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エリートは迷わず勇者でなく魔王を選んだようです。

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――と、言う訳で俺は今ここにいる。


「ぇぇーーーーー!!!!!!!!!」

それにしても無駄に長い叫び声だったな、お前が無駄にした時間で俺は現在までの事情を説明する事ができたぞ。

「ゆ、勇者様!?先程のお言葉は間違いですよね!?そうです!きっとこの状況に驚き、混乱されているのだわ!そうよミレーヌ、きっと」

混乱しているのはお前だ。

「あの、もしやとは思いますがまだこの茶番を続けられるおつもりでは無いですよね?話を進めて下さい」

わっ!?目に光が戻った。それも尋常もない数の・・・この世界では、眼球にLEDが埋め込まれて生まれてくるんだろうか・・・?

「ええ!!勿論ですわ!本来でしたら騎士長より直々に武芸を伝授し、弱い魔物から順に経験を積まれ、我が国伝わる最高の武具を身に着けて頂く所なのですが、状況が状況ですので・・・まずは城内の敵をチャチャっと」

「いや、俺の話聞いてました?『断る』って、3ページで言いましたよね?時間が」

「いぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

勿体ないので・・・早く、この状況を・・・

「姫様!!!!!!!」

あぁ、流石俺!なんてついているんだ。
これでこの使えないデク人形との無駄な会話とはもうおさらばだ。

「えへん、えーお見受けしたところ位の高い騎士殿のようですが、現在の状況を端的に説明願えますか?」

「はっ!本来でしたら姫様よりお話になる事ですが、状況が状況ですので、この騎士長バルド僭越ながら勇者様へこの国の現状況を述べさせて頂きます。
我が国は西の国、聖アリステリア王国、我が国はとても豊かで平和な国でした。
しかし、突如として東の山魔界に住む忌々しい魔族達が大群で進行を始め、北の城クランティーノ公国、南の壁ドロレス帝国共に陥落。生き残った僅かな人々は皆、この聖アリステリア王国に受け入れましたが、等々この国も魔族共に襲われ、必死の抵抗虚しく現在城の中にまで敵の侵入を許してしまった状況です」

、と俺は言ったよな?ここの奴らは皆人の話を聞かないのか!!
まぁいい。状況は完璧に理解した。
この女のせいで再度検討してみたが、やはり無意味な時間だった。
本来なら3ページまでで終わった事案だぞ、この俺を煩わせおって!!
俺の選択は何も間違えてはいない。

「成程、少し前に流行った異世界召喚というジャンルのファンタジーを軸として差し支えない世界だ。なら話は早い、俺は魔族側につく」

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