スパダリ猟犬騎士は貧乏令嬢にデレ甘です!【R18/完全版】

鶴田きち

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第八章 涙のプロポーズ

幸福の口づけ *

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(激しすぎて、声が……!)

「……っぁ、……っ! ……っ!」

 喉が枯れてしまったみたいだ。ぱんぱんと肌同士がぶつかっている。ぞくぞくと快感が絶え間なく続き、おかしくなりそうだった。

(もうだめ、またイってしまうわ……!

「あっあっふ、あっ……ひ、ぁ、ああっ……イ、イきそう……です……っ、はぅ、あ、ひぃっ、ふあぁっ」
「シャーロット……、俺もイきそうだよ……」
「イって、イって下さい……あっ、ああっ」
「くそっ……。もっと君を可愛がりたいのに……限界だ」

 オリヴァーの腰の突き上げが一段と強烈になった。蜜壺を容赦なくえぐってくる。

「オリヴァー様……! ああーっ! あっ、あっあああぁぁぁ――っ……!」

 シャーロットが背をしならせて絶叫した。

「……愛してる、シャーロット……!」

 オリヴァーが奥歯を噛んだ。彼女が絶頂を迎えたのと同時に、熱い精を肉壺に放つ。子宮に炎の奔流を受け止め、シャーロットはビクンビクンと痙攣した。

「……はぁっ、はぁ……オリヴァー……さ、ま……」
「シャーロット……」

 二人は互いの唇を吸い合った。舌を絡ませ、お互いの呼吸すら飲み込んでしまう。
 長い口づけを終えて、二人は見詰め合った。未来を誓い合った夫婦は、愛する相手の美しい瞳の色を覗き込む。

「俺の愛するシャーロット……」
「オリヴァー様……」

 シャーロットとオリヴァーは黙って笑い合った。彼の瞳が糸になる。エメラルドの双眸がきらっと輝いた。

(愛されるって、こんなにくすぐったいものなんだわ……)

 シャーロットは胸がいっぱいだった。オリヴァーの肩に額をつけると、染みついた煙草の香りがする。彼女が最も好きな匂いだった。
 愛しい男の肌には、大小様々な古傷がある。その中で一番深いのが魔王と戦った時に出来たものだ。自分を守ってくれた彼に、感謝しかない。

(私が生きていられるのはオリヴァー様のお陰よ)

 また最愛の猟犬騎士が生き残り、こうして再び抱き合うことが出来た。その幸運に天にお礼を言いたい気分だった。

(神様、ありがとう。オリヴァー様を助けて下さって。彼がいないと、私は生きている意味が無いのよ)

 たくさんの奇跡が重なり、こうして自分は幸福を手にした。シャーロットの心は湯のような暖かい感情で満ちている。

(お父様、お母様……。シャーロットは幸せです)

 ――世界で一番の幸せ者ですわ。

 シャーロットは静かに目を閉じた。つぅー……っと涙が一筋流れる。

(愛する人と共に生きていける。これ以上の喜びはありはしないのよ……)

 二人はしばらく抱き合っていた。彼がそっとシャーロットの頭を撫でていた。
 しかし、優しい静寂を破ったのは、オリヴァーの情けない声だった。

「痛てっ……イテテテテテテ」
「オリヴァー様?!」
「どうやら無理をしすぎたようだ……」

 オリヴァーは苦笑しながらクッションに沈んだ。

「ごめんなさい。私もハメを外してしまいましたわ」

「シャーロットのせいじゃない。俺が誘ったんだ。ということで、今回のことは医者に秘密にしないかい?」

 オリヴァーがにやっと唇の端を引き上げた。

「……ふふふっ。分かりましたわ。今回だけですわよ」

 シャーロットがにっこりと笑った。

「さすが、心が広いな、俺の天使は。愛してる」
「ん……私もですわ。オリヴァー様」

 二人は幸福の口づけを交わす。
 角度を替え、愛を囁きながら、何度も、何度も。

(好きです、愛しています。オリヴァー様……)

 繋がりを解き、ローブを羽織っただけの姿になっても、二人の接吻は終わらなかった。
 結局、甘いキスは往診に来た医師と看護婦に見つかるまで続いた。オリヴァーはこっぴどく怒られた。
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