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え、嫌ですけども
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「え~、キミにもお相手いるのぉ~?」
「ぅあっ!みっくん先輩!?離してくださいぃ・・・!」
匠と2人でニマニマしていると、突然視界が真っ暗になって頭上からみっくん先輩の声が聞こえてきた。
突然視界が暗くなった事に驚きつつも、みっくん先輩の悪戯だってすぐに分かったからか意外と冷静でいられた僕だけど、みっくん先輩との距離が近くてなんだかちょっと落ち着かない。
背中にみっくん先輩がピッタリとくっついている状態で後ろから片手で目隠しされていて、もう片手は僕の体に回されてギュッて固定されている。そんでもって僕の頭には多分顎が乗っているんだと思う。なんか重たいもん。
それにみっくん先輩からフワリと嗅ぎ慣れない香水の香りがしてきて。
大好きな蓮先輩の香りじゃない香りに包まれてるのってなんか変な感じ。
違和感が膨らむにつれて蓮先輩にギュッてして大好きなあの香りを胸いっぱいに吸い込みたくなってきてしまう。
どんどん蓮先輩が恋しくなってきちゃうからとりあえずみっくん先輩から今すぐ離れよう!って思ったんだけど。
みっくん先輩、細っこい見た目なのに思ったより力が強い。離れようとモゾモゾ動いても全然!全く!びくともしない!なんで!!
「あ~ぁ。ゆいくんにちょっかい出したら蓮にしばかれるし~、それならゆいくんの友達ならいーんじゃない?名案~!って思ったのにぃ~!ねぇねぇタクちゃん、俺にしなぁい?」
腕の中でモゾモゾ動いている僕を全く歯牙にもかけず何やら話し始めるみっくん先輩。
くそぅ。僕だって男の子なんだぞぅ!負けない!
「タクちゃんて・・・。すみません僕は恋人一筋なんで。遊び相手なら他当たってください。それより現在進行形でゆいにちょっかい出してるじゃないですか。離してください」
「え~!タクちゃん可愛い顔してそっけなぁい!ゆいくんねぇ、なんかモゾモゾしててかぁいいよねぇ!小動物みたいで~!も~っと構いたくなっちゃうよねぇ~!」
「・・・・・・田原先輩に通報しますよ」
「え~?蓮は怪我したクラスメイトの代わりに棒倒しに出ないといけないから今はココに居ないし~。居ないもんは呼べないでしょう~!」
「僕、ゆいに何かあったら田原先輩に通報する係を任命されてるんで連絡先知ってますよ。なので連絡したらイッパツですね。抱きついたなんて知られたらそれこそしばかれるんじゃないんですか?」
「うっそ蓮ってば過保護!!う~ん、それは困っちゃうなぁ。俺も自分の身が可愛いしぃ~、しょーがないから離してあげるぅ」
どうにかすり抜けようとモゴモゴ動き続けていた僕だったけど、全然離れられなくてちょっと疲れてきちゃって。どうしようかなって思っていたあたりで何故かパッと視界が明るくなった。
なんだかよく分からないけどやっと離してもらえたみたい。
「もう!みっくん先輩馬鹿力なんですか!?許可なくこんな事しちゃダメですよっ!」
また捕まえられたらたまったもんじゃない!って匠の腕にギュッて抱きついて半眼でみっくん先輩を見ると、何故か生暖かい視線を向けられる。
「ゆいくんは小動物みたいでほんっと~にかぁいいねぇ~!タクちゃんは塩対応だけど顔がかぁいいし~、2人で並んでると可愛いの相乗効果~!目の保養だねぇ~!」
タクちゃんって・・・匠、だよね?匠が塩対応?こんなに優しい子が??って思わずキョトリとしてしまう。
・・・・・・っていうか!それよりも!全く反省してないなぁ!
「ゆい~、そんな事より田原先輩棒倒しに出るんだって!応援しなきゃね!」
匠の腕に抱き着いたままそんな事を考えていると、匠が僕の顔を覗き込んでそう教えてくれて。
僕の頭はもう一気に蓮先輩でいっぱいになっちゃった。
「え!?そうなの?蓮先輩棒倒しに出るんだぁ!格好いいんだろうなぁ。でも棒倒しって騎馬戦より激しいよね・・・?怪我とかしないといいけど・・・」
「だね。でもゆいがたくさん応援してあげたらきっと大丈夫だよ!───そしたら格好付けたくて頑張るでしょ」
「え?ごめん、最後なんて言ったの?聞こえなかった」
「ん?1番前で応援しなきゃねって言ったんだよぉ!」
「そっかぁ!そうだよね・・・!うん、僕たくさん蓮先輩の応援する!」
「うんうん!」
「おふたりさ~ん?俺の存在忘れてなぁい?」
匠に頭を撫でくり回されていると、後ろから何となく情けない声がしてきて。
あ、みっくん先輩の存在、一瞬忘れちゃってた!って気付いた。
ごめんなさい、僕は蓮先輩の事が絡むとポンコツになっちゃうみたいなんです、なんて思いつつ。
「えへへ?」
「笑って誤魔化すとか~!でも可愛いから誤魔化されてあげるぅ~!」
苦し紛れに笑って誤魔化したら許してもらえたみたい。
許してもらえて良かったけどさ、みっくん先輩の『可愛い』ってちょっと変わってるよねぇ。
「ぅあっ!みっくん先輩!?離してくださいぃ・・・!」
匠と2人でニマニマしていると、突然視界が真っ暗になって頭上からみっくん先輩の声が聞こえてきた。
突然視界が暗くなった事に驚きつつも、みっくん先輩の悪戯だってすぐに分かったからか意外と冷静でいられた僕だけど、みっくん先輩との距離が近くてなんだかちょっと落ち着かない。
背中にみっくん先輩がピッタリとくっついている状態で後ろから片手で目隠しされていて、もう片手は僕の体に回されてギュッて固定されている。そんでもって僕の頭には多分顎が乗っているんだと思う。なんか重たいもん。
それにみっくん先輩からフワリと嗅ぎ慣れない香水の香りがしてきて。
大好きな蓮先輩の香りじゃない香りに包まれてるのってなんか変な感じ。
違和感が膨らむにつれて蓮先輩にギュッてして大好きなあの香りを胸いっぱいに吸い込みたくなってきてしまう。
どんどん蓮先輩が恋しくなってきちゃうからとりあえずみっくん先輩から今すぐ離れよう!って思ったんだけど。
みっくん先輩、細っこい見た目なのに思ったより力が強い。離れようとモゾモゾ動いても全然!全く!びくともしない!なんで!!
「あ~ぁ。ゆいくんにちょっかい出したら蓮にしばかれるし~、それならゆいくんの友達ならいーんじゃない?名案~!って思ったのにぃ~!ねぇねぇタクちゃん、俺にしなぁい?」
腕の中でモゾモゾ動いている僕を全く歯牙にもかけず何やら話し始めるみっくん先輩。
くそぅ。僕だって男の子なんだぞぅ!負けない!
「タクちゃんて・・・。すみません僕は恋人一筋なんで。遊び相手なら他当たってください。それより現在進行形でゆいにちょっかい出してるじゃないですか。離してください」
「え~!タクちゃん可愛い顔してそっけなぁい!ゆいくんねぇ、なんかモゾモゾしててかぁいいよねぇ!小動物みたいで~!も~っと構いたくなっちゃうよねぇ~!」
「・・・・・・田原先輩に通報しますよ」
「え~?蓮は怪我したクラスメイトの代わりに棒倒しに出ないといけないから今はココに居ないし~。居ないもんは呼べないでしょう~!」
「僕、ゆいに何かあったら田原先輩に通報する係を任命されてるんで連絡先知ってますよ。なので連絡したらイッパツですね。抱きついたなんて知られたらそれこそしばかれるんじゃないんですか?」
「うっそ蓮ってば過保護!!う~ん、それは困っちゃうなぁ。俺も自分の身が可愛いしぃ~、しょーがないから離してあげるぅ」
どうにかすり抜けようとモゴモゴ動き続けていた僕だったけど、全然離れられなくてちょっと疲れてきちゃって。どうしようかなって思っていたあたりで何故かパッと視界が明るくなった。
なんだかよく分からないけどやっと離してもらえたみたい。
「もう!みっくん先輩馬鹿力なんですか!?許可なくこんな事しちゃダメですよっ!」
また捕まえられたらたまったもんじゃない!って匠の腕にギュッて抱きついて半眼でみっくん先輩を見ると、何故か生暖かい視線を向けられる。
「ゆいくんは小動物みたいでほんっと~にかぁいいねぇ~!タクちゃんは塩対応だけど顔がかぁいいし~、2人で並んでると可愛いの相乗効果~!目の保養だねぇ~!」
タクちゃんって・・・匠、だよね?匠が塩対応?こんなに優しい子が??って思わずキョトリとしてしまう。
・・・・・・っていうか!それよりも!全く反省してないなぁ!
「ゆい~、そんな事より田原先輩棒倒しに出るんだって!応援しなきゃね!」
匠の腕に抱き着いたままそんな事を考えていると、匠が僕の顔を覗き込んでそう教えてくれて。
僕の頭はもう一気に蓮先輩でいっぱいになっちゃった。
「え!?そうなの?蓮先輩棒倒しに出るんだぁ!格好いいんだろうなぁ。でも棒倒しって騎馬戦より激しいよね・・・?怪我とかしないといいけど・・・」
「だね。でもゆいがたくさん応援してあげたらきっと大丈夫だよ!───そしたら格好付けたくて頑張るでしょ」
「え?ごめん、最後なんて言ったの?聞こえなかった」
「ん?1番前で応援しなきゃねって言ったんだよぉ!」
「そっかぁ!そうだよね・・・!うん、僕たくさん蓮先輩の応援する!」
「うんうん!」
「おふたりさ~ん?俺の存在忘れてなぁい?」
匠に頭を撫でくり回されていると、後ろから何となく情けない声がしてきて。
あ、みっくん先輩の存在、一瞬忘れちゃってた!って気付いた。
ごめんなさい、僕は蓮先輩の事が絡むとポンコツになっちゃうみたいなんです、なんて思いつつ。
「えへへ?」
「笑って誤魔化すとか~!でも可愛いから誤魔化されてあげるぅ~!」
苦し紛れに笑って誤魔化したら許してもらえたみたい。
許してもらえて良かったけどさ、みっくん先輩の『可愛い』ってちょっと変わってるよねぇ。
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