渡り廊下の恋

抹茶もち

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凄く甘くて少しだけほろ苦い

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 結翔と一緒に腹一杯になるまで食べ歩きしてたらいつの間にかいい時間になってて。

 結翔と居ると時間が一瞬で過ぎちまう。

 俺としてはこのまま結翔をうちに連れ帰って朝まで・・・なんならずっと一緒に過ごしたい気持ちで山々なんだけども。


 それが許されねぇのはさすがに分かってるからさ、結翔に帰るかって言ったんだ。

 そしたら結翔、素直に頷いてるのに顔がすげで寂しそうで。玄関先に置いていかれる豆柴みたいな感じっての?


 結翔が悲しい顔してんのは嫌だけどさ、正直結翔も寂しく思ってくれてるんだって嬉しくなっちまった。


 俺と離れるのを寂しく思ってくれるって事はさ、また誘っても問題ないって事だよな?


 そう思って次のデートの約束をしれっと取り付けようとして、次はどこ行きたい?ってデートするのは決定っぽく聞いてみたんだけど。



 さっきまで置いて行かれた豆柴みたいな表情だった結翔が、すげぇ嬉しそうに破顔して。

 瞳をキラッキラにして俺を見上げてくるからさ、あー、もう本当帰したくねぇなぁって思ってつい握ってる手に力が入っちまった。


 んで次は結翔が好きな所とか好きな事とかもっとちゃんと知りてぇなって思ってそう言ったらさ、急に結翔が真っ赤になって俺と一緒だったらどこでも楽しい、なんて言うから。



 なんかこう、ぐわぁってなって。



 もうどうしようもなくなって結翔を路地に連れ込んで抱きしめて、そのまま結翔の唇にキスを落とした。


 今日、朝からずっと抱き締めるのもキスするのも我慢してたんだ。もう色々限界だった。



 でも残っていたなけなしの理性で深いキスは必死に我慢した。俺すげぇ偉いよな。



 それでもキスはやめられなくて。されるがままになってる結翔をジッと見つめながら何度も何度も唇を食むような優しいキスを落とし続けた。


 初めは戸惑いながらキスを受けていた結翔が次第に深いキスを落とした後みたいに頬を赤く染めた色っぽい表情になっていく。


 俺のキスで結翔がこんな顔するのが堪んなくて。


 結翔のこんなエロい顔が見れるのは俺だけがいい。

 他の誰にも見せたくない。俺のだ。



 そう思って、思わずそのまま俺だけのになってよって結翔に言ってた。


 本当は結翔の家まで送って、帰る直前にちゃんと告白しようって思ってたんだ。

 こんな衝動的に言うはずじゃなかったのに。



 口を突いて出た言葉にやべって思って、好きだから俺だけの結翔になって欲しいってちゃんと言い直さないとって焦って口を開こうとした瞬間。



 初めて結翔から俺にキスをしてくれた。




 一瞬何が起こったのか分からなくなるくらい衝撃的で。


 その上、真っ赤な顔して潤んだ瞳でじっと俺を見上げた結翔に俺も結翔だけのになってくれるかなんて可愛い事言われてさ。



 考えてた事全部吹っ飛んじまった。



 結翔が俺だけのになってくれるなら俺だって結翔だけのもんになるに決まってる。



 頭真っ白なままそんな様な事を言ったと思う。



 そしたら安心したみたいにへにゃって笑った結翔が俺に縋り付くみたいに抱き着いて来てさ。


 その体温とか息遣いとかを直接感じてやっと頭が少し働き始めた。






 結翔が俺だけのになってくれた、んだよな?




 結翔が俺の可愛い恋人。



 ・・・やべぇ、幸せすぎてどうにかなっちまいそうなんだが。





 込み上げてくる幸せを噛み締めながら結翔をぎゅって抱きしめ返した。








 このまま離れたくなかったけどさ、遅くなると結翔の大事な家族が心配しちまうだろうから、名残惜しいけど結翔の可愛いつむじにキスを落としてから送っていく事にした。




 ニコニコな結翔と手を繋いで歩くだけですげぇ楽しくて。


 俺、多分すげぇ浮かれてる。




 浮かれ気分のまま結翔を送り届けて、寂しそうな可愛い結翔に服屋で買ったプレゼントを渡す。


 どさくさ紛れにお願い聞いて貰える事になったからさ、妄想してたサマーニットだけでおかえりなさいってやつ、いつかやって貰おうってニンマリ笑った。






 そんな話をしてたら寂しそうな顔から一転して可愛い顔で笑って手を振ってくれたからさ、結翔の頬にお別れのキスを落として家に帰るために踵を返したんだ。


 やっぱり結翔は笑顔が似合うよな。




 っていうかさ、恋人って事は登校とか下校とか一緒にするのに理由なんかいらねぇよな?



 朝から結翔に会えるとか最高じゃん。




 帰り道、早くも明日の朝に思いを馳せてまた浮かれる。



 結翔が何時に登校してんのか知らねぇから明日は早めに家を出て、結翔と一緒に登校しよう。



 いちいち理由を探したりしなくても傍に居られる恋人ってさ、最高な制度なんだな。知らなかった。









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