渡り廊下の恋

抹茶もち

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番外編

【初夜編】温泉宿で⑦

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 しばらく蓮先輩に後ろから抱えられたままチャプチャプと温泉を楽しんだ。楽しかった温泉街の散策の話とか体育祭の思い出話とか、蓮先輩との会話は途切れる事は無かった。

 ───ほかほかに温まった頃。

 「露天風呂はあとででも良いか?結翔の事、愛したい」

 僕の首筋にチュッてキスを落としながらストレートにそう言う蓮先輩。さっきまでの楽しい雰囲気は一気に霧散して甘い空気に書き換えられる。
 ついに僕、蓮先輩と初えっちしちゃうんだ・・・ってドキドキしながらコクリと頷くと、ありがとう、じゃあ準備しようかって。


 「あ、あの・・・、さっきちゃんと準備、しました・・・。だからもう、そのままえっちしても大丈夫、です・・・」


 恥ずかしいけどちゃんと言わなきゃって、少し俯いたまま蚊の鳴くような声で自己申告したんだけど。


 「ココ、1人で綺麗にしてくれたの?」



 くるりと身体を蓮先輩の方に向けられ、目線を合わせるように顎を固定されながらお尻の蕾をトントンとノックされる。視線を合わせたいつもと違う蓮先輩のギラギラとした熱の籠った瞳に身体がふるりと震えた。


 「僕、蓮先輩に処女ちょうだいって言われるまで、その・・・お尻にい、入れて繋がれるの、知らなくて。調べたら繋がるには準備しないとって書いてあったから・・・。僕だって蓮先輩と、繋がり、たくて・・・、だから・・・その・・・」


 恥ずかしすぎて途中から自分が何言ってるのか分からなくなりつつも一生懸命言葉を紡いでいると、ちゅ、と甘やかすようなキスを落とされる。


 「・・・ありがとう、結翔。すげぇ嬉しい。でも今度は準備から全部俺にさせて?」


 甘えるように額同士をコツンと合わせて小さな声でそう言う蓮先輩。


 「へ・・・?で、でも、汚い、し」

 「汚くなんてない。なぁ、お願い。結翔が気持ちよくなる為の準備から全部、俺がやりたいんだ」


 ぎゅって抱きしめられて、耳元で甘く甘く囁かれる。蓮先輩の声に弱い僕はふにゃん、って体から力が抜けちゃって、気付いたら頷いちゃってたみたい。


 「ありがとう!約束、な?」


 あまりにも嬉しそうな蓮先輩に、やっぱり嫌だなんて言えなくて。蓮先輩の肩口にぐりぐりと額を擦り付けた後、コクリ、と小さく頷いた。



 上機嫌になった蓮先輩に脱衣所まで姫抱っこされて、そのまま身体を拭かれて浴衣を着せられた。
 ・・・パンツは履かせてもらえなかったけど。どうせすぐ脱ぐからって。ノーパンってなんかソワソワするんだね。


 なんてソワソワしてたらいつの間にか蓮先輩も浴衣を着ていて。手招きされて近付くと椅子に座らされてドライヤーをかけてくれた。
 人に髪を乾かしてもらう事なんて美容院くらいしか経験が無かったけど、蓮先輩の手が優しくてノーパンなのを忘れてなんだか安心してしまう。気持ちいい。


 僕の髪の毛が乾いた後、僕も蓮先輩の髪の毛を乾かさせてもらった。蓮先輩の髪の毛、サラサラだしすごく綺麗だから1度は思う存分触れて見たかったのだ。ドライヤーなんて最高の機会だよねっ!

 ニコニコしながら僕にも蓮先輩の髪の毛乾かさせてくださいっ!って言った時、え?って驚いてた蓮先輩も可愛かったけど、ドライヤーをしている間気持ちよさそうに目を瞑ってされるがままになってくれている蓮先輩もレアで可愛い・・・!

 蓮先輩の髪の毛を乾かす事が出来て僕はとっても満足ですっ!もし・・・もし、2人とも大学生とかになってひとり暮らしとか始めたりしたら、普通の時もこんな風に髪の毛乾かしっことか出来ちゃうのかな!?なんて随分先のことを妄想してニヤけちゃったのは蓮先輩には内緒です!



 そうして2人とも髪の毛を乾かし終わった後、蓮先輩に右手を握られてお布団へ連れて行かれた。僕をお布団の上に座らせて、ちょっと待ってて?って言った蓮先輩は少し先にある冷蔵庫から1本ミネラルウォーターを持って来て。

 喉乾いたのかな?って思いながらなんともなしに見ていると、蓮先輩はごくごくと少し自分で飲んだ後隣に座って僕の頬に手を添えた。


 「結翔、口、開けて?」


 スリッと親指で下唇を撫でながらそう言われて、言われるままにパカりと口を開ける。すると蓮先輩は水を口に含んでそのまま僕の口へキスを落として。
 飲みやすいようになのか、少しずつ蓮先輩のお口から流れ落ちてくるお水をコクリ、コクリ、と飲み込むと蓮先輩の目がいい子って言ってくれる時みたいに細まった。それが嬉しくて、蓮先輩のお口から落ちてくるお水が無くなるまで一生懸命与えられるお水を飲み込んだ。



 「ん・・・、もっと、飲むか?」


 唇をペロリと舐めながらそう言う蓮先輩は色気が凄くって。僕は飲み物よりも蓮先輩が欲しくなってしまった。


 「んーん・・・、それよりもっとちゅーしたいです・・・」


 トロリと溶け出す思考をそのままに言葉を紡ぐと、蓮先輩の瞳の熱が強くなった気がした。


 「あぁ・・・、喜んで」


 そう艶やかに笑んだ蓮先輩は、頭を打たないようにと後頭部に手を添えてそのまま優しく僕を押し倒して。


 瞳の熱を燃え上がらせたまま僕に覆い被さり、甘い、甘いキスの続きを落としてくれた。


 
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