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最終章 未来へ

クレイジーアバウトユー *

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「い、言わなきゃだめですか」
「是非とも」

 真琴は顔を茹でダコのようにして、ぱくぱくと口を開け、目をうろうろさせた。
 見た目に反して意外に男前な真琴は、堂々と告白は出来ても、こういう乙女な部分を晒すのはどうしても照れてしまう。
 しかし鷹城は諦めそうにない。じっとこちらを見詰める瞳にとうとう根を上げて、真琴はぼそぼそと言う。

「……先生になら、あげてもいいと思ったからです。体も、心も。あの時には……もう好きでした」

 真琴は耳たぶまで真っ赤になった。
 その瞬間、鷹城は悔しそうなうめき声をあげ、楔の切っ先を真琴に優しく突き刺した。

「……あ……っ!」

 真琴は黒い目を見開いて、不意打ちの衝撃に耐えた。すでに慣らされたそこはすぐに鷹城のものを飲み込み、ねっとりと奥まで絡みついていく。

「くそっ……! なんでお前はいつもそうなんだ。俺を喜ばせる達人かよ……!」
「やっ……ふ、あっ、あっ……。だめ、お湯が……っ」

 鷹城が腰を揺らす度に、内壁と楔との間に出来た隙間から、湯が入ってきた。

「俺だってお前が好きだ。好きで、好きで、おかしくなりそうなんだよ……!」
「……っあ……や、ひぁ、んっ」
「クリスマスイブの夜、傷ついたけど、最高だった……。お前は遊びなんだと思ってたから、弄ばれてショックだったけど、でも……止められなかった。片想いのままでもいい、体だけでもいい、お前に溺れられるのなら、もう他に何もいらねえ、とまで思ったんだよ。夜が明けないでくれ願うほど、誰かに首ったけになったのは初めてだった……!」
「……っあ、あ……んぁ、んんっ……せ、んせ……っ」
「完全に〈クレイジーアバウトユー〉だよ……。ちくしょうっ」

 馴染む余裕もなく揺さぶられて言葉が出なくなる。真琴は背を反らせて官能に飲まれるままあえいだ。

(やだ……、先生にそんな風に言われると、すごく恥ずかしい……!)

「せんせ、せんせ……っ、あっ、あんっ」

 快感に羞恥が加わり、真琴は腰をくねらせた。激しすぎる責め苦にまるで軟体動物になったかのように、体に力が入らなくなる。

「ファーストキス、俺がもらって良かったんだな? そう言ったよな……?」
「言った……いい、ま、した……あっ」
「お前は、俺が好きなんだよな……?」
「あ、っあ、あ、んん……さっきから、そ、言ってます……!」
「もっと言ってくれ……。もっと聞きたい。夢の中にいるみてえだよ……まだ信じられない」
「好き、好き……せんせ、が……あんっ……すきぃ」

 リクエストに応え、真琴はうわごとのように繰り返した。ずっと待たせてしまったのだ、このくらいお安いご用である。
 愛しい彼の不安を少しでも取り除いてあげたい。自分の気持ちを信じて欲しい。
 その時、ふっと妙案がひらめいた。

(あ、そういえば……)

 真琴は鷹城の両頬を震える手で包んだ。

「せ、んせ……、あっ……ん、や、あ……っ」
「どうした」

 恍惚とした表情で鷹城が言った。その漆黒の瞳に真琴の顔が映っている。

「まだ、後悔……して、ま、すか……? んっ、おれの、初めて……を奪った、こと」
「……ああ。してるよ、ずっと」
「そ、それ……チャラ、にしませ……んか? 今までの……全部いっかい、忘れ……て、んっ、アッ……、いまのをおれの初めての、エッ、チに……」
「……!」

 肉筒で鷹城のものが限界まで張り詰めた。ぐんと中を圧迫される。それを嬉しがるように、真琴の媚肉が妖しく蠢(うごめ)いた。

「あっ、やだ……中、おっき……。くるし……っ」
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