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二
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「へぇ~、マジかよお前。どんまいだな」
ショックで机に寝ていると、上から聞き慣れた声が聞こえてきた。
顔を上げるとそこには京介がいた。
こいつは俺の友人だ。
「聞いてたのか......つーかなんで俺が」
理由は分かっているが、ショックが大きくてさっきからそんなことばかり考えている。
涙目で訴えても、
「おん、聞いてた。まぁ、自業自得ってやつだろ。お前体育とか着替えるのめんどくさいとか言って毎週休んでたもんな。今体育何やってるかわかんないだろ」
と吐き捨てられて虚しく終わった。
分かってはいるが、やはり関係ない奴に言われると腹が立つ。
「知らねーよ、そんなん。大体なんでお前が欠席ギリギリじゃないのか俺には理解できねー!茶髪でチャラチャラしてるお前がなんで…」
「俺、お前みたいにサボったりしないからさ!あと見た目は関係ないだろ。お前みたいな素行悪い奴を不良って言うんだぞ。知ってたかー?」
茶髪にピアス、それに女癖も悪いし。こっちのが不良だろ。
とは言いつつもこいつ頭いいからな。
でもこいつもやはり戸川と一緒。人を馬鹿にする目がそっくりだ。
そう思いつつ睨みつけるが、そんなことはお構いなしに話を続けられる。
「めんどくさいって言ってた体育ももう休めないな!可哀想に!俺は何回も休めるんだけどなー、可哀想だなー」
「うるせ!大体なんで戸川の野郎にあんな見下されないといけないんだ!」
あんなやつに馬鹿にされたと思うと腹立って仕方がなかった。
「ははっ、それこそ自業自得じゃん!にしてもお前、目つけられたんじゃないか?」
ニヤニヤと笑う様子がいっそう苛立ちを誘う。
「は?何のこと」
「戸川にだよ。ほらあいつ、そういう噂すごいじゃん?」
いや、そんなわけない。
こいつは噂の全てを信じているのか?
「はぁ…あのなぁ、お前。そもそも噂だぞ?お前はマジだと思ってるのか?」
「え、でも実際触られたとか言う奴だっているぞ?関係を持ってる奴もいるとかなんだとか」
先生と生徒が?そんなことあるわけない。
「きもちわりぃ。どうせ戸川のことが嫌いな奴がそういう変な噂を流したに決まってるだろ。あいつ、外見が理由で人に嫌われそうだしな。つーか、お前もお前だ。噂に踊らされんなよ」
「俺は結構信じてるけどなぁ。それに火のないところに煙は立たないって言うしな!」
訳わからない言葉を使われて困ったが、なんだそれと聞いたところでまた馬鹿にされて腹立つことくらいは俺でも分かる。
「ま!明日から学校休まず来いよ!本当に退学することになるぞ~」
「言われないでも分かってる!」
さっきから会話を聞いていたのか、周りの奴らは「あのサボり常習犯の奴が本当に来るのか?」みたいな疑いの目で見ている。クラスメイトにも俺は馬鹿にされているのか?
くそ、こうなってしまった以上、サボることもできないな......
もう少し考えてサボっとけば良かったと後悔しても遅かった。
ショックで机に寝ていると、上から聞き慣れた声が聞こえてきた。
顔を上げるとそこには京介がいた。
こいつは俺の友人だ。
「聞いてたのか......つーかなんで俺が」
理由は分かっているが、ショックが大きくてさっきからそんなことばかり考えている。
涙目で訴えても、
「おん、聞いてた。まぁ、自業自得ってやつだろ。お前体育とか着替えるのめんどくさいとか言って毎週休んでたもんな。今体育何やってるかわかんないだろ」
と吐き捨てられて虚しく終わった。
分かってはいるが、やはり関係ない奴に言われると腹が立つ。
「知らねーよ、そんなん。大体なんでお前が欠席ギリギリじゃないのか俺には理解できねー!茶髪でチャラチャラしてるお前がなんで…」
「俺、お前みたいにサボったりしないからさ!あと見た目は関係ないだろ。お前みたいな素行悪い奴を不良って言うんだぞ。知ってたかー?」
茶髪にピアス、それに女癖も悪いし。こっちのが不良だろ。
とは言いつつもこいつ頭いいからな。
でもこいつもやはり戸川と一緒。人を馬鹿にする目がそっくりだ。
そう思いつつ睨みつけるが、そんなことはお構いなしに話を続けられる。
「めんどくさいって言ってた体育ももう休めないな!可哀想に!俺は何回も休めるんだけどなー、可哀想だなー」
「うるせ!大体なんで戸川の野郎にあんな見下されないといけないんだ!」
あんなやつに馬鹿にされたと思うと腹立って仕方がなかった。
「ははっ、それこそ自業自得じゃん!にしてもお前、目つけられたんじゃないか?」
ニヤニヤと笑う様子がいっそう苛立ちを誘う。
「は?何のこと」
「戸川にだよ。ほらあいつ、そういう噂すごいじゃん?」
いや、そんなわけない。
こいつは噂の全てを信じているのか?
「はぁ…あのなぁ、お前。そもそも噂だぞ?お前はマジだと思ってるのか?」
「え、でも実際触られたとか言う奴だっているぞ?関係を持ってる奴もいるとかなんだとか」
先生と生徒が?そんなことあるわけない。
「きもちわりぃ。どうせ戸川のことが嫌いな奴がそういう変な噂を流したに決まってるだろ。あいつ、外見が理由で人に嫌われそうだしな。つーか、お前もお前だ。噂に踊らされんなよ」
「俺は結構信じてるけどなぁ。それに火のないところに煙は立たないって言うしな!」
訳わからない言葉を使われて困ったが、なんだそれと聞いたところでまた馬鹿にされて腹立つことくらいは俺でも分かる。
「ま!明日から学校休まず来いよ!本当に退学することになるぞ~」
「言われないでも分かってる!」
さっきから会話を聞いていたのか、周りの奴らは「あのサボり常習犯の奴が本当に来るのか?」みたいな疑いの目で見ている。クラスメイトにも俺は馬鹿にされているのか?
くそ、こうなってしまった以上、サボることもできないな......
もう少し考えてサボっとけば良かったと後悔しても遅かった。
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