越中富山の九田部さん

池田ラテ雫

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2章

猫又山・大猫山

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 馬場島荘から猫又山まではおよそ二時間半の行程といったところ。
ブナクラ谷を流れる早月川をたどり遡っていく。
立山登山は観光ルートとして道の整備がされているが
こちらは蒸し暑く傍を流れる伏流水の汲み水が命の恵みを感じる。

 佐伯 まお「ほ・・・本当にガチの登山じゃん~~~~」
出発して30分でもうまおも九田部も肩で息をしている」

なにせ道らしい道はなく早月川の沿線の大きな岩の上をたどって歩いているだ。
富山県は山と海の距離がとても近く下流にながされてもまだ岩は大きくほつほつと尖った
原型をとどめて居るモノが多い。
富山の海が深いのは山から流される大岩がそのままかわで丸くなり切らず
海に落ちていく為、海底が深くえぐられ続けその結果
深海魚も浅海生物も混在する多品目漁場となったと言われるほどだ。

神保 保則「まおちゃんがんばって!きつかったら荷物もつから」

このときばかりは保則兄ちゃんが神にみえるよ

九田部 麒麟「わ・・私の荷物も・・・」

神保 保則「くたべさんはがんばらないと~~」

九田部 麒麟「そ・・そんな~~~」

佐伯 まお「なんだか二人とも昨日一泊してから仲良くなてない?」

神保・九田部「「気のせいです!」」

その後だれも誰も脱落せずになんとか赤谷山と猫又山の分岐点までたどり着く
小さなお地蔵様が分岐点でお出迎え

まおは持っていた昆布おにぎりをお供えする。

九田部 麒麟「今回の登山成功祈願ですか?」

佐伯 まお「う~~んお地蔵様は皆を助ける人らしいからきっと忙しいだろうしいつも人間をきにしてくれてありがとう・・・かな?」
佐伯 まお「くたべさんがうちにきて思ったんだけど人はお願いばかりじゃなくてちゃんとありがとうっていうべきなんだよね」
そういってお地蔵様を拝むまお

神保と九田部は目をあわせてほっこりとした。

神保 保則「じゃぁほっこりしたところで先に向かいますかまだきつい道あるけどがんばれるよね?」

佐伯 まお「保則兄ちゃんまで九田部さんみたいにいじわるな言い方になってる~~」
佐伯 まお「帰ったら(ぼてやん 加奈子)のお好み焼き奢ってよね!ミックスの大で!」


ーーーーーー1時間後ーーーーーー

佐伯 まお「・・・・お好み焼きだけじゃ悪に合わない・・・」

いやまって?・・本当に道ないんですけど・・・登山ってこんななの?
途中崖の上からロープ降ろされてるだけだけの処とかありましたよ?
最近山ガールとかもてはやされてて道もしっかり舗装されてるもんだと思ったけど


 ほぼ道なんてなかった!・・・

そうこうしているうちになんとか猫又山山頂に到着
360度大パノラマで山・山・日本海が一望できる。

佐伯 まお「わあ・・・すごい景色・・・だけど・・・一歩も動けない・・・」

見れば横には九田部さんがぴくぴくと痙攣する芋虫のごとく地べたに突っ伏して気絶している。

神保 保則「さて・・肝心の狒々・・だけど・・・」

暫く保則兄ちゃんが散策して帰ってくる

このあたりにいなさそうだね・・せっかくだから隣の大猫山までいってみようか?」

九田部・佐伯「え~~~~~~~~~~」


ーーーーーーーー更に一時間後ーーーーーーーーーーーー

神保 保則「おーいもう少しで大猫山山頂だぞ~~しっかり~~~」

山の天候は変わりやすいというが猫又山をでたときはすごい絶景だったのに
いまは辺り一面、霧と雲海の中にいる。


九田部・佐伯「ぜぇ・・・ぜぇ・・・やっと・・・ついた・・・・?」

もう歩けない・・そう思っていた時


???「キャ~~~~~!」

山頂で女性の声がする

三人で目を見合わせダッシュしようとするがくたべと私は当然足が追い付かない

保則兄ちゃんが先に山頂へと駆け上がる

見ると女性が一人倒れている

神保 保則「大丈夫ですか!?」

女性を抱え起こした瞬間女性が保則にだきついてくる。

神保 保則「お・お嬢さん落ち着いて・・・」

鼻の舌を伸ばしなががらも決め顔を作って女性を引き離す

するとみるみると女性の顔が猫の顔に変化していく。

猫又「ちっひっかっかったのは男かよ、まぁいいや」

そういうと猫又は保則をひっぱり共に雲海の中に霧散していった。

私と九田部さんがのぼりきったころには

保則兄さんの姿は無く

大猫山の山頂の目印として大きなお地蔵様が鎮座しているのみだった

しかし大きくて新しくて・・なんというか・・分岐点にいて雨風にさらされていない
新品のお地蔵様・・・新しすぎてまだ山あの風景に親しんでないというか・・・

そう思っているといきなりお地蔵様の口がにたりと笑う

狒々「ほう・・・隠れていてもバレバレであるか・・・一番骨のありそうなのを猫又がもっていったと思っていたが面白い・・・」

お地蔵様はその身体を3mまで大きくしたかと思うと大きな猿の姿となってまおの前に立ちはだかった。


佐伯 まお「ちょっと~~~力担当の保則兄ちゃんがいなくてど~~するの~~~!?」





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