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最終章 未来へ

くそぅ… *

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「待て、何だって……? 今なんて言った?」
「だから……今のを、おれの初めてに、しませんか……って……」
「……俺にくれるのか」
「嫌、じゃなければ……ン、あっ……。おれ、全部あげたいから……せんせい、に。初めても、これからも、全部もらって欲し、いから……!」

 真琴はあえぎあえぎ言った。

「――クソッ……!」

 その時、突然鷹城がぎゅっと目をつぶり、真琴の腕を強くつかんで、胴震いした。
 真琴ははっと目を見開く。お湯よりもっと熱いものが肉壁に放たれる感覚がした。

(えっ、えっ……? もしかしてイっちゃったの?) 

 真琴は鷹城を見下ろす。
 眉の間に縦の皺を作り、あごから汗を滴らせながら、まるで獣のように息を荒くしていた。快感を味わっているような、なんとも言えない色っぽい表情。

(あ、かわいい)

 真琴は胸がきゅんとした。
 いつもセックスでは鷹城に主導権を握られ、いいように感じさせられているばかりだ。だからこうして官能に身を委ねている顔を見るのは新鮮だった。
 しばらくして、ようやく息が整ってきた鷹城は、真琴の胸に甘えるように額をつけた。

「くそぅ……我慢できなかった」
「え……がまん?」
「お前が不意打ちで可愛いこと言うから……持っていかれた」
「か、可愛いって……そんな、わけない……」

 じわっと頬が紅潮する。

「いや……可愛いよ。すぐツンとするし、意地張ってばかりだけど……。だからこそ、デレると破壊力がやばい。理性がふっとぶ」
「デッ、デレてません」
「いや、デレてる。今日はすっげーデレてる。――俺、さっきみたいに暴発したの、生まれて初めてだよ。オナってても、あんな風になったことない」

 さらっと際どいことを鷹城は言った。

「や、やだ……先生。ばか。それ以上言わないで下さい……」

 あまりの恥ずかしさに、真琴は手のひらで鼻から下を覆う。

「あ? 照れてんのか?」
「う、うるさいです」

 目を逸らしてごまかそうとしたが、無駄だった。

「へえ……そうなのか。こういうこと言われるの、好きなんだな?」

 鷹城がにやっと笑う。
 そしてもう復活し始めた楔をゆっくり動かした。中をぐちゅっとかき回されて、いったん静まっていた快感に再び火がつく。

「! ちがっ、違いますっ。きら、きらいです……っ」
「真琴……可愛いよ」

 鷹城が真琴の耳許に唇を寄せ、囁いた。低くとろけそうな声で名前を呼ばれると、たまらなくなる。

「ひっ……!」

 ぞくん、と体が跳ねた。同時に内壁が収縮し、鷹城の楔を締めつける。

「……ッ……、可愛いし、きれいだ。とっても……。外見だけじゃない、心もな。大和撫子って、真琴みたいな人のことを言うんだろうな」
「やっ、だめ、名前……な、まえ、やぁっ」

 放り出されていた真琴のものを、鷹城が腰の動きに合わせて扱き出す。前と後ろを同時に責められて、押し寄せる気持ちよさに鷹城の首にすがりついた。

「あっ、やだ、だめっ……」
「真琴の肌はまるで陶器みたいだ。すべすべして、しっとりして、俺の手に吸いついてくる……。こんなに触り心地の良い肌をした奴は初めてだ」

 何を思ったのか、鷹城は急に流暢(りゅうちょう)に話し出した。

「な、何……んっ、ふ、あぁっ」
「胸の突起も敏感だな……。さっきまで薄い桃色だったのに、今はさくらんぼみたいな色になった。ツンと上を向いて、俺の指を求めて震えてる」
「ひ、言、わな……いで、やっ」
「だけどペニスは正直だ……。いっちょ前に上を向いて、はやくイきたがってびくびくしてる。尿道口が開いたり閉じたりしてるの、自分で分かってるか?」
「……! それ、や……」

 真琴はやっと気がついた。

(もしかしてわざと官能小説っぽいこと言ってるの?!)

 鷹城の思惑を察した途端、あまりの羞恥で体が火で焙(あぶ)られたように熱くなり、真琴の心はのたうちまわった。ぎゅうぎゅうあそこを締めつけ、鷹城のものを逃すまいとする。
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