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2章
死神
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富子の病気を聞いて皆で見舞いに行くと富子は病床についていた。
狒々の時のように身体に黒い靄が掛かっていて
他の人たちに見えていないようだが
富子の足元にはやせ細った年寄りが立っていて富子の様子を伺っている。
九田部 麒麟「死神・・・」
佐伯 まお「え・・・狒々さんの時と同じように簡単に剥がせないの?」
九田部 麒麟「いや狒々自体に体力があったし神鳴りを落とすなんて人には耐えられないよ・・」
佐伯 まお「そんな・・・」
神保 保則「だだだだ・・大丈夫・・・※1死神が枕元に居なければまだ寿命は尽きてないはずずずず・・・」
※1(古典落語 死神参照)
佐伯 まお「保則兄ぃ落ち着いて!?」
神保 保則「おおおおおお・・おちついてるよ!?うん・・・?おちついてる・・」
駄目だ・・これはパニックになってる・・
九田部 麒麟「そうですね、死神は仮にも(神格)をもっている妖怪です、彼を追い返すよりも彼女の障りを剥がした方がまだ可能性があります」
九田部 麒麟「でも・・・これは・・・」
考え込む九田部さん・・・
九田部 麒麟「まおさん・・借りの話ですが、古典落語の死神では枕元にたった死神を医者が無理やり返した結果、患者の寿命が伸びたかわりに医者の寿命が尽きてしまいました・・」
九田部 麒麟「勿論そうならないように全力を尽くしますが万が一の時の覚悟はありますか?お友達の為に自分の命をベットする覚悟は・・ありますか?」
佐伯 まお「え・・・」
そんな・・危ない状況なの!?・・
躊躇するまお
九田部 麒麟「・・・信仰は私達妖怪の力にはなりますが祈るだけでなんでも叶うわけではありません、薬と毒・呪いと祈り・益獣と害獣・人間が区別しているだけで同じものです。」
九田部 麒麟「何かを成すと言う事には必ず副作用があります。神頼みはファッションでも無料でもないんです。覚悟はありますか・・?」
真顔で九田部さんは私をまっすぐ見つめ返す。
何時もの茶化した感じの九田部さんではない。
嘘偽りのない本気の問なんだろう・・・
佐伯 まお「死ぬ覚悟なんてできてない!・・・でも富子が死ぬのも嫌だ・・・どっちも助かる可能性があるんだよね?」
九田部 麒麟「私の考えが間違っていなければ・・」
正直断言して欲しい・・でもそれは我がままなんだよね・・・九田部さんはあくまで両方助かる可能性を示唆してくれているだけだ絶対に助かるわけではないのだ、覚悟も決断も自分がしなければ意味がない
それは癌告知された患者が医者に治療選択を丸ねげして結果論で医者にクレームするのと同じ行為だ
だが医療知識が乏しい側はある程度は信頼関係に依存して頼るしかない。
佐伯 まお「私はまだ妖怪世界に詳しくない、でも九田部さんが今回真剣に対応してくれてるのは解る・・・だから!」
大きく息を吸ってそして吐く
佐伯 まお「覚悟した!任せる!私はどうしたらいいですか?」
九田部 麒麟「僕が障りを剥がします、大丈夫とは思いますが万が一死神さんが邪魔しようとしたら間に入ってください」
おぉぅ中々勇気のいる要求じゃないですか・・でも
佐伯 まお「解った!信じる!」
ここまできたらやるしかない保則兄はもうパニックでポンコツ確定だし
九田部 麒麟「では・いきます」
そう言うとくたべさんは呪を唱える
もえんふどうみょうおう(不動明王)
かえんふどうおう(火炎不動王)
なみきりふどうおう(波切不動王)
おおやまふどうおう(大山不動王)
こんがらふどうおう(吟伽羅不動王)
きちじょうみょうふどうおう(吉祥妙不動王)
てんじくふどうおう(天竺不動王)
てんじくさかやまふどうおう(天竺逆山不動王)。
かやし(逆し)におこなうぞ
かやし(逆し)におこない(行い)
おろせば(下ろせば)
むこう(向こう)
はちばな(血花)
にさかす(咲かす)ぞ。
みじん(味塵)
とやぶれ(破れ)
や、そわか。
もえゆけ、たえ(絶え)
ゆけ、かれ(枯れ)ゆけ
いきりょう(生霊)
いぬがみ(狗神)
さるがみ(猿神)
すいかん(水官)
ながなわ(長縄)
とぶひ(飛火)
へんび(変火)
そのみ(身)
のむなもと(胸元)
しほう(四方)さんざら
みじん(味塵)とみだれ(乱れ)
や、そわか。
むこう(向こう)
はしるまい(知るまい)
こちらはしりとる(知り取る)
むこうはあおち(青血)
くろち(黒血)
あかち(赤血)
しんち(真血)
をはけ(吐け)
あわ(泡)をはけ(吐け)。
そくざ(即座)
みじん(味塵)
に、まらべや
てんじく(天竺)
ななだんこく(七段国)
へおこなえば(行えば)
ななつ(七つ)のいし(石)
をあつめて(集めて)
ななつ(七つ)
のはか(墓)をつき、
ななつ(七つ)のいし(石)
のそとば(外羽)をたて(建て)
ななつ(七つ)のいし(石)
のじょうかぎ(錠鍵)
おろして、みじん(味塵)
すいぞん、おん・あ・び・ら・うん・けん・そわかとおこなう。
うちしき(打ち式)
かやししき(返し式)
まかだんごく
けいたんこく(計反国)と
ななつ(七つ)のじごく(地獄)
へうち(打ち)おとす(落とす)。
おん・あ・び・ら・うん・けん・そわか。
九田部さんが呪を唱えると富子から黒い靄が剥がされそうになるが
靄が抵抗を見せる。
その一部始終を窪んだ眼で眺める死神。
その間を佐伯(遮る)まお
結局靄が富子を離れ去っていくまで死神は見守ってからいずこっへと消え去った。
そして一気に腰がぬけてへなへなとその場にまおは座り込んだ。
佐伯 まお「こわかった~~~~・・・」
そして嘘のようにみるみると血色を取り戻す富子。
本当に良かった。
狒々の時のように身体に黒い靄が掛かっていて
他の人たちに見えていないようだが
富子の足元にはやせ細った年寄りが立っていて富子の様子を伺っている。
九田部 麒麟「死神・・・」
佐伯 まお「え・・・狒々さんの時と同じように簡単に剥がせないの?」
九田部 麒麟「いや狒々自体に体力があったし神鳴りを落とすなんて人には耐えられないよ・・」
佐伯 まお「そんな・・・」
神保 保則「だだだだ・・大丈夫・・・※1死神が枕元に居なければまだ寿命は尽きてないはずずずず・・・」
※1(古典落語 死神参照)
佐伯 まお「保則兄ぃ落ち着いて!?」
神保 保則「おおおおおお・・おちついてるよ!?うん・・・?おちついてる・・」
駄目だ・・これはパニックになってる・・
九田部 麒麟「そうですね、死神は仮にも(神格)をもっている妖怪です、彼を追い返すよりも彼女の障りを剥がした方がまだ可能性があります」
九田部 麒麟「でも・・・これは・・・」
考え込む九田部さん・・・
九田部 麒麟「まおさん・・借りの話ですが、古典落語の死神では枕元にたった死神を医者が無理やり返した結果、患者の寿命が伸びたかわりに医者の寿命が尽きてしまいました・・」
九田部 麒麟「勿論そうならないように全力を尽くしますが万が一の時の覚悟はありますか?お友達の為に自分の命をベットする覚悟は・・ありますか?」
佐伯 まお「え・・・」
そんな・・危ない状況なの!?・・
躊躇するまお
九田部 麒麟「・・・信仰は私達妖怪の力にはなりますが祈るだけでなんでも叶うわけではありません、薬と毒・呪いと祈り・益獣と害獣・人間が区別しているだけで同じものです。」
九田部 麒麟「何かを成すと言う事には必ず副作用があります。神頼みはファッションでも無料でもないんです。覚悟はありますか・・?」
真顔で九田部さんは私をまっすぐ見つめ返す。
何時もの茶化した感じの九田部さんではない。
嘘偽りのない本気の問なんだろう・・・
佐伯 まお「死ぬ覚悟なんてできてない!・・・でも富子が死ぬのも嫌だ・・・どっちも助かる可能性があるんだよね?」
九田部 麒麟「私の考えが間違っていなければ・・」
正直断言して欲しい・・でもそれは我がままなんだよね・・・九田部さんはあくまで両方助かる可能性を示唆してくれているだけだ絶対に助かるわけではないのだ、覚悟も決断も自分がしなければ意味がない
それは癌告知された患者が医者に治療選択を丸ねげして結果論で医者にクレームするのと同じ行為だ
だが医療知識が乏しい側はある程度は信頼関係に依存して頼るしかない。
佐伯 まお「私はまだ妖怪世界に詳しくない、でも九田部さんが今回真剣に対応してくれてるのは解る・・・だから!」
大きく息を吸ってそして吐く
佐伯 まお「覚悟した!任せる!私はどうしたらいいですか?」
九田部 麒麟「僕が障りを剥がします、大丈夫とは思いますが万が一死神さんが邪魔しようとしたら間に入ってください」
おぉぅ中々勇気のいる要求じゃないですか・・でも
佐伯 まお「解った!信じる!」
ここまできたらやるしかない保則兄はもうパニックでポンコツ確定だし
九田部 麒麟「では・いきます」
そう言うとくたべさんは呪を唱える
もえんふどうみょうおう(不動明王)
かえんふどうおう(火炎不動王)
なみきりふどうおう(波切不動王)
おおやまふどうおう(大山不動王)
こんがらふどうおう(吟伽羅不動王)
きちじょうみょうふどうおう(吉祥妙不動王)
てんじくふどうおう(天竺不動王)
てんじくさかやまふどうおう(天竺逆山不動王)。
かやし(逆し)におこなうぞ
かやし(逆し)におこない(行い)
おろせば(下ろせば)
むこう(向こう)
はちばな(血花)
にさかす(咲かす)ぞ。
みじん(味塵)
とやぶれ(破れ)
や、そわか。
もえゆけ、たえ(絶え)
ゆけ、かれ(枯れ)ゆけ
いきりょう(生霊)
いぬがみ(狗神)
さるがみ(猿神)
すいかん(水官)
ながなわ(長縄)
とぶひ(飛火)
へんび(変火)
そのみ(身)
のむなもと(胸元)
しほう(四方)さんざら
みじん(味塵)とみだれ(乱れ)
や、そわか。
むこう(向こう)
はしるまい(知るまい)
こちらはしりとる(知り取る)
むこうはあおち(青血)
くろち(黒血)
あかち(赤血)
しんち(真血)
をはけ(吐け)
あわ(泡)をはけ(吐け)。
そくざ(即座)
みじん(味塵)
に、まらべや
てんじく(天竺)
ななだんこく(七段国)
へおこなえば(行えば)
ななつ(七つ)のいし(石)
をあつめて(集めて)
ななつ(七つ)
のはか(墓)をつき、
ななつ(七つ)のいし(石)
のそとば(外羽)をたて(建て)
ななつ(七つ)のいし(石)
のじょうかぎ(錠鍵)
おろして、みじん(味塵)
すいぞん、おん・あ・び・ら・うん・けん・そわかとおこなう。
うちしき(打ち式)
かやししき(返し式)
まかだんごく
けいたんこく(計反国)と
ななつ(七つ)のじごく(地獄)
へうち(打ち)おとす(落とす)。
おん・あ・び・ら・うん・けん・そわか。
九田部さんが呪を唱えると富子から黒い靄が剥がされそうになるが
靄が抵抗を見せる。
その一部始終を窪んだ眼で眺める死神。
その間を佐伯(遮る)まお
結局靄が富子を離れ去っていくまで死神は見守ってからいずこっへと消え去った。
そして一気に腰がぬけてへなへなとその場にまおは座り込んだ。
佐伯 まお「こわかった~~~~・・・」
そして嘘のようにみるみると血色を取り戻す富子。
本当に良かった。
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