星降る世界で君にキス

コダーマ

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【1.運命のキスは星のみちびき? 】もはや異世界しかない!

もはや異世界しかない!(10)

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「……載ってたんだ」

「何の話?」

 さめざめと泣きながら星歌、先を続ける。

「載ってた、私の家、大島てるに……」

「あぁ……」

 それが、今朝のできごと。

「俺もお母さんから聞いておかしいとは思ってたんだ。ずいぶん家賃が安いなって。即決する前に相談してくれれば……」

 もうあの部屋には戻れないよ……そう呟いてうなだれる星歌に向かって「それで? 出たの?」と実に無神経な質問を投げかける行人。

「出てないなら平気だろ? 姉ちゃん、ずぶといし」

「ヤだよ、ヤだよ。事故物件と知った以上、もうムリだよ。オシャレの極みと思ってた壁紙のマーブル模様が、もはや人の顔にしか見えなくなったもん」

 まさか、今日からうちに居座る気なんじゃ……と呟いて目を見開く義弟。
 そんなの軽くスルーして、彼女は最悪な一日に降りかかった次なる災厄の話にうつる。
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