星降る世界で君にキス

コダーマ

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【2.砕け散る星】彼のことば

彼のことば(4)

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 常とは異なる部屋の様子に、彼が用心しているのは分かった。
 なので、尚のこと星歌としてはいたたまれない思いである。

「あのぅ……」

「黙って、星歌」

 玄関に置いてある傘の柄を握りしめる行人。

「あのぅ、違うんだよ……」

「何がっ?」

「私、出かけるとき電気消した記憶……ない」

 フウッと息を吐く気配。
 星歌の目の前で強張っていた肩から、力が抜けたのが分かった。

「朝だから部屋は明るかったんだ。でもこっちのキッチンは暗かったから、たしか電気つけたと思う。けど、消したかと言われたら……多分消してない。いや、絶対消してない」

「姉ちゃんーー…………」

 長くのびる語尾に思いを込めたか。ゆっくりと息を吐く行人。
 武器にと手にしていたものを傘立てに丁寧に戻し、彼はスニーカーを脱いだ。
 念のため、狭いキッチンスペースと部屋を確認してから星歌を手招きする。
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