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愛してる
愛してる
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「はい、ココ座って」
「はい、お茶飲んで1回落ち着け」
いつの間にやら蓮先輩のお家に連れ帰られて、あれよあれよと言う間に蓮先輩のお部屋のベットの上に座らされてお茶を握らされる。
何が起こってるの?
なんて困惑しつつ、僕の体は蓮先輩の言う通りに握ったお茶に口をつける。あ、美味しい。
「・・・はふぅ。美味しいです」
「ん、良かった。んで?ちょっとは落ち着いた?」
「は、はい。すみません、びっくりしちゃって」
「いーよ。ここまでの道中、色々思い返してみたけど俺も言葉が足りなかったんだなって反省したわ」
「え?いや、蓮先輩は悪くないです!」
「んーん、ちゃんと言葉にしていかないと結翔には伝わんねぇって分かったから。これからはちゃんと全部口に出す事にした」
優しい目でそう言った蓮先輩は、僕の真前で床に膝立ちして僕を見上げて。
ぎゅって僕の両手を蓮先輩の両手で包み込んだ。
「結翔、愛してる。俺の恋人になってくれる?」
蓮先輩が、僕を・・・?あい、してるって、言った?
ブワリとお腹の底から込み上げてくる何かが目元をジンワリと濡らしていく。
「は・・・はいっ!ぼく、ぼくも、蓮先輩、がっ!だい、だいすき・・・愛してますぅ・・・!」
ポロポロと目元から流れ落ちていく僕の嬉しいって気持ちを隣に座り直した蓮先輩がちゅっちゅ、って吸い取ってくれる。
「ありがとう、結翔。ペットだって思ってたなら辛い時もあっただろう?それでも俺の事好きで居てくれてありがとう。これからはそんな勘違いする暇も無いくらいちゃんと言葉にして伝えるし一生大事にするから、一生俺のそばに居て?」
そんな優しくて甘い言葉を言われて、僕の目元はさらに大渋滞。
「ひっく・・・、う、うぅ・・・、ん、んっ!」
ボロボロに零れ落ちて、しゃくり上げることしかできない僕は、それでも僕の気持ちがちゃんと伝わって欲しいって一生懸命コクコクと頷き続けた。
「はは・・・っ!嬉しい。ありがとう、結翔。でもそんな頭振ったら痛くなるから、な?ほら、落ち着いて」
しゃくりあげながら必死で頷き続ける僕の頭を胸元に引き寄せて、よしよしって、良い子だなって囁きながら頭を撫でてくれる蓮先輩。
その温かさといつもより早い心音が夢じゃないよって言ってくれてるみたいで、余計に泣いてしまったんだけど。
そんな僕が泣き止むまでずっとあやす様に抱きしめて頭を撫でてキスを落とし続けてくれた蓮先輩。もー、本当にだいすきぃ。
「結翔、時間大丈夫か?結構時間経っちまったけど・・・家は大丈夫か?」
「・・・はっ!そうだ!晩御飯!」
「ごめんな、俺が何も聞かずに連れかえっちまったから・・・」
「えっ!?蓮先輩は悪くないですっ!蓮先輩のお家に連れてきてもらえて僕はすっごく嬉しいんですよっ!」
「そっか・・・。よかった。結翔ならいつでも来ていいからな?っつーかむしろたくさん来て?」
「いいんですか!?やったーっ!嬉しいですっ!」
「あぁ。結翔は俺のたった1人の大事な恋人だからな」
「こ・・・恋人・・・えへへ・・・っ」
「あー・・・可愛い。帰らせたくねー・・・」
「へ!?」
「・・・・・・ちゃんと今日は帰すよ。大丈夫。でも夏休み、俺に時間ちょうだい?一緒に旅行行こう?」
「蓮先輩と旅行ですか!?え、嬉しいっ!行きたいですっ!」
蓮先輩と旅行だって!
ずっと大好きだった蓮先輩と恋人になれて、夏休みの旅行まで約束できて・・・今日はなんていい日なんだろう・・・!
なんて浮かれてたら。
僕の顎をクイってして視線を固定させた蓮先輩が、少し意地悪な笑みを湛えて。
「その旅行は覚悟、してこいよ?」
「かく、ご・・・?」
「ん、俺に結翔の処女、ちょうだい?」
そう言った蓮先輩の瞳の奥にドロリとした熱を感じて。
・・・・・・ショジョ?しょ、処女!?
僕、男の子だけど!?
ボンって真っ赤になった僕の顔を満足そうに見ていた蓮先輩は、僕の返事を待たずに深い深いキスを落として僕の頭をトロトロにしてしまった。
───両親みたいな幸せなパートナーを作るのは難しいだろうなぁって心のどこかで諦めていた僕が、大好きな人と両思いになってこんなに幸せな気持ちにしてもらえるなんて、あの頃の僕に言っても信じてもらえないんだろうな。
でもあの日渡り廊下で蓮先輩に出逢えなかったら、きっとこんなふうにはなれていなかったから。
あの日渡り廊下を通った僕、グッジョブ!だねっ!
────────────
ここでひとまず完結となります!
長らくお付き合い頂きありがとうございましたm(__)m
読んでくださった方に特大の感謝を。
蓮先輩との初夜♡は番外編としてまた投稿したいと思いますので、その時はまた読んでいただけると嬉しいです。
それではまた!
「はい、お茶飲んで1回落ち着け」
いつの間にやら蓮先輩のお家に連れ帰られて、あれよあれよと言う間に蓮先輩のお部屋のベットの上に座らされてお茶を握らされる。
何が起こってるの?
なんて困惑しつつ、僕の体は蓮先輩の言う通りに握ったお茶に口をつける。あ、美味しい。
「・・・はふぅ。美味しいです」
「ん、良かった。んで?ちょっとは落ち着いた?」
「は、はい。すみません、びっくりしちゃって」
「いーよ。ここまでの道中、色々思い返してみたけど俺も言葉が足りなかったんだなって反省したわ」
「え?いや、蓮先輩は悪くないです!」
「んーん、ちゃんと言葉にしていかないと結翔には伝わんねぇって分かったから。これからはちゃんと全部口に出す事にした」
優しい目でそう言った蓮先輩は、僕の真前で床に膝立ちして僕を見上げて。
ぎゅって僕の両手を蓮先輩の両手で包み込んだ。
「結翔、愛してる。俺の恋人になってくれる?」
蓮先輩が、僕を・・・?あい、してるって、言った?
ブワリとお腹の底から込み上げてくる何かが目元をジンワリと濡らしていく。
「は・・・はいっ!ぼく、ぼくも、蓮先輩、がっ!だい、だいすき・・・愛してますぅ・・・!」
ポロポロと目元から流れ落ちていく僕の嬉しいって気持ちを隣に座り直した蓮先輩がちゅっちゅ、って吸い取ってくれる。
「ありがとう、結翔。ペットだって思ってたなら辛い時もあっただろう?それでも俺の事好きで居てくれてありがとう。これからはそんな勘違いする暇も無いくらいちゃんと言葉にして伝えるし一生大事にするから、一生俺のそばに居て?」
そんな優しくて甘い言葉を言われて、僕の目元はさらに大渋滞。
「ひっく・・・、う、うぅ・・・、ん、んっ!」
ボロボロに零れ落ちて、しゃくり上げることしかできない僕は、それでも僕の気持ちがちゃんと伝わって欲しいって一生懸命コクコクと頷き続けた。
「はは・・・っ!嬉しい。ありがとう、結翔。でもそんな頭振ったら痛くなるから、な?ほら、落ち着いて」
しゃくりあげながら必死で頷き続ける僕の頭を胸元に引き寄せて、よしよしって、良い子だなって囁きながら頭を撫でてくれる蓮先輩。
その温かさといつもより早い心音が夢じゃないよって言ってくれてるみたいで、余計に泣いてしまったんだけど。
そんな僕が泣き止むまでずっとあやす様に抱きしめて頭を撫でてキスを落とし続けてくれた蓮先輩。もー、本当にだいすきぃ。
「結翔、時間大丈夫か?結構時間経っちまったけど・・・家は大丈夫か?」
「・・・はっ!そうだ!晩御飯!」
「ごめんな、俺が何も聞かずに連れかえっちまったから・・・」
「えっ!?蓮先輩は悪くないですっ!蓮先輩のお家に連れてきてもらえて僕はすっごく嬉しいんですよっ!」
「そっか・・・。よかった。結翔ならいつでも来ていいからな?っつーかむしろたくさん来て?」
「いいんですか!?やったーっ!嬉しいですっ!」
「あぁ。結翔は俺のたった1人の大事な恋人だからな」
「こ・・・恋人・・・えへへ・・・っ」
「あー・・・可愛い。帰らせたくねー・・・」
「へ!?」
「・・・・・・ちゃんと今日は帰すよ。大丈夫。でも夏休み、俺に時間ちょうだい?一緒に旅行行こう?」
「蓮先輩と旅行ですか!?え、嬉しいっ!行きたいですっ!」
蓮先輩と旅行だって!
ずっと大好きだった蓮先輩と恋人になれて、夏休みの旅行まで約束できて・・・今日はなんていい日なんだろう・・・!
なんて浮かれてたら。
僕の顎をクイってして視線を固定させた蓮先輩が、少し意地悪な笑みを湛えて。
「その旅行は覚悟、してこいよ?」
「かく、ご・・・?」
「ん、俺に結翔の処女、ちょうだい?」
そう言った蓮先輩の瞳の奥にドロリとした熱を感じて。
・・・・・・ショジョ?しょ、処女!?
僕、男の子だけど!?
ボンって真っ赤になった僕の顔を満足そうに見ていた蓮先輩は、僕の返事を待たずに深い深いキスを落として僕の頭をトロトロにしてしまった。
───両親みたいな幸せなパートナーを作るのは難しいだろうなぁって心のどこかで諦めていた僕が、大好きな人と両思いになってこんなに幸せな気持ちにしてもらえるなんて、あの頃の僕に言っても信じてもらえないんだろうな。
でもあの日渡り廊下で蓮先輩に出逢えなかったら、きっとこんなふうにはなれていなかったから。
あの日渡り廊下を通った僕、グッジョブ!だねっ!
────────────
ここでひとまず完結となります!
長らくお付き合い頂きありがとうございましたm(__)m
読んでくださった方に特大の感謝を。
蓮先輩との初夜♡は番外編としてまた投稿したいと思いますので、その時はまた読んでいただけると嬉しいです。
それではまた!
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