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「お前、ふざけんなよ!」
セレナの方を掴み、前後に激しく揺さぶる。白い光に包まれた後、気がついたらこの何もない空間にいた。そして、すぐに理解した。セレナの世界に飛ばされたのだと。
「謝るから!謝るから許して!世界を救い終わったらCM終わる直前のところに戻すから!」
涙目で謝るセレナの言葉を聞き解放してあげる。
「そうゆうことは早く言えよ。よっしゃ、すぐに世界を救いにいくぞ。」
「なんて切り替えの速さなの。まぁ、やる気を出してくれたのはいいことね。それじゃああなたに能力を授けるから、希望があるなら2つ言ってちょうだい。」
今気になることが聞こえた気がする。能力を2つ貰えるとか言わなかったか?異世界転生する時の相場は1つだろう。そのまま戸惑っていると、セレナが続けた。
「昔は1つだったんだけどね。色々とクレームが入ったのよ。少し紹介するわね。飛ぶ斬撃を放てる魔剣をもらったSさんより、『飛ぶ斬撃はとんでもない量の魔力を使うため、そもそも一発も打てません。』とか、絶対に攻撃を通さない盾をもらったTさんより、『盾で守れる範囲が狭く、囲まれると詰みます。』とかね。だから2つあげることにしたの。決して、クレーム処理がめんどくさいとかそーゆーことじゃないからね。安心してちょうだい。」
なんだろう。すごい不安になっていた。本当に大丈夫なのだろうか。
「はい。じゃあこの箱の中から2枚くじをとってね。」
「え?くじ?自由に決めれるんじゃないのか?」
「バカね。好きな能力を2つ授けるとかそんなことしたら世界のバランスが崩れるじゃないの。」
本気で大丈夫なのだろうか。この世界は。というよりこの女神は。能力を2つとかくじ引きとかじゃ何も解決してない気がするのだが…そんな思いを飲み込みながらもくじを2枚引きセレナに渡す。
「さて、何が出るかしらね。1つ目は!!」
セレナの掛け声に合わせてどこからともなくドラムロールが聞こえてくる。
「収納魔法!んー、あんまパッとしないけどあると便利って感じね。そして2つ目は!!」
再びドラムロールが鳴り響き…
「浮遊魔法!『ちょっとそこの醤油とって』とかが無くなる魔法ね。なんてゆーか地味ね。」
いちいち文句を言ってくるセレナに軽い苛立ちを覚える。
「これで行ける気がしないけどまぁいいわ。手を出して。」
セレナに突き出した手をセレナが両手で包み込む。すると、手が淡い光に包まれる。
「終わったのか?」
光が収まってからセレナに尋ねる。どうやら終わったらしい。その後セレナに能力の使い方を教わる。セレナの言っていた通り、収納魔法は便利そうだ。ほぼ無限に物が入るらしいし、欲しい物もスッと取り出せる。つまり、どこかの青い狸みたいに「これでもない。」と中身をひっくり返す必要もないらしい。浮遊魔法はまぁうん。って感じだ。物を浮かせて動かせる。それ以上でもなければそれ以下でもない。
「それじゃあ能力の使い方も大体掴んだみたいだし、そろそろ世界を救いにいきましょうか。」
「その前に1つだけ聞いてもいいか?」
俺には1つだけ気になっていることがあった。本当に異世界に行く前に聞いておきたい。
「どうして俺だったんだ?もしかして何かすごい才能が秘められているとかか?」
「いや、そんな才能あなたにはないわ。中の下ってところかしらね。もっとすごい人はいたんだけどね。選り好みしてたら時間がなくなってきちゃって。やべーこれどうしようって思ってたらたまたま歩いてるあなたを見つけて、時間もないしもうこの人でいっかなーって…ごめん!ごめんなさい。謝るから!謝るから無言で揺さぶるのやめて!」
気の済むまでセレナを揺さぶったのちに解放してあげる。
「そ、それじゃあ本当に世界を救いに行くわよ。」
揺さぶられた影響か少しふらついているセレナが手を差し出してくる。その手を取ると体全身が光り始めた。まるでここにきた時のようだ。次第に光は強くなり、俺は強く目を閉じた。
セレナの方を掴み、前後に激しく揺さぶる。白い光に包まれた後、気がついたらこの何もない空間にいた。そして、すぐに理解した。セレナの世界に飛ばされたのだと。
「謝るから!謝るから許して!世界を救い終わったらCM終わる直前のところに戻すから!」
涙目で謝るセレナの言葉を聞き解放してあげる。
「そうゆうことは早く言えよ。よっしゃ、すぐに世界を救いにいくぞ。」
「なんて切り替えの速さなの。まぁ、やる気を出してくれたのはいいことね。それじゃああなたに能力を授けるから、希望があるなら2つ言ってちょうだい。」
今気になることが聞こえた気がする。能力を2つ貰えるとか言わなかったか?異世界転生する時の相場は1つだろう。そのまま戸惑っていると、セレナが続けた。
「昔は1つだったんだけどね。色々とクレームが入ったのよ。少し紹介するわね。飛ぶ斬撃を放てる魔剣をもらったSさんより、『飛ぶ斬撃はとんでもない量の魔力を使うため、そもそも一発も打てません。』とか、絶対に攻撃を通さない盾をもらったTさんより、『盾で守れる範囲が狭く、囲まれると詰みます。』とかね。だから2つあげることにしたの。決して、クレーム処理がめんどくさいとかそーゆーことじゃないからね。安心してちょうだい。」
なんだろう。すごい不安になっていた。本当に大丈夫なのだろうか。
「はい。じゃあこの箱の中から2枚くじをとってね。」
「え?くじ?自由に決めれるんじゃないのか?」
「バカね。好きな能力を2つ授けるとかそんなことしたら世界のバランスが崩れるじゃないの。」
本気で大丈夫なのだろうか。この世界は。というよりこの女神は。能力を2つとかくじ引きとかじゃ何も解決してない気がするのだが…そんな思いを飲み込みながらもくじを2枚引きセレナに渡す。
「さて、何が出るかしらね。1つ目は!!」
セレナの掛け声に合わせてどこからともなくドラムロールが聞こえてくる。
「収納魔法!んー、あんまパッとしないけどあると便利って感じね。そして2つ目は!!」
再びドラムロールが鳴り響き…
「浮遊魔法!『ちょっとそこの醤油とって』とかが無くなる魔法ね。なんてゆーか地味ね。」
いちいち文句を言ってくるセレナに軽い苛立ちを覚える。
「これで行ける気がしないけどまぁいいわ。手を出して。」
セレナに突き出した手をセレナが両手で包み込む。すると、手が淡い光に包まれる。
「終わったのか?」
光が収まってからセレナに尋ねる。どうやら終わったらしい。その後セレナに能力の使い方を教わる。セレナの言っていた通り、収納魔法は便利そうだ。ほぼ無限に物が入るらしいし、欲しい物もスッと取り出せる。つまり、どこかの青い狸みたいに「これでもない。」と中身をひっくり返す必要もないらしい。浮遊魔法はまぁうん。って感じだ。物を浮かせて動かせる。それ以上でもなければそれ以下でもない。
「それじゃあ能力の使い方も大体掴んだみたいだし、そろそろ世界を救いにいきましょうか。」
「その前に1つだけ聞いてもいいか?」
俺には1つだけ気になっていることがあった。本当に異世界に行く前に聞いておきたい。
「どうして俺だったんだ?もしかして何かすごい才能が秘められているとかか?」
「いや、そんな才能あなたにはないわ。中の下ってところかしらね。もっとすごい人はいたんだけどね。選り好みしてたら時間がなくなってきちゃって。やべーこれどうしようって思ってたらたまたま歩いてるあなたを見つけて、時間もないしもうこの人でいっかなーって…ごめん!ごめんなさい。謝るから!謝るから無言で揺さぶるのやめて!」
気の済むまでセレナを揺さぶったのちに解放してあげる。
「そ、それじゃあ本当に世界を救いに行くわよ。」
揺さぶられた影響か少しふらついているセレナが手を差し出してくる。その手を取ると体全身が光り始めた。まるでここにきた時のようだ。次第に光は強くなり、俺は強く目を閉じた。
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