渡り廊下の恋

抹茶もち

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凄く甘くて少しだけほろ苦い

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 やっぱり今日はデザートの食べさせっこは無くって。

 でも蓮先輩はいつもみたいにデザートを用意してくれていたみたいで、お膝に乗せた僕にひたすらあーんで食べさせてくれた。

 今日はコンビニで買えるイチゴのチョコレートだった。美味しい。



 僕にばっかりくれて蓮先輩は食べる気配が無かったから、蓮先輩は食べないんですか?って聞いたんだけど。


 「俺のデザートは結翔の唇だから今日はオアズケだな」


 ってみっくん先輩に聞こえないように耳元で囁かれてしまった。



 いつも味見ってチューされてたけど、味見ってデザートの事じゃなくて僕の事だったらしい・・・!


 ブワッて顔が熱くなっちゃった僕、多分今顔真っ赤になっちゃってる。






 それから蓮先輩にいつものようにお膝に乗せられたまま撫で続けられながら、3人で他愛もない話をしたりしているうちに休憩時間の終わりが近付いてきてしまったから、2人と別れて教室に戻ろうとしたんだけど。


 当たり前みたいに僕の手を取って教室まで送ってくれた蓮先輩。

 あ、あとみっくん先輩も一緒に来てくれた。


 僕、1人で帰れますよって言ったんだけど、俺が送りたいからって。

 明日からも迎えにくるからちゃんと良い子で待ってないとダメだよって僕の頭をサラリと撫でて蓮先輩は教室に戻って行ってしまった。



 今日は蓮先輩と2人っきりじゃなかったけど凄く甘やかしてもらっちゃった気がする。

 僕だって蓮先輩を甘やかしてみたいなぁ、なんて思いながらまた夢見心地で遠ざかっていく蓮先輩の後ろ姿を見えなくなるまで見送った。


 途中みっくん先輩が何かふざけたのか、蓮先輩が長い脚で隣を歩くみっくん先輩をベシッて蹴っていた。

 あー・・・、蓮先輩って何をしてても格好良いよぅ。





 ✱✱✱


 午後からの授業を眠気と戦いながら一生懸命受けた後、LHRの時間の今僕はピンチに陥っていた。





 そう、皆様お忘れではなかろうか。





 本格的に体育祭の準備が始まってしまうのである。





 自慢じゃないけど僕、勉強はできる方だけど運動はからっきしダメなんです。


 体育祭なんて恥を晒すようなもの・・・!


 絶対に・・・ぜぇったいに!運動神経皆無でも平気な無難系競技を勝ち取らないといけないのである・・・!




 って思ってたんだけど。



 進学校だからか運動神経最強!みたいな人って少なくて。



 無難な競技達が、すっごく、すぅっごく倍率高かった・・・!




 1人2競技は必ずエントリーしないといけないらしいので、比較的なんとかなりそうな玉入れと綱引きに手を上げたんだけど・・・。



 どっちも立候補者多数のためジャンケンだって!そんなの!運じゃないかぁ!

 自分の机で頭を抱えてしまった。




 蓮先輩にも見られちゃうんだから格好悪い所は見られたくないんだもん。


 連続で勝ち抜けるしかない・・・!




 ひぇえって半泣きになりながらも僕は決死の思いでジャンケンに挑んだ。





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