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【序章】赤い三日月
赤い三日月(3)
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「無理ですわ! だって、閣下はちっとも人望がないんですもの。ご子息からも嫌われている。自覚がおありなだけ、まだましかしらね。なのに、三十倍以上の数のオスマン帝国軍に勝つ気でいらっしゃるなんて!」
無様ですわ──そう吠えて笑い転げる女を前に、男は左手で自らの右腕をつかんだ。拳の形に握り締められた右の手は、激しく震えている。
怖いものなんて無いという視線で、エルミアはその手をちらりと見やった。
「怒っていらっしゃる? 当然よね。図星だもの」
「……エルミア、お前は何者なんだ。何故俺に近付いた?」
感情を押し殺した静かな声に、女が堪えきれないというように噴き出した。
「わたくしが貴方に近付いた訳ですか? そんなの決まってますわ。貴方をずっと探していたから。ずっとずっと探していて。それから……」
──貴方が、このウィーンの将軍だからよ。
わざとゆっくり。
噛んで含めるように。
自分の言葉が相手の感情に浸透するように女は言った。
その笑みは美しい。
世界が終わるときがくれば、天使はこんな風に笑うのだろうか。
男は唇を噛みしめる。
それは意外な答えではなかった。
納得しろと理性は告げる。
若く美しい娘が、地位のある中年に近づく理由など決まっている。
金だ。
あるいは彼女は情報を操る間諜だったのだろうか。
理性は冷徹にそう告げる。
まだ敵軍がここまで進軍してくるより前、近隣の町村からの避難民のために、ウィーンの市門は開け放たれていた。
防衛の責任者として見回りと門兵の激励を兼ねて、また、その他諸々の確認事項を片付けるため、彼が市最大の規模を誇るケルントナー門に出向いた時のことだ。
エルミアが市門をくぐってウィーンに入ってきたのは。
目立つ女ではあった。
薄汚れたフードと外套を羽織っていても、その美しさと愛らしさは零れ出てくるようだ。
彼は女の姿にみとれた。
何より、家族や村人らが一団になってやって来ることが多い中、不思議なことに彼女は一人であった。
誰をも寄せ付けぬように全身を強張らせる様子は不審よりも哀れを誘うものである。
ウィーンという堅固な要塞都市に辿り着いた安堵すら感じさせない。
市壁の全容を見るために顔をあげることすらしなかったのだから。
いくら何でも彼女が美人だから手を出したわけではない。
避難民は、市門を抜けウィーンの街に入るように誘導される。
神聖ローマ帝国の首都は石畳にきめ細かく覆われた壮麗な城塞都市である。
通り沿いに二階建ての民家と商店が並び、出店がテントを連ねる賑わいの中、エルミアはぽつりと道に立ち尽くしていた。
避難民はまず街の広場(アム・ホーフ)に集められ、家族単位で教会などの避難所を割り振られる。
旅装のまま行列に並んだ彼女は、落ち着かないという様子で周囲に視線を走らせていた。
そして多くの避難民と、それに対応するための兵士らの中からウィーン防衛司令官の姿を見付けるなり、パッと顔を輝かせたのだ。
何事か呟いてこちらに駆け寄ってくる。
兵や側近らの制止も振り払うほどの勢いで。
もちろん戸惑いはあった。
だが「お会いしたかったです」と嬉しそうに自分を見上げる美女の視線にぐらついてしまったことを責められるいわれはあるまい。
その日のうちに、彼は誘われるがままに彼女を抱いた。
以来、可愛くてずっとこの王宮の私室に置いている。
エルミアと過ごしてきた時間は、僅か数週間ほどのものであった。
彼は己の仕事に勤しむ間の、ほんの少しの隙間をエルミアとここで過ごしている。
若い娘に翻弄され、慰められ、時にこうやって怒りを掻き立てられながら。
でも最後は柔らかな胸に顔を埋めれば心は安らぎに満たされる──そう分かっていた。だから、今回もきっと──。
「エルミア、もう止そう。こんなことがしたいんじゃない。お前の目的が何であっても、俺は咎めたりはしない。この街で無事にいてほしいだけなんだ」
クスリ。
今度は失笑。
女は唇の端を歪めた。
「閣下は甘くていらっしゃる。そう、さっき食べたガレットよりもずっとね」
「エルミ……何故?」
腹にチクリと痛みを感じて、彼は視線を落とす。
そして眼を見開いた。
鋭い三日月を思わせる銀色──短剣だ。
それが己の腹に突き立っているではないか。
簡素な彫刻が施された柄に添えられているのは白い指。
色が変わるくらい強く握り締め、その指先はすでに青紫に変じていた。
「ご、ごめんなさい、閣下。こんなこと、本当はしたくなかった。だって、わたくしは本当に閣下のことを……」
震える唇から漏れる荒い息。
途切れ途切れの言葉。
「あっ」と彼女が小さく声をあげた。
男の腹に突き立てたナイフの柄に、信じられないくらいの反動を感じたのだ。
「エルミア……お前、オスマンの間者だったのか」
意外なほどに力強い男の声。
エルミアが顔を上げた瞬間。
勢いよくナイフが弾かれる。
若いころから戦場に慣れ、行軍と夜営、そして戦闘を繰り返してきた身体は筋肉に覆われていた。
か弱い女の力で押し込まれた細いナイフの侵入など許す隙はない。
腹に挿しこまれた細い刃先を止め、押し戻したのだ。
抜けた刃が、敷物の上に音もなく落ちる。
「くっ!」
それを拾おうと屈みこんだエルミアの目の前で、ナイフは蹴り飛ばされた。
「違うわよっ!」
空も裂けよとばかりに、女が吠える。
無様ですわ──そう吠えて笑い転げる女を前に、男は左手で自らの右腕をつかんだ。拳の形に握り締められた右の手は、激しく震えている。
怖いものなんて無いという視線で、エルミアはその手をちらりと見やった。
「怒っていらっしゃる? 当然よね。図星だもの」
「……エルミア、お前は何者なんだ。何故俺に近付いた?」
感情を押し殺した静かな声に、女が堪えきれないというように噴き出した。
「わたくしが貴方に近付いた訳ですか? そんなの決まってますわ。貴方をずっと探していたから。ずっとずっと探していて。それから……」
──貴方が、このウィーンの将軍だからよ。
わざとゆっくり。
噛んで含めるように。
自分の言葉が相手の感情に浸透するように女は言った。
その笑みは美しい。
世界が終わるときがくれば、天使はこんな風に笑うのだろうか。
男は唇を噛みしめる。
それは意外な答えではなかった。
納得しろと理性は告げる。
若く美しい娘が、地位のある中年に近づく理由など決まっている。
金だ。
あるいは彼女は情報を操る間諜だったのだろうか。
理性は冷徹にそう告げる。
まだ敵軍がここまで進軍してくるより前、近隣の町村からの避難民のために、ウィーンの市門は開け放たれていた。
防衛の責任者として見回りと門兵の激励を兼ねて、また、その他諸々の確認事項を片付けるため、彼が市最大の規模を誇るケルントナー門に出向いた時のことだ。
エルミアが市門をくぐってウィーンに入ってきたのは。
目立つ女ではあった。
薄汚れたフードと外套を羽織っていても、その美しさと愛らしさは零れ出てくるようだ。
彼は女の姿にみとれた。
何より、家族や村人らが一団になってやって来ることが多い中、不思議なことに彼女は一人であった。
誰をも寄せ付けぬように全身を強張らせる様子は不審よりも哀れを誘うものである。
ウィーンという堅固な要塞都市に辿り着いた安堵すら感じさせない。
市壁の全容を見るために顔をあげることすらしなかったのだから。
いくら何でも彼女が美人だから手を出したわけではない。
避難民は、市門を抜けウィーンの街に入るように誘導される。
神聖ローマ帝国の首都は石畳にきめ細かく覆われた壮麗な城塞都市である。
通り沿いに二階建ての民家と商店が並び、出店がテントを連ねる賑わいの中、エルミアはぽつりと道に立ち尽くしていた。
避難民はまず街の広場(アム・ホーフ)に集められ、家族単位で教会などの避難所を割り振られる。
旅装のまま行列に並んだ彼女は、落ち着かないという様子で周囲に視線を走らせていた。
そして多くの避難民と、それに対応するための兵士らの中からウィーン防衛司令官の姿を見付けるなり、パッと顔を輝かせたのだ。
何事か呟いてこちらに駆け寄ってくる。
兵や側近らの制止も振り払うほどの勢いで。
もちろん戸惑いはあった。
だが「お会いしたかったです」と嬉しそうに自分を見上げる美女の視線にぐらついてしまったことを責められるいわれはあるまい。
その日のうちに、彼は誘われるがままに彼女を抱いた。
以来、可愛くてずっとこの王宮の私室に置いている。
エルミアと過ごしてきた時間は、僅か数週間ほどのものであった。
彼は己の仕事に勤しむ間の、ほんの少しの隙間をエルミアとここで過ごしている。
若い娘に翻弄され、慰められ、時にこうやって怒りを掻き立てられながら。
でも最後は柔らかな胸に顔を埋めれば心は安らぎに満たされる──そう分かっていた。だから、今回もきっと──。
「エルミア、もう止そう。こんなことがしたいんじゃない。お前の目的が何であっても、俺は咎めたりはしない。この街で無事にいてほしいだけなんだ」
クスリ。
今度は失笑。
女は唇の端を歪めた。
「閣下は甘くていらっしゃる。そう、さっき食べたガレットよりもずっとね」
「エルミ……何故?」
腹にチクリと痛みを感じて、彼は視線を落とす。
そして眼を見開いた。
鋭い三日月を思わせる銀色──短剣だ。
それが己の腹に突き立っているではないか。
簡素な彫刻が施された柄に添えられているのは白い指。
色が変わるくらい強く握り締め、その指先はすでに青紫に変じていた。
「ご、ごめんなさい、閣下。こんなこと、本当はしたくなかった。だって、わたくしは本当に閣下のことを……」
震える唇から漏れる荒い息。
途切れ途切れの言葉。
「あっ」と彼女が小さく声をあげた。
男の腹に突き立てたナイフの柄に、信じられないくらいの反動を感じたのだ。
「エルミア……お前、オスマンの間者だったのか」
意外なほどに力強い男の声。
エルミアが顔を上げた瞬間。
勢いよくナイフが弾かれる。
若いころから戦場に慣れ、行軍と夜営、そして戦闘を繰り返してきた身体は筋肉に覆われていた。
か弱い女の力で押し込まれた細いナイフの侵入など許す隙はない。
腹に挿しこまれた細い刃先を止め、押し戻したのだ。
抜けた刃が、敷物の上に音もなく落ちる。
「くっ!」
それを拾おうと屈みこんだエルミアの目の前で、ナイフは蹴り飛ばされた。
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空も裂けよとばかりに、女が吠える。
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