73 / 96
第六章 聖なる夜に(後編)
素直なのは身体だけかよ *
しおりを挟む「言わないとやめるぞ」
鷹城が腰をピタリと止めたので、真琴は発狂しそうになった。限界まで高められた体が行き場を求めて荒れ狂う。
「ヤダ! ……なんで、ひあ、ぁ、っ」
「お前が意地張ってるからだろ。……ったく、素直なのは体だけかよ」
「ああんっ!」
乳首をきゅんとつねられると、熱い刺激が体の内側を駆け巡り、脳内がスパークするかと思った。胸の突起と前立腺が直結しているのではないか、と思うくらい強い官能におかしくなりそうだ。
「せんせぇ、そこっ……離して、へんになる……あっああっ」
「変になれよっ……。いくらでも受け止めてやるから……。ほら、これが欲しいか」
くちゃ、と鷹城がかすかに楔を動かした。もっといじめて欲しくて真琴はもだえる。
「欲し、ほしい……!もっと、もっとっ」
「じゃあいい加減、俺に溺れろっ……!」
鷹城が苦しげな声で真琴の喉に噛みついた。
「いたっ……! んっ……もう、おぼれ、てるのにぃ……っは、あんっ」
「嘘つけっ」
「あっあん……うそじゃ、ない……!」
「じゃあなんなんだよ、お前は俺をどう思ってんだっ」
「ふぁ……あっ、んん……そんなの、言えっ、いえない……!」
(おれだってほんとうは、言いたい。ホントのきもち。でも……!)
真琴は自分で自分の心にブレーキをかける。
想いを告げるには彼と自分は遠すぎる。オタクで、気持ち悪い自分が隣に並んでいい相手ではないのだ。
劣等感と自信のなさが、ますます真琴を臆病する。
だが心はなんとかコントロール出来ても、体は別だった。押さえ切れない愛しさが勝手に手を動かした。
(せんせい……すき……!)
真琴は両方の手のひらで鷹城の頬を挟むと、ぶつけるようにキスをした。先程の口づけよりももっと強い想いのこもった接吻に、鷹城がはっとしたように目をみはる。
「……ふっ……ん、んぅ……せんせぇ……せんせ…い…!」
なんども角度を変えて交わる熱烈な口づけに、鷹城が応えた。
「……お前、ずるいぜ。酔ってるくせに、そんなキスをするなんて……。まるで俺のことが好きみてえじゃねえか……!」
と真琴の後ろ頭をがっしりつかんで、深く口づけを返した。今までの受け身状態とは違う情熱的な舌にくらくらしながらも、真琴は必死で自身の舌を絡める。
(せんせ……)
口腔を蹂躙し、歯の裏をなぞり、口蓋をくすぐる厚い舌に翻弄された。さらに唇同士が深く繋がり合うよう身を委ねてしまう。
(キスがこんなにきもちいいなんて、しらなかった。さっきと全然ちがう……)
と、同時に止まっていた楔が、ぐちゅっといやらしい音を立てて動き出す。ゆっくりと前立腺をこするように動くので、背が快感でぶるぶると震えた。
「あっ! ……ふぁっ、あっんんぅ……っ」
「これが……好きか?」
と、ぐんと中で男根を突き上げる。
「……ふあっ、すき、すきぃっ」
鷹城本人には好きと言えないけれど、彼の性器は好きだと言える自分がおかしかった。
「その好きでいい……。それでいいからもっと言え。もっと……」
と耳許で囁く。
「あんっ……すき、すきっすきぃ……っ」
その甘いバリトンに誘われて、真琴はうわごとのように繰り返した。
1
お気に入りに追加
110
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
痴漢輪姦されたDKの末路
佐々羅サラ
BL
ある日タケルは、学校へ向かう電車内で男に痴漢されてしまう。
その時は逃げることが出来たが、後日その男と共に現れた男達に集団で囲われ、逃げられなくなってしまった。
そしてタケルはそのまま集団に輪姦され……。
その日から地獄の日々が始まった。
複数攻め×不憫受け。
受けがかなり可哀想な目に合ってます。
不定期更新。
第1章は完結しています。
番外編1は攻め視点です。ほぼエロ無し。
俺の番が変態で狂愛過ぎる
moca
BL
御曹司鬼畜ドSなα × 容姿平凡なツンデレ無意識ドMΩの鬼畜狂愛甘々調教オメガバースストーリー!!
ほぼエロです!!気をつけてください!!
※鬼畜・お漏らし・SM・首絞め・緊縛・拘束・寸止め・尿道責め・あなる責め・玩具・浣腸・スカ表現…等有かも!!
※オメガバース作品です!苦手な方ご注意下さい⚠️
初執筆なので、誤字脱字が多々だったり、色々話がおかしかったりと変かもしれません(><)温かい目で見守ってください◀
男の俺が痴漢されてイッちゃうなんて…!
藤咲レン
BL
【毎日朝7:00に更新します】
高校1年生のミナトが、サッカー部の練習帰りの電車の中で痴漢をされてしまう。これまで恋愛を一度もしたことのないミナトは、理性と快楽の間で頭が混乱し、次第に正体不明の手の持ち主に操られはじめ、快楽が頭を支配してゆく。
2人が大人になってからのストーリー編も連載中です。
■登場人物
矢野ミナト
・身長170cm
・ノンケ(ストレート)
・年齢=彼女いない歴(童貞)
・色白だけど細マッチョ
・明るい性格
佐藤タカシ
・身長180cm
・初体験済(女性)
・サッカーレベル超うまい
・色黒でガッシリ体型
・ミナトのことが気になり、自分がゲイかどうか悩んでいる
・責任感の強い性格、真面目
獅子帝の宦官長
ごいち
BL
皇帝ラシッドは体格も精力も人並外れているせいで、夜伽に呼ばれた側女たちが怯えて奉仕にならない。
苛立った皇帝に、宦官長のイルハリムは後宮の管理を怠った罰として閨の相手を命じられてしまう。
強面巨根で情愛深い攻×一途で大人しそうだけど隠れ淫乱な受
R18:レイプ・モブレ・SM的表現・暴力表現多少あります。
2022/12/23 エクレア文庫様より電子版・紙版の単行本発売されました
電子版 https://www.cmoa.jp/title/1101371573/
紙版 https://comicomi-studio.com/goods/detail?goodsCd=G0100914003000140675
単行本発売記念として、12/23に番外編SS2本を投稿しております
良かったら獅子帝の世界をお楽しみください
ありがとうございました!
一目惚れだけど、本気だから。~クールで無愛想な超絶イケメンモデルが健気な男の子に恋をする話
紗々
BL
中身も何も知らずに顔だけで一目惚れされることにウンザリしている、超絶イケメンファッションモデルの葵。あろうことか、自分が一目惚れで恋に落ちてしまう。相手は健気で無邪気で鈍感な可愛い男の子(会社員)。初対面の最悪な印象を払拭し、この恋を成就させることはできるのか…?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる