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え、嫌ですけども
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───両親の出会いは母親が働いていたスナックだったらしい。
仕事の都合で日本に来ていた外国人・・・それが俺の父親。
大層顔が良かったらしい父親に母親は一目惚れ。どうしてもソイツが欲しくなった母親は積極的に押して押して押しまくった。
その猛アタックに俺の父親らしいその男は据え膳食わぬはなんとやら、って感じでペロリといただいてしまった。
だがしかし母親は典型的な『男が居ないとダメな女』だったのでその時にはまだ別の男とも付き合いを続けていたらしいが、体の関係を持った事で恋人になれたと浮かれて別の男をポイっと捨てて俺の父親にのめり込んだ。
まぁ話を聞く限り父親の方は頼まれたから抱いてやってる都合のいい現地の女くらいの認識で、恋人だなんてこれっぽっちも思っていなさそうだったけど。
浮かれて頭に花畑咲かせた母親はそれからも夢中になって何度も何度も体を重ねて・・・しかし男は仕事の都合で日本に居るだけでいつかは国へ帰ってしまう。
その時にあっさり捨てられてしまわないかと不安になったらしい母親は何をトチ狂ったか男に気付かれないようにゴムに穴を開けるようになったらしい。
「子供さえ出来てしまえば傍に居てくれると思った」というのは俺の母親談。
そんなこんなで出来たのが俺。
母親は嬉々として男に報告したらしい。「あなたの赤ちゃんができたの!これでずっとそばに居られるわよね!」
・・・・・・思い返せば返すほど思うんだが、おれの父親は言わずもがなクズだけど俺の母親も結構やばい女じゃね?こんなのが両親とかホラーじゃん?
まぁいいや。それよりもそれを聞いた父親の方だが。
「・・・そう。君が産みたいのなら産んでくれ。いくら必要かな」ってニッコリ笑って言われたらしい。
普通に考えたらこの男やべぇって思うだろう?とりあえず金で解決しようって思ってるの丸わかりだし、こんなの愛とか皆無な返答じゃね?でも俺の母親もやべぇからさ、何故かそれを都合よく誤変換して受け取ったらしい。
「私の為にお金を惜しまないなんて・・・!私ってすごく愛されてるのねっ!」
いやまじなんでそうなった?怖すぎる。
でもまぁ実際に男は惜しみなく金を出してくれて、子供に苦労させる気は無いよとか言ってセキュリティがしっかりした豪華と言えるマンションも用意してくれた。それが今俺が実質1人暮らしのように使っている部屋。
ちなみに苦労させる気が無いと言っていたらしい父親は俺の事を自分の子供だと認知していてココの家賃も支払い続けてくれているらしい。
まぁそうじゃなきゃ母親やまだ学生の俺じゃここの家賃なんて払えないし、今頃さっさと追い出されてただろうな。
それからすぐ男は帰国しなければならないと母親に別れを告げたんだけど。
どうして帰ってしまうのか、このマンションで一緒に暮らすのでは無いか、この子は貴方の子なの、せめて籍を入れてから!とかなんとか騒ぐ母親を男は抱き締めて濃厚なキスをしたらしい。
「また日本に来る予定だから」
ただ事実を言っただけ。あまぁい雰囲気で誤魔化した感満載。
なのに母親はそれで誤魔化された。待ってるから・・・!って。
そうして母親は本当に俺を産んだ。
すると養育費と銘打った過分なほどの金が口座に振り込まれるようになる。誰も父親に連絡などしていないのに、だ。
しばらくはそのお金に男の愛情を感じたらしいやべぇ母親は大人しく俺を育ててくれた。しかし母親は『男が居ないとダメな女』だ。そばに居てくれない男だけじゃ寂しくて堪らなかったらしい。
俺が小学生になる頃には他の男を見つけたのか夜中に家に帰ってくるだけになり、いつの間にか飯用のお金が置いてあるだけになっていた。勝手に食えと言うことらしい。
しかし小学校で必要な物を用意できなくて不審に思った教師から児相にでも連絡が行ったら困るとでも思っていたのか、まだある程度接触はあったんだ。
例えば小学校で必要なものはメモに書いたりして学校から配られるプリントと一緒に机に置いておけば、期日までにいつの間にか必要な物を用意してくれていてプリントの代わりのように机に置いてあったから特に困った事は無い、みたいにな。
・・・・・・それが良い事かどうかは別として、な。
中学に上がった頃にはそれすらなくなり、今まで飯代だけは忘れず置いてくれていた程度に俺の存在を覚えていた筈の母親がスッカリ帰って来なくなって、残り少ない金で日々の飯をどうしていこうかと途方に暮れそうになった。
そしたら急にピンポンが鳴ったかと思ったらポストに俺名義の新しい通帳と「息子の貴方が受け取るべきお金です。きちんと使ってご飯を食べてください」と書いてあるメモが入っていた。
ドアの外には誰も居なくて中学生になったばかりの俺はちょっとビビったけど、まぁいいかとありがたくそのお金を使い始めた。飯食えねぇと死ぬしな。
それ以降父親は養育費らしいお金をその通帳に入れることにしたらしい。さすがに中学生ではバイトが出来なかったから正直助かったけど、あのタイミングの良さは絶対に監視されてるよなぁと思う。まぁ俺としては監視されてようが害が無ければ別にどうでもいいかなと。金出して貰えたから母親不在な子供でもなんとか普通?に生きてこれたんだし。なんならあの時通帳をポストに入れてもらえなかったら飢え死にしてた可能性すらあるし監視してくれててありがとなって言いたいくらいだ。
でもなんとなくその金に頼りっぱなしになるのは癪に障るから高校に入った瞬間からバイト始めたんだけどな。
母親はといえばどっかの男にドップリなのか帰ってこなくなってから全く会ってない。なんなら顔もうろ覚えだし・・・それに別に今更話すことなんてねぇし気にしてない。
ちなみになんで俺が両親の馴れ初めなんて知っているかといえば、幼少期に母親がずっと俺に話し続けていたからだ。子供になんて話してんだよって感じだけど。
その頃の母親はまだ心の何処かで男の事を待っていたんだろうな。自分にも言い聞かせるようにお前のお父さんは私の事をすごく愛しているのよ。彼と出会ったのはね・・・って。
今でも覚えてるくらいだから相当の執念を持って永遠と話して聞かせてたんだろうな。怖すぎるわ。でもそのおかげで自分の父親がそんな奴だって知ってたから、突然与えられたちょっと引く程の金額が毎月振り込まれる通帳をちょっとビビったくらいで使う気になれたんだろうから良かったって事にしよう。
まぁそんなふうに育った俺はどっかがぶっ壊れていてだいぶ捻くれてる自覚はある。
父親は生きるのに問題ないように金を出してくれている事、母親は乳飲み子の時に捨てなかった事くらいは感謝しているが、父親が誰かだとか俺の事をどう思っているかだとか、母親が今どこの誰とどうしてるかとかそういう気持ち・・・というかアイツらに対しての期待みたいなもんは割と早いうちに丸ごと綺麗さっぱり捨て去ったから今では割とどぉでもいいんだよな。
俺にその他の親族が居るのかも興味がねぇ。父親以上に今まで存在すら感じた事ねぇしな。
成長してから俺に擦り寄って来た奴らは父親に似たらしい俺の外面しか見てねぇし、なにより人の事アクセサリーかなんかだと思ってるやつになんて興味もわかねぇ。
あ、蜜樹は例外かな。アイツはあのキャラと人当たりの良さでうまく隠しているがアイツも相当捻くれてる。ベクトルは違うけど俺と同族だからか割と気が合うんだよな。じゃなきゃうぜぇって言いながらも一緒に居たりしねぇし。
・・・そんな事面と向かって言ったら反応がダルイから本人にはぜってぇ言わねぇけど。
ま、基本的に上部だけで適当に流してきた人生だ。自分でも人類に興味が無さすぎるのかもってちょっと思ってた。
でも結翔だけは別だ。全部がどうでも良かった俺の冷え切っていた心を温めてくれた唯一の大切な人間。俺は「温かい愛」なんてもんを受け取った記憶がねぇからどうやってこの気持ちを伝えて、どうやって相手に愛を渡したら良いのかもよく分んねぇ。
でも結翔に俺の隣でずっと幸せそうに笑っててもらいてぇから、分かんなくてもどうしたら良いか必死に考えなきゃいけねぇ。結翔にはなんだってしてやりてぇんだ。
ま、なんかちょっと話がずれた気がするけど・・・そういう訳で俺には学校行事やらなんやらの際に何かをしてもらった記憶が無いもんで、こういう時何をしたら嬉しいのかとかよくわかんねぇんだよな。
ウンウンと頭を悩ませてみたけど分からねぇもんは仕方ねぇ。
とりあえず困った時のネット様で調べるかなぁ、と携帯と長時間睨めっこしてたどり着いたのが「檸檬の蜂蜜漬け」だったんだ。
仕事の都合で日本に来ていた外国人・・・それが俺の父親。
大層顔が良かったらしい父親に母親は一目惚れ。どうしてもソイツが欲しくなった母親は積極的に押して押して押しまくった。
その猛アタックに俺の父親らしいその男は据え膳食わぬはなんとやら、って感じでペロリといただいてしまった。
だがしかし母親は典型的な『男が居ないとダメな女』だったのでその時にはまだ別の男とも付き合いを続けていたらしいが、体の関係を持った事で恋人になれたと浮かれて別の男をポイっと捨てて俺の父親にのめり込んだ。
まぁ話を聞く限り父親の方は頼まれたから抱いてやってる都合のいい現地の女くらいの認識で、恋人だなんてこれっぽっちも思っていなさそうだったけど。
浮かれて頭に花畑咲かせた母親はそれからも夢中になって何度も何度も体を重ねて・・・しかし男は仕事の都合で日本に居るだけでいつかは国へ帰ってしまう。
その時にあっさり捨てられてしまわないかと不安になったらしい母親は何をトチ狂ったか男に気付かれないようにゴムに穴を開けるようになったらしい。
「子供さえ出来てしまえば傍に居てくれると思った」というのは俺の母親談。
そんなこんなで出来たのが俺。
母親は嬉々として男に報告したらしい。「あなたの赤ちゃんができたの!これでずっとそばに居られるわよね!」
・・・・・・思い返せば返すほど思うんだが、おれの父親は言わずもがなクズだけど俺の母親も結構やばい女じゃね?こんなのが両親とかホラーじゃん?
まぁいいや。それよりもそれを聞いた父親の方だが。
「・・・そう。君が産みたいのなら産んでくれ。いくら必要かな」ってニッコリ笑って言われたらしい。
普通に考えたらこの男やべぇって思うだろう?とりあえず金で解決しようって思ってるの丸わかりだし、こんなの愛とか皆無な返答じゃね?でも俺の母親もやべぇからさ、何故かそれを都合よく誤変換して受け取ったらしい。
「私の為にお金を惜しまないなんて・・・!私ってすごく愛されてるのねっ!」
いやまじなんでそうなった?怖すぎる。
でもまぁ実際に男は惜しみなく金を出してくれて、子供に苦労させる気は無いよとか言ってセキュリティがしっかりした豪華と言えるマンションも用意してくれた。それが今俺が実質1人暮らしのように使っている部屋。
ちなみに苦労させる気が無いと言っていたらしい父親は俺の事を自分の子供だと認知していてココの家賃も支払い続けてくれているらしい。
まぁそうじゃなきゃ母親やまだ学生の俺じゃここの家賃なんて払えないし、今頃さっさと追い出されてただろうな。
それからすぐ男は帰国しなければならないと母親に別れを告げたんだけど。
どうして帰ってしまうのか、このマンションで一緒に暮らすのでは無いか、この子は貴方の子なの、せめて籍を入れてから!とかなんとか騒ぐ母親を男は抱き締めて濃厚なキスをしたらしい。
「また日本に来る予定だから」
ただ事実を言っただけ。あまぁい雰囲気で誤魔化した感満載。
なのに母親はそれで誤魔化された。待ってるから・・・!って。
そうして母親は本当に俺を産んだ。
すると養育費と銘打った過分なほどの金が口座に振り込まれるようになる。誰も父親に連絡などしていないのに、だ。
しばらくはそのお金に男の愛情を感じたらしいやべぇ母親は大人しく俺を育ててくれた。しかし母親は『男が居ないとダメな女』だ。そばに居てくれない男だけじゃ寂しくて堪らなかったらしい。
俺が小学生になる頃には他の男を見つけたのか夜中に家に帰ってくるだけになり、いつの間にか飯用のお金が置いてあるだけになっていた。勝手に食えと言うことらしい。
しかし小学校で必要な物を用意できなくて不審に思った教師から児相にでも連絡が行ったら困るとでも思っていたのか、まだある程度接触はあったんだ。
例えば小学校で必要なものはメモに書いたりして学校から配られるプリントと一緒に机に置いておけば、期日までにいつの間にか必要な物を用意してくれていてプリントの代わりのように机に置いてあったから特に困った事は無い、みたいにな。
・・・・・・それが良い事かどうかは別として、な。
中学に上がった頃にはそれすらなくなり、今まで飯代だけは忘れず置いてくれていた程度に俺の存在を覚えていた筈の母親がスッカリ帰って来なくなって、残り少ない金で日々の飯をどうしていこうかと途方に暮れそうになった。
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ドアの外には誰も居なくて中学生になったばかりの俺はちょっとビビったけど、まぁいいかとありがたくそのお金を使い始めた。飯食えねぇと死ぬしな。
それ以降父親は養育費らしいお金をその通帳に入れることにしたらしい。さすがに中学生ではバイトが出来なかったから正直助かったけど、あのタイミングの良さは絶対に監視されてるよなぁと思う。まぁ俺としては監視されてようが害が無ければ別にどうでもいいかなと。金出して貰えたから母親不在な子供でもなんとか普通?に生きてこれたんだし。なんならあの時通帳をポストに入れてもらえなかったら飢え死にしてた可能性すらあるし監視してくれててありがとなって言いたいくらいだ。
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母親はといえばどっかの男にドップリなのか帰ってこなくなってから全く会ってない。なんなら顔もうろ覚えだし・・・それに別に今更話すことなんてねぇし気にしてない。
ちなみになんで俺が両親の馴れ初めなんて知っているかといえば、幼少期に母親がずっと俺に話し続けていたからだ。子供になんて話してんだよって感じだけど。
その頃の母親はまだ心の何処かで男の事を待っていたんだろうな。自分にも言い聞かせるようにお前のお父さんは私の事をすごく愛しているのよ。彼と出会ったのはね・・・って。
今でも覚えてるくらいだから相当の執念を持って永遠と話して聞かせてたんだろうな。怖すぎるわ。でもそのおかげで自分の父親がそんな奴だって知ってたから、突然与えられたちょっと引く程の金額が毎月振り込まれる通帳をちょっとビビったくらいで使う気になれたんだろうから良かったって事にしよう。
まぁそんなふうに育った俺はどっかがぶっ壊れていてだいぶ捻くれてる自覚はある。
父親は生きるのに問題ないように金を出してくれている事、母親は乳飲み子の時に捨てなかった事くらいは感謝しているが、父親が誰かだとか俺の事をどう思っているかだとか、母親が今どこの誰とどうしてるかとかそういう気持ち・・・というかアイツらに対しての期待みたいなもんは割と早いうちに丸ごと綺麗さっぱり捨て去ったから今では割とどぉでもいいんだよな。
俺にその他の親族が居るのかも興味がねぇ。父親以上に今まで存在すら感じた事ねぇしな。
成長してから俺に擦り寄って来た奴らは父親に似たらしい俺の外面しか見てねぇし、なにより人の事アクセサリーかなんかだと思ってるやつになんて興味もわかねぇ。
あ、蜜樹は例外かな。アイツはあのキャラと人当たりの良さでうまく隠しているがアイツも相当捻くれてる。ベクトルは違うけど俺と同族だからか割と気が合うんだよな。じゃなきゃうぜぇって言いながらも一緒に居たりしねぇし。
・・・そんな事面と向かって言ったら反応がダルイから本人にはぜってぇ言わねぇけど。
ま、基本的に上部だけで適当に流してきた人生だ。自分でも人類に興味が無さすぎるのかもってちょっと思ってた。
でも結翔だけは別だ。全部がどうでも良かった俺の冷え切っていた心を温めてくれた唯一の大切な人間。俺は「温かい愛」なんてもんを受け取った記憶がねぇからどうやってこの気持ちを伝えて、どうやって相手に愛を渡したら良いのかもよく分んねぇ。
でも結翔に俺の隣でずっと幸せそうに笑っててもらいてぇから、分かんなくてもどうしたら良いか必死に考えなきゃいけねぇ。結翔にはなんだってしてやりてぇんだ。
ま、なんかちょっと話がずれた気がするけど・・・そういう訳で俺には学校行事やらなんやらの際に何かをしてもらった記憶が無いもんで、こういう時何をしたら嬉しいのかとかよくわかんねぇんだよな。
ウンウンと頭を悩ませてみたけど分からねぇもんは仕方ねぇ。
とりあえず困った時のネット様で調べるかなぁ、と携帯と長時間睨めっこしてたどり着いたのが「檸檬の蜂蜜漬け」だったんだ。
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