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一章 立山に白鷹は舞い降りる
6話 阿弥陀ヶ原
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血の池を超えると地獄谷から距離を置くことにより
酸化鉄の赤と硫黄の黄色がそぎ落とされ緑と水の湿地帯に板の渡橋がかけられる
阿弥陀ヶ原へと到達する。
高原湿地帯の特性により草木は身長が低く一緒に水草花が生えに映える。
水の上に水草花が生息する光景は土の上に草花を生やす農耕民族にとって
神秘的な光景であり、また湿地帯独自の生態系を守る為に
立山阿弥陀ヶ原はラムサール条約に登録されている。
佐伯 まお「綺麗なところですね・・・でも・・阿弥陀って名前がついているのに・・」
佐伯 まお「アレ・・・が生えてないですよね・・・仏さまがすわっている奴・・・」
九田部 麒麟「蓮・・・ですか?」
佐伯 まお「そう!・・・それ!・・・蓮!」
九田部 麒麟「譬えば高原の陸地には蓮華は生せず」
「卑湿の汚泥にすなわち此の華を生ずるが如し」
九田部 麒麟「です。そもそも高原に蓮の花はさきませんよ」
佐伯 まお「えーじゃぁここが天界っていうのは・・・」
九田部 麒麟「嘘とはいいませんよ・・・でも仏さまが蓮の座に座っているのは単純に仏と信仰を象徴する華と言う事であって、仏の住まう場所がそんな処ということではないですから」
佐伯 まお「仏さまだけじゃなくて信仰も?」
九田部 麒麟「そもそもお釈迦さま以外の仏様は後々現世の人が神と言われる人を解りやすく人格分けした(概念)で仏様も(神さまから天啓をうけた一人)でしかないわけですが現世の人がたまたま蓮の花が信仰を例えるのにぴったりだとおもっただけですよ」
九田部 麒麟「卑湿の汚泥にすなわち此の華を生ずるが如し」
「阿弥陀さまはただやさしいだけではなくその優しさを得るために卑湿の汚泥・・」
「つまりはいろんな迫害や苦労を経験したからこそ立派な人格をもちあわせたので」
「信仰もそれほどの苦労が必要だってね」
「でもそれは南無阿弥陀仏をと唱えて仏敵信長を討てば浄土にいけるなんていった」
「法主さまの言葉とは矛盾しているわけで蓮の華はあくまでこうあるべしという」
「後世の例えでしかということです」
佐伯 まお「九田部さんは神様のおもいがちゃんと伝わってないことに腹を立ててるの?」
なんだか仏さまの話に否定的な雰囲気を感じて尋ねてみる。
九田部 麒麟「・・・そーですね・・神様の意図が伝わっていないことに腹をたてているというよりは・・」
ちょっと言語化するのに考える九田部さん。
九田部 麒麟「かみさまぼ私たち妖怪も人が生んだ(概念)です。人がいなければ私達は存在しないに等しい存在ですが・・・人の都合で本来の形を捻じ曲げられている事には・・正直不満を抱いてる・・・といった方が正解ですかね・・・」
そういった九田部さんはとても寂しそうだったが・・・
いま人の立場で何か言っても押し付けに聞こえそうだったので無言でその歩様に従っていった。
でも九田部さんの話も人がいないと困るのに人に腹を立てるってなんだかとっても矛盾してるよ!
難しすぎてわかんないけど!
酸化鉄の赤と硫黄の黄色がそぎ落とされ緑と水の湿地帯に板の渡橋がかけられる
阿弥陀ヶ原へと到達する。
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水の上に水草花が生息する光景は土の上に草花を生やす農耕民族にとって
神秘的な光景であり、また湿地帯独自の生態系を守る為に
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九田部 麒麟「譬えば高原の陸地には蓮華は生せず」
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九田部 麒麟「です。そもそも高原に蓮の花はさきませんよ」
佐伯 まお「えーじゃぁここが天界っていうのは・・・」
九田部 麒麟「嘘とはいいませんよ・・・でも仏さまが蓮の座に座っているのは単純に仏と信仰を象徴する華と言う事であって、仏の住まう場所がそんな処ということではないですから」
佐伯 まお「仏さまだけじゃなくて信仰も?」
九田部 麒麟「そもそもお釈迦さま以外の仏様は後々現世の人が神と言われる人を解りやすく人格分けした(概念)で仏様も(神さまから天啓をうけた一人)でしかないわけですが現世の人がたまたま蓮の花が信仰を例えるのにぴったりだとおもっただけですよ」
九田部 麒麟「卑湿の汚泥にすなわち此の華を生ずるが如し」
「阿弥陀さまはただやさしいだけではなくその優しさを得るために卑湿の汚泥・・」
「つまりはいろんな迫害や苦労を経験したからこそ立派な人格をもちあわせたので」
「信仰もそれほどの苦労が必要だってね」
「でもそれは南無阿弥陀仏をと唱えて仏敵信長を討てば浄土にいけるなんていった」
「法主さまの言葉とは矛盾しているわけで蓮の華はあくまでこうあるべしという」
「後世の例えでしかということです」
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なんだか仏さまの話に否定的な雰囲気を感じて尋ねてみる。
九田部 麒麟「・・・そーですね・・神様の意図が伝わっていないことに腹をたてているというよりは・・」
ちょっと言語化するのに考える九田部さん。
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そういった九田部さんはとても寂しそうだったが・・・
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