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1.20歳~21歳

どう見てもビッチです本当に残念です

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幸いにも、両親は寝静まっている時間だ。
そういえば彼は一人暮らしだろうか?
私は思いっきりスネを齧っているが。

ともかく、万が一親が起きてきたら何を言われるかわからない。
まずは下着を、いや、人様に見せられる下着を探すところから始めなくてはならない。
母親はG級バストにも関わらず、どこでどう間違えたのか私の胸囲は驚異の下着いらず。

変なダジャレを考えて一人でじわじわと笑いがこみ上げてきたところで、ようやく上下セットの下着を発見した。
ブラなんか付けたの、数ヶ月ぶりだろう。
近くのコンビニくらいじゃまず付けないし・・・

なんとか装着完了。
後は写真におさめるだけだが、ある意味ここが一番の鬼門である。
何しろ自信の無い顔に貧相な身体つき。
化粧下手でこんな時間から化粧をする気にもなれない。
と言うよりは、化粧しても大して代わり映えのしない程度の顔面レベル。
さぁこれを、下着も映り顔はそこそこ隠しなおかつあまり酷い有様にならないようにするには・・・

考えている間に身体が冷えてきた。
もうここまで準備してしまえばヤケだ、とりあえずスッピンはメガネをかけて誤魔化そう。
体育座りのようになれば下着も見えるし自然と手を顔に持っていける。
のっぺりした顔があまり強調されないように、自撮りの基本斜め上で撮影。

三枚ほど撮ってみて、あまり納得は出来なかったが諦めた。
私のやる気スイッチはいつも途中でオフになってしまう。

適当に明るさ調整だけはしておいた。
デジタルイラスト描きの技術がこんな使い方されるとは、私の右手が泣いていないか心配である。

編集をしながらさっさと下着を外し、足元に脱ぎ捨てられたスウェットに着替える。
支えなければならないほどの乳がない者にとって、ブラはただ肋骨を圧迫する矯正下着のようにしか思えない。
少なくとも私はそう思っている。

イヤホンを耳にねじ込むと、放送はまだ終わりに向かっていた。
撮った画像を送るのは、様子を見て的確なタイミングで送った方が効果的だろう。
どんな効果を求めているのか自分でもよく分からないが、彼に好意的な目線を向けて欲しいような、そんな気持ちでいた。

過去の男運が酷すぎたせいか、それとも、こんな干物でも女として見て欲しい欲求がまだ残っていたのか、そんな事はどうでも良かった。

さりげなく話に耳を傾けていると、30分の放送は一度切れてしまうが、またすぐに放送をすると言っていた。
着替えたり写真を撮ったりしていたおかげで、その間にどんな会話があったのか読めないが、次の放送では彼の好みの女性について語るらしい。

終わりに向けて、コメント数が増えていく。
匿名だらけのこの空間で、真相はわからないものの、見る限りリスナーは女だらけのようだ。
しかも、彼の好みが気になるような女性達で間違いない。

もしも~だったら、という妄想に普段から時間を多く費やしているおかげで、「もしも彼を自分だけの物にするならば」という発想はすぐに出来た。
この猛者達をかき分けて彼の目に留まるなんて事が私に出来るのか。
場合によっては命の危険すら感じる。
女は何をするかわからない、私を含めて。
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