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最終章 永遠{とわ}の誓い

贅沢なバスルーム *

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 盛大な拍手が沸き起こった。奥に控えていたコーラス隊が聖なる歌声で二人を祝福する。
 シャーロットとオリヴァーは、お互いに微笑んだ。言葉を交わさずとも、何を考えているか分かる気がする。

「シャーロット……」
「オリヴァー様……」

(貴方様は私の全てです。これから二人で幸せな家庭を作りましょうね……)

 皆に幸運を祝われる中、二人は退場した。親族席に兄のジョージがいて、しきりに涙を拭っている。
 リーンゴーン、リーンゴーン、と教会の鐘が鳴り響く。チャペルのドアを出ると、見事な青空が広がっていた。心地よい風に樹々がそよいでいる。大理石の噴水も綺麗だ。赤や、ピンクや、白の薔薇達が咲き乱れる。小鳥が二人を祝福するようにいつまでも歌っている。

(私、いま世界で一番の幸せ者だわ……)

 最高の結婚式に、シャーロットは目を潤ませながら、にっこりと笑った。 


☆~☆~☆~☆~☆



 結婚式は無事に終わった。
 その夜。全日程をこなし、二人はバスルームにいた。大きな猫足のバスタブに、乳白色のお湯。そこに薔薇の花びらを浮かべ、香油を垂らした贅沢な仕様である。そこへ二人は一緒に浸かっていた。

「あっ、あのぅ、オリヴァー様……」

 シャーロットが背中を赤らめながら言った。オリヴァーが後ろから抱きかかえるような格好である。メイドはついていない。完全に二人きりである。

「んー?」

 ご機嫌な声でオリヴァーが訊{き}いた。

「私、一人で入れますので、どうぞお気遣いなさらずに……」
「そういう訳にはいかないよ。今日君は疲れたはずだ。結婚式に、そのあとの披露宴。王族や、騎士団関係者や、親戚たちに、ブランドン公爵夫人としての挨拶。他にも準備期間を入れれば、君はここのところよく働いた。労うのは夫の仕事だ。存分にリラックスしてくれたまえ」
「で、でも……」

 シャーロットはちら、と後ろを気にした。臀部にオリヴァーの漲{みなぎ}ったものを感じる。

(こんな状態で、リラックスなんて出来ませんわっ)

「洗い立ての君の髪は、本当に良い匂いだ」

 オリヴァーがくんと鼻を鳴らす。クリップで纏めたバターブロンドに、バニラに似た香りを放つ髪軟膏を塗ったのだ。オリヴァーがこの甘い匂いがお気に入りで、いつも飽きることなく嗅いでいる。

「私だって、オリヴァー様の煙草の香りが好きですわ。指に染みついてるのですよ」
「臭くないかい?」
「全然そんなことはありませんわ。苦くて、辛くて……私からすれば、そこが大人っぽいのです。癖になります」
「今日のシャーロットは素直だね。ねえ、もう敬語はやめないかい? 俺たちは夫婦になったんだよ」

 オリヴァーの尖った鼻先がうなじに近づいた。熱い呼吸を肌に感じて、甘い息が漏れる。

「んっ……。でも、出来るかしら……。だって、オリヴァー様は私より一回りも上なのですよ」
「年の差を感じたことはないよ。君は大人びているからね。中身が幼い女性は好きじゃない」
「そんな、私なんてまだ子供ですわ」
「子供はこういうことは知らないよ」

 オリヴァーが手を回し、シャーロットの乳首をキュンと摘まんだ。

「あ……っ」

 ビクン、と背がしなる。湯が波立って、バスタブから溢れた。オリヴァーは後ろからシャーロットの熟した果実を揉みしだく。長い指がうっすらと赤らんだバストに食い込んでいる。
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