20 / 38
推しの誘惑【完全版】
コスチュームプレイ
しおりを挟む
くすくすと真琴は笑った。あまりにあり得ない話でつい笑ってしまう。
「もちろん、本物のアイドルになれなんて言わないわ。ようは、ゴローが創作のインスピレーションを得ればいいんでしょう? だから、演じればいいのよ! 真琴ちゃんがアイドル、ゴローがそのファンになりきればいいッ」
ミヤビが自信満々に言った。
「そうか! その手があったな。つまりコスチュームプレイってことだっ」
鷹城が急に椅子から立ち上がった。
「そうよ、そういうことなのよッ。真琴ちゃんが相手なら、あんたは興奮するはずよ」
「そうか……そうなのか……。じゃあ、こういうストーリーはどうだ……? 『大人気アイドル・マコがストーカーに乱暴されそうなところを、ドルオタの俺が助ける。そのお礼といって、マコは俺をホテルに誘って、エッチなご奉仕をする。ステージでは清楚なマコだけど、ベッドでは淫乱で……!?』 うん、いけるいける。やべえ、ちょっと勃ってきた」
鷹城は好奇心で目をきらきらさせながら、部屋の中をぐるぐる周り、何やらぶつぶつ言っている。
(えっ……嘘でしょ? 本気!?)
「た、鷹城先生っ」
真琴は大慌てで恋人に声をかけるが、まるで聞いていない。もう創作の世界に入っているのだ。彼はそういう目をしている。
「大筋はこれでよし。シチュエーションは決まったが、でも衣装はどうする? ネットで注文してもいいけど……ちょっと安っぽいよな。大人気アイドル・マコが台無しだぞ」
と鷹城が独りごとを言うと、楽しそうなミヤビがすぐ反応した。すっと手を上げる。
「はーい! アタシに任せてえ。ツテを頼って、素敵な衣装を用意してあげるわァ。あとヘアメイクとお化粧もアタシがしてあげる。ふふん、また真琴ちゃんを大変身させてあげられるなんて、魔法使いやってて良かった~」
「ミヤビ! 素晴らしいアイディアだ。頼んだぞ。あとその衣装、買い取り出来るか交渉しておいてくれ」
鷹城がミヤビの手を両手で握る。ますます瞳が輝いている。
「任せておいてぇん。あんたらの色々なお汁がつきまくったお洋服なんて、返せるわけないじゃない。ちゃんと最初からお買い上げ予定よっ」
「おまえは本当に気が利くなっ。ありがとう! で、いつ決行する」
「うふふん。明日はどうかしら」
「明日! 締め切り直前だが、いける。俺はやるぞ」
「その意気よ、ゴロー。で、肝心のグループ名はどうするの? 大事よォ~」
「ああ。〈恋煩{こいわずら}い〉なんてどうだろう。ピンとひらめいたんだ」
「全部漢字? 硬い、硬すぎるわよッ。アイドルに限らず、令和のアーティストは、数字とか、ローマ字を取り入れてるわよ。ネット社会だからね、海外に通用するように配慮しているのよん」
「もちろん、本物のアイドルになれなんて言わないわ。ようは、ゴローが創作のインスピレーションを得ればいいんでしょう? だから、演じればいいのよ! 真琴ちゃんがアイドル、ゴローがそのファンになりきればいいッ」
ミヤビが自信満々に言った。
「そうか! その手があったな。つまりコスチュームプレイってことだっ」
鷹城が急に椅子から立ち上がった。
「そうよ、そういうことなのよッ。真琴ちゃんが相手なら、あんたは興奮するはずよ」
「そうか……そうなのか……。じゃあ、こういうストーリーはどうだ……? 『大人気アイドル・マコがストーカーに乱暴されそうなところを、ドルオタの俺が助ける。そのお礼といって、マコは俺をホテルに誘って、エッチなご奉仕をする。ステージでは清楚なマコだけど、ベッドでは淫乱で……!?』 うん、いけるいける。やべえ、ちょっと勃ってきた」
鷹城は好奇心で目をきらきらさせながら、部屋の中をぐるぐる周り、何やらぶつぶつ言っている。
(えっ……嘘でしょ? 本気!?)
「た、鷹城先生っ」
真琴は大慌てで恋人に声をかけるが、まるで聞いていない。もう創作の世界に入っているのだ。彼はそういう目をしている。
「大筋はこれでよし。シチュエーションは決まったが、でも衣装はどうする? ネットで注文してもいいけど……ちょっと安っぽいよな。大人気アイドル・マコが台無しだぞ」
と鷹城が独りごとを言うと、楽しそうなミヤビがすぐ反応した。すっと手を上げる。
「はーい! アタシに任せてえ。ツテを頼って、素敵な衣装を用意してあげるわァ。あとヘアメイクとお化粧もアタシがしてあげる。ふふん、また真琴ちゃんを大変身させてあげられるなんて、魔法使いやってて良かった~」
「ミヤビ! 素晴らしいアイディアだ。頼んだぞ。あとその衣装、買い取り出来るか交渉しておいてくれ」
鷹城がミヤビの手を両手で握る。ますます瞳が輝いている。
「任せておいてぇん。あんたらの色々なお汁がつきまくったお洋服なんて、返せるわけないじゃない。ちゃんと最初からお買い上げ予定よっ」
「おまえは本当に気が利くなっ。ありがとう! で、いつ決行する」
「うふふん。明日はどうかしら」
「明日! 締め切り直前だが、いける。俺はやるぞ」
「その意気よ、ゴロー。で、肝心のグループ名はどうするの? 大事よォ~」
「ああ。〈恋煩{こいわずら}い〉なんてどうだろう。ピンとひらめいたんだ」
「全部漢字? 硬い、硬すぎるわよッ。アイドルに限らず、令和のアーティストは、数字とか、ローマ字を取り入れてるわよ。ネット社会だからね、海外に通用するように配慮しているのよん」
1
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる