スパダリ猟犬騎士は貧乏令嬢にデレ甘です!【R18/完全版】

鶴田きち

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第二章 ドキドキの同居生活

自分の身体で確かめてみると良い

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「君が好きだ、シャーロット。お試しではなく、俺の本当の婚約者になってくれないか」

 オリヴァーが言った。

「本当の、婚約者……?」

 シャーロットは呆然と繰り返す。

(いま、なんて? なんて仰ったの……?)

「大人になった君と出会って、一瞬で恋に落ちてしまったんだ。俺の運命の相手は天使で、ようやく舞い降りたんだと思った。君は素敵だ、シャーロット。外見だけじゃない。中身も優しくて、母性に溢れている。君を幸せにしたい」
「ほ、本気ですか……?」
「嘘を言うような男に見えるか?」
「……っ」

 じっと見詰められて、シャーロットは言葉に詰まる。オリヴァーの澄んだ碧の瞳にからかいの色はなかった。

(ほ……本気なんだわ)

 シャーロットはごくりと唾を飲む。

(オリヴァー様は私を正式な婚約者にしようとして下さっている)

 ――これは現実かしら? 私、夢を見ているの……?

「あの、これは、私の都合の良い夢ではありませんか? 私は今眠っていて、魂だけが身体から抜け出てフラフラと……」

 とうとうシャーロットは、くるくる目を回しながら、あわあわと意味不明なことを口走った。

「? 何を言っているんだ?」

 オリヴァーがきょとんとした顔をする。

「でででで、ですからあの、これは頭の中だけの出来事で……」
「急にどうした、シャーロット」
「まままま、まさかオリヴァー様が私を好きだなんて……。夢としか思えませんので……」
「ほう。そこまで言うなら目を覚まさせてやろうか?」

 オリヴァーは意地悪そうにニヤリと笑った。

(え……っ?)

 突然オリヴァーがシャーロットを横抱きにして、ベッドに連れて行く。そっとシーツに降ろされて、彼が彼女に覆い被さった。

「夢かどうか、自分の身体で確かめてみると良い」
 と、再び彼女の唇を塞ぐ。今度は触れるだけではなく、肉厚な舌が入り込んできた。後頭部を押さえられて、黄金色の髪が乱される。

「待っ……、ん……っ」

 シャーロットは小さな掌で、彼の胸板を弱々しく押し返した。しかし口づけは止まずに、優しく彼女の柔らかい舌を絡め取る。

(こんなキス、初めて……)

「……っ、ふ……んぅ……っ」

(私、このまま処女を奪われてしまうのかしら……)

 シャーロットは蒼い瞳にいっぱい涙を溜めた。もう二十歳なので、想いの通じ合った男女が何をするかは知っている。しかし知識はあるだけで、実際どうしたらいいのか分からなかった。

(もちろんオリヴァー様ならいいわ。大好きなお方だもの……)

 唇をそっと離して、オリヴァーがシャーロットを見詰めた。その碧の瞳に欲望が揺らめいている。

「好きだ、シャーロット。君が欲しい」

 彼が囁いた。下腹部がきゅんと疼くような甘いテノールである。

「……はい」

 シャーロットはこくりと頷いた。彼女のか弱い笑みを見て、オリヴァーは何を感じたのか、目をスッと細くする。そのまま唇を移動させ、彼女の真っ赤になった耳に口づける。
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