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行きずりの夜
幼馴染(2)
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美奈子はヤスヒロ君と、美幸は康平君と、どこへ行ったかは概ね察しが付いていた私と雄大君。それが頭に過るからか、二人はだんだん言葉少なにタバコを吸ったり、残った食べ物を摘んだりしていました。
その沈黙に耐えられなかったのか、雄大君がタバコを揉み消し、
「佳奈は、彼氏はおるん?」
と訊いてきました。
「居たけど、ちょっと前に別れちゃった。雄大君は?」
「お、俺は……おらんよ」
「そうなんだ……」
そしてまた沈黙になり、二人は何にも言えずにいました。すると、お店の方がやって来て、「そろそろラストオーダーです」と言って去っていきました。3時間の飲み放題で予約していて、時刻は22時になろうとしていました。
「そろそろ、俺たちも出る?」
(俺たちも)
雄大君なりのお誘いだったのでしょう。私は頷いて雄大君の後を付いて行きました。
お店を出て左へ行くとラブホテル街ですが、雄大君は右の駅に向かって歩き始めました。このシチュエーションでこのまま帰るなんて……ちょっぴり期待していた私は我慢できませんでした。
「雄大君、こっち行こ」
私は彼の腕を掴み、くるりと向きを帰ると、遠くに見えるネオンの方へ歩き始めました。
緊張しているのか、雄大君の顔は今まで見たことのないような硬い表情をしていました。母性本能でしょうか? 私は雄大君が凄く可愛らしく見え、ちょっぴりイタズラ心が湧いてきました。
「美奈子と美幸たちを探してみようよ」
そう言って、3件のラブホテルが並ぶ通りまで歩き、一番手間の入口に入って行きました。
「か、佳奈……おいっ」
慌てて足を止める雄大君に振り向いて、私はニッコリ笑って言いました。
「追跡調査、スタート!」
そうして二人はラブホテルの中へ入って行きました。
続
その沈黙に耐えられなかったのか、雄大君がタバコを揉み消し、
「佳奈は、彼氏はおるん?」
と訊いてきました。
「居たけど、ちょっと前に別れちゃった。雄大君は?」
「お、俺は……おらんよ」
「そうなんだ……」
そしてまた沈黙になり、二人は何にも言えずにいました。すると、お店の方がやって来て、「そろそろラストオーダーです」と言って去っていきました。3時間の飲み放題で予約していて、時刻は22時になろうとしていました。
「そろそろ、俺たちも出る?」
(俺たちも)
雄大君なりのお誘いだったのでしょう。私は頷いて雄大君の後を付いて行きました。
お店を出て左へ行くとラブホテル街ですが、雄大君は右の駅に向かって歩き始めました。このシチュエーションでこのまま帰るなんて……ちょっぴり期待していた私は我慢できませんでした。
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「か、佳奈……おいっ」
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そうして二人はラブホテルの中へ入って行きました。
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