住宅と商店街で……本部から見て真っ直ぐに行くと、公共の広場があるんだぜ!」
うっ……地理に疎い私には難しいな……。でも、直線になってくれてるのは助かるかも?
「商店街か……」
「それがどーしたん?」
商店街。前の私なら喜んだだろう。だけど、今の私にとっては……女々しくなる理由の一つだ。
だって、ウィンドショッピングが好きだったんだもん! でも、男の人はやらないって知ってるもん!
なので、私は商店街を後回しにしてもらい、役所から二層目までを案内してもらうことにした。
「まぁ、お前が言うならいいけどよ……」
不思議そうなオクト君と共に、役所まで向かう。
案外すぐ近くだった。四角くて、でも入口の円柱形の柱が綺麗に左右で四つづつ並んでいるのが、またいいアクセントになっていた。
「何階建て?」
「確か二階建てだな。俺もあんま来ねぇから曖昧だけど……」
なるほど。そういうものなのね……。あれ? そう言えば私の戸籍とかどうなってるの?
オクト君に訊いてみる事にした。すると、こんな風に返された。
「リュドヴィック卿が手続きしてくれたんじゃね? じゃなきゃ、寮どころか騎士団に入れねぇと思うぞ?」
リュドヴィックさん、本当に面倒見いいな……。今度会ったらお礼言わなきゃ。
「役所ん中はさすがに案内しなくていいだろ? 二層目行くぜ?」
「うん、お願いします」
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二層目まで階段を登る。本部の階段より緩やかで楽だった。
登りきると、豪華なお屋敷がズラりと並んでいて華やかだ。
「ここは貴族が住んでる階層なんだよ。まぁ、階段上がってすぐ目の前は図書館だから、庶民もここまではよく来るけど。んで、右側奥に裁判所があって、左側奥にこの都市のトップであられる教王様がお住まいの、教王庁兼教王邸があるな!」
「きょ、教王様?」
聞き慣れない言葉に私が聞き返せば、オクト君が教えてくれた。
「あー……お前はしょうがねぇか。この都市は、『聖バティスト教』の聖地なんだよ。って言っても、信仰対象は『サジタリウス』様だから……他の都市とは宗派が違うって思っとけばいいぜ? んで、そのトップが教王様で、今世の教王様のお名前が『ジャン=バティスト・ベルデアン七世』様な?」
なるほど、都市ごとに宗派があるのね。そういえば、ポーリスの町でベルちゃんが『この世界は大きな都市とたくさんの町や村でできてるんだよ!』って言ってたっけ。
どうやら、『国』という概念はないらしくて驚いた記憶がある。
「とにかく、偉い人ってことだね。覚えておくよ」
「おう、まぁ大々的に会うことはねぇとは……いやわからねぇけど、覚えておくに越したことはねぇな!」
オクト君の言葉に頷けば、再度オクト君が告げる。
「教王庁は行かなくていいだろ。だから、なるべくお世話になりたくない裁判所を観て……戻って図書館だな!」
確かに、裁判所はお世話になりたくないなぁ。
そんな感想を抱きつつ、私達は歩き出した。
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