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第二話 やらかしちゃったよ、グシャート君
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「パーティを追放する」と宣言すること。
それは冒険者ギルドに登録している者で、かつ、リーダーを担っている者が発した言葉であれば絶対的な効力を持つ。
理由は簡単で、「しっかりと判断できる者をリーダーにすること」「そのリーダーの宣言には従うこと」と登録時の契約書に記載されているからだ。
しかも厄介なことに、「言霊の呪文」という高度な魔術がかかっており、「宣言」してしまうと魔術が発動。強制的に実行されてしまうのだ。
つまり……。
「こ、このおバカぁ!!」
レナジェの大声が響き渡る。当然だろう、なんせ世界でも有数しかいないSランクの、それも認定を受けた『勇者』をたった今追放したのだから。
「な、なんてことをおっしゃるのですか! グシャート様、ご自分が今したことをご理解なさっていて!?」
スセの問いかけにも僕は管を巻いて反論する。完全に酔いが回ってきてしまったのだ。
「あ~? 君達はもう、追放だよ、つ・い・ほ・う! ヒック! うっ……気持ちわるぅ……ふあ」
気持ち悪さと眠気が一気に来て、僕は意識を手放した――。最後にレナジェの「この大バカぁ!」という声が響いてきた気がした。
****
翌朝。
猛烈な頭痛と吐き気で僕は自室で目覚めた。途中から記憶が全くない。
「うぅ……」
呻きながらパーティ共有のリビングに向かったところで、ようやく僕は違和感に気が付いた。
「あ、あれ? なんだか片付けされすぎてない……か? うっぷ」
こみ上げてくる吐き気と戦っていると、冷たい声が耳に入って来た。
「はぁ……ようやく起きたわねぇ? この愚か者ぉ」
「レナジェか。テルスとスセはどうしたんだ? 寝坊か?」
僕の発した呑気な言葉に、レナジェが深くため息を吐きながら眼鏡を上げながらきっぱりと告げた。
「アンタがぁテルスとスセをパーティから追放したんでしょうがぁ。だからぁ二人ともいないに決まっているでしょう?」
レナジェの言っていることが理解できなかった。追放? 僕が? 二人を?
「な、なにを言って……あっ」
反論しようとした刹那、昨日の記憶が蘇って来た。そして思い出した。
「ああああああああああ!! しちゃった! 追放、しちゃったよぉおおおおおおお!」
事態の深刻さにようやく気付いた僕は、絶叫した。
「かんっぜんにやらかしたぁああああああ!! ど、ど、ど……む、無効に! なんとか! でき……」
涙ぐみながら周囲を見渡し言う僕に、レナジェが冷めた声ではっきりと言い切った。
「無理に決まっているでしょう? そういう契約なんだからぁ」
「うわああああああああああああ!! どうしたらいいんだ!? 主力も回復役もいなくなってしまったぞ!?」
「たった二人でSランク維持はぁ無理よねぇ……。連れ戻すのも無理よぉ? あの子達、もう新しいパーティ組じゃったからぁ」
「な、なんだってぇぇぇえ!?」
僕は二日酔いの気持ち悪さも忘れて、絶叫しながら膝から崩れ落ちた。
それは冒険者ギルドに登録している者で、かつ、リーダーを担っている者が発した言葉であれば絶対的な効力を持つ。
理由は簡単で、「しっかりと判断できる者をリーダーにすること」「そのリーダーの宣言には従うこと」と登録時の契約書に記載されているからだ。
しかも厄介なことに、「言霊の呪文」という高度な魔術がかかっており、「宣言」してしまうと魔術が発動。強制的に実行されてしまうのだ。
つまり……。
「こ、このおバカぁ!!」
レナジェの大声が響き渡る。当然だろう、なんせ世界でも有数しかいないSランクの、それも認定を受けた『勇者』をたった今追放したのだから。
「な、なんてことをおっしゃるのですか! グシャート様、ご自分が今したことをご理解なさっていて!?」
スセの問いかけにも僕は管を巻いて反論する。完全に酔いが回ってきてしまったのだ。
「あ~? 君達はもう、追放だよ、つ・い・ほ・う! ヒック! うっ……気持ちわるぅ……ふあ」
気持ち悪さと眠気が一気に来て、僕は意識を手放した――。最後にレナジェの「この大バカぁ!」という声が響いてきた気がした。
****
翌朝。
猛烈な頭痛と吐き気で僕は自室で目覚めた。途中から記憶が全くない。
「うぅ……」
呻きながらパーティ共有のリビングに向かったところで、ようやく僕は違和感に気が付いた。
「あ、あれ? なんだか片付けされすぎてない……か? うっぷ」
こみ上げてくる吐き気と戦っていると、冷たい声が耳に入って来た。
「はぁ……ようやく起きたわねぇ? この愚か者ぉ」
「レナジェか。テルスとスセはどうしたんだ? 寝坊か?」
僕の発した呑気な言葉に、レナジェが深くため息を吐きながら眼鏡を上げながらきっぱりと告げた。
「アンタがぁテルスとスセをパーティから追放したんでしょうがぁ。だからぁ二人ともいないに決まっているでしょう?」
レナジェの言っていることが理解できなかった。追放? 僕が? 二人を?
「な、なにを言って……あっ」
反論しようとした刹那、昨日の記憶が蘇って来た。そして思い出した。
「ああああああああああ!! しちゃった! 追放、しちゃったよぉおおおおおおお!」
事態の深刻さにようやく気付いた僕は、絶叫した。
「かんっぜんにやらかしたぁああああああ!! ど、ど、ど……む、無効に! なんとか! でき……」
涙ぐみながら周囲を見渡し言う僕に、レナジェが冷めた声ではっきりと言い切った。
「無理に決まっているでしょう? そういう契約なんだからぁ」
「うわああああああああああああ!! どうしたらいいんだ!? 主力も回復役もいなくなってしまったぞ!?」
「たった二人でSランク維持はぁ無理よねぇ……。連れ戻すのも無理よぉ? あの子達、もう新しいパーティ組じゃったからぁ」
「な、なんだってぇぇぇえ!?」
僕は二日酔いの気持ち悪さも忘れて、絶叫しながら膝から崩れ落ちた。
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