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五
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今日も一日終わった。
自然とため息が出てきた。
担任から連絡があって、みんな帰る挨拶をしてそれぞれ散っていった。
俺も帰ろ。
結局なぜか知らないが、はるかとメッセージのやり取りはしていない。
いつもならどうでもいいようなことをメッセージで話して、帰りになったら廊下で待ち合わせて京介も入れて3人で帰る流れなんだけどなぁ。
少し悲しいけどまぁ廊下にいるだろう。
「おい」
帰ろうと思い、カバンを手に持ったところで声をかけられた。
声からしてまさかと思ったが、
「話がある」
あいつだ、戸川だ。
「は?話?なんの」
全ての元凶だ。
みんなに馬鹿にされるのも全部こいつが......いや俺が悪いんだけども。
「大事な話。今後の話だ」
「俺とお前のか?」
ふざけて返せば、何言ってんだと気持ち悪がられた。
あれ、俺戸川よりやばいやつじゃね?
「まだそんな冗談言ってられるんだな」
「あのなぁ、俺は今日一日疲れたんだ。みんなには馬鹿にされるし、先生たちには当てられまくるし、どうなってやがる」
実際、5、6限目もなかなか酷いものだった。
はるかの言葉を思い出して、サボらなかったけどな!
「学校に毎日来ていれば、疲れるなんて当たり前だ。ま、今までお前はサボってばっかだったもんな。今までの乗り越えてこなきゃいけなかった苦労が全部返って来てるんだ。自業自得だ」
「あっそ、自業自得ってことは認めるけどな、これからこんなことが毎日続くなんてごめんだ」
ストレスで不登校にでもなりそうだ。
しかし、戸川のやつ、みんなが思ってるような奴じゃなさそうだな。
距離感だって普通だし変のこととか言ってこないし、もちろん触られるようなこともない。
「だからこれからもサボり続けるのか。お前なぁ、本当にやばいぞ」
「なんだよ、もう聞き飽きたよ」
教室にはいつのまにか俺と戸川しかいなかった。
「あれ、京介帰ったのか?」
廊下に出てみても人1人見当たらない。
「誰もいないから言うけど、親に電話するレベルだぞこれ」
「は!?親!?ちょっと待てよ!」
親に電話はまじでまずい。
廊下にいたが、戸川に詰め寄る。
「今日にでもかけるかな、電話」
「いや、まじで勘弁して。ほんと、お願いまじで」
さっきまで大きい態度をとっていたのに豹変した俺の様子を見た戸川は笑っていた。
「かけないけど、今度1回でもサボったら即電話な。電話だけじゃなくて学校まで来てもらうから」
「うっそ!」
思わず驚いて口を押さえる。
「お前可愛いな、反応が。ま、それくらい自分の欠席数がやばいことを理解してくれ」
驚いたのもそうだが、3時間目無駄にサボった過去の自分を恨んだ。
驚きと、恨みで可愛いと言われたことなんてどうでも良かった。
「あ、そうそう。体調不良でも休んだら厳しいとこまできてるから、体調管理しっかりしろよー」
そう言い渡すと戸川は教室を出て行った。
「はぁ......」
どうしようもない後悔の気持ちとだるい授業がサボれないという事実、1回でもサボったら親に即連絡という絶望、体調不良でも休むのが厳しいという焦りでその場に座り込んだ。
もうこの際、はるかと京介が先に帰ってしまったとかどうでもいい。
結局帰ったのは座り込んで1時間後だった。
自然とため息が出てきた。
担任から連絡があって、みんな帰る挨拶をしてそれぞれ散っていった。
俺も帰ろ。
結局なぜか知らないが、はるかとメッセージのやり取りはしていない。
いつもならどうでもいいようなことをメッセージで話して、帰りになったら廊下で待ち合わせて京介も入れて3人で帰る流れなんだけどなぁ。
少し悲しいけどまぁ廊下にいるだろう。
「おい」
帰ろうと思い、カバンを手に持ったところで声をかけられた。
声からしてまさかと思ったが、
「話がある」
あいつだ、戸川だ。
「は?話?なんの」
全ての元凶だ。
みんなに馬鹿にされるのも全部こいつが......いや俺が悪いんだけども。
「大事な話。今後の話だ」
「俺とお前のか?」
ふざけて返せば、何言ってんだと気持ち悪がられた。
あれ、俺戸川よりやばいやつじゃね?
「まだそんな冗談言ってられるんだな」
「あのなぁ、俺は今日一日疲れたんだ。みんなには馬鹿にされるし、先生たちには当てられまくるし、どうなってやがる」
実際、5、6限目もなかなか酷いものだった。
はるかの言葉を思い出して、サボらなかったけどな!
「学校に毎日来ていれば、疲れるなんて当たり前だ。ま、今までお前はサボってばっかだったもんな。今までの乗り越えてこなきゃいけなかった苦労が全部返って来てるんだ。自業自得だ」
「あっそ、自業自得ってことは認めるけどな、これからこんなことが毎日続くなんてごめんだ」
ストレスで不登校にでもなりそうだ。
しかし、戸川のやつ、みんなが思ってるような奴じゃなさそうだな。
距離感だって普通だし変のこととか言ってこないし、もちろん触られるようなこともない。
「だからこれからもサボり続けるのか。お前なぁ、本当にやばいぞ」
「なんだよ、もう聞き飽きたよ」
教室にはいつのまにか俺と戸川しかいなかった。
「あれ、京介帰ったのか?」
廊下に出てみても人1人見当たらない。
「誰もいないから言うけど、親に電話するレベルだぞこれ」
「は!?親!?ちょっと待てよ!」
親に電話はまじでまずい。
廊下にいたが、戸川に詰め寄る。
「今日にでもかけるかな、電話」
「いや、まじで勘弁して。ほんと、お願いまじで」
さっきまで大きい態度をとっていたのに豹変した俺の様子を見た戸川は笑っていた。
「かけないけど、今度1回でもサボったら即電話な。電話だけじゃなくて学校まで来てもらうから」
「うっそ!」
思わず驚いて口を押さえる。
「お前可愛いな、反応が。ま、それくらい自分の欠席数がやばいことを理解してくれ」
驚いたのもそうだが、3時間目無駄にサボった過去の自分を恨んだ。
驚きと、恨みで可愛いと言われたことなんてどうでも良かった。
「あ、そうそう。体調不良でも休んだら厳しいとこまできてるから、体調管理しっかりしろよー」
そう言い渡すと戸川は教室を出て行った。
「はぁ......」
どうしようもない後悔の気持ちとだるい授業がサボれないという事実、1回でもサボったら親に即連絡という絶望、体調不良でも休むのが厳しいという焦りでその場に座り込んだ。
もうこの際、はるかと京介が先に帰ってしまったとかどうでもいい。
結局帰ったのは座り込んで1時間後だった。
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