43 / 110
初めての外出デート
1
しおりを挟む
「あれ?ゆいくん出かけるの?」
「なんかすっごくオシャレしてる!可愛い~!」
「どこ行くの?」
「デート?」
「イケメン?」
「それとも可愛い系?」
───待ちに待った蓮先輩と約束していた土曜日。
姉ちゃんズや兄ちゃんに出かけるって言うと、誰と?どこに?って質問攻めにされるのが分かっていたから父さんにだけ出かけるからご飯当番お願いしますって言ってソロリと出かけようとしてたんだけど、いざ玄関を出ますって時に姉ちゃんズに見つかってしまった。
好きな人と出かけるって家族に言うの、なんか恥ずかしいし内緒にしたかったんだけど。
しかも完璧僕の片想いだしね。
「・・・先輩とケーキ食べに行くだけだよ」
嘘はついてないよ、嘘は。
「・・・ふぅ~ん?先輩、ねぇ?」
「怪しい。すっごく怪しいねぇ」
あ、これはまずい。このまま質問攻めされるやつ。僕の本能が今すぐ家から出ないと遅刻するって言ってる!!
2人顔を見合わせてニンマリしはじめた姉ちゃんズに一気に危機感が膨れ上がって、後ろ手で玄関の扉を押し開けた。
「じゃあ姉ちゃん!僕行くね!行ってきます!!」
「あ!コラ!」
「ゆいくんが逃げたぁ!」
僕だって伊達に長年姉ちゃん達の弟やってない。こういう時は逃げるが勝ちです!
後ろから追いかけてきた声を華麗にスルーして蓮先輩と待ち合わせしている駅に向かうべく歩みを進めた。
あー・・・・・・、今更緊張してきた。服、大丈夫かな?
放課後匠に付き合ってもらって買った真新しい服に身を包む自分を見て不安になる。
『ゆいはこういう可愛い感じのが似合うと思うんだよね』なんて匠に言われて買ったのは、ネイビーのダボっとしたVネックTシャツと白と黒に細い茶色の線が混じっている大きいチェックのストンとしたパンツ。
Tシャツの首元には白のラインが入っていて、なんか学校に着て行ってるニットベストみたいって匠に言ったら半目で見られちゃったんだよね。それにしても柄物のパンツなんて初めて履いたからなんだかソワソワする。
僕はだいたい無難に無地のTシャツかパーカーにジーンズみたいな組み合わせばっかりしてるからなぁ。オシャレって難しい。
緊張で心臓大爆発しそうになっていると、携帯の通知音が鳴った。
『ゆいの事だから今頃不安になってるんじゃない?僕の見立ては正しいよ、絶対可愛いから大丈夫!デート楽しんでね!ちなみに僕も今日は陸とデートなんだ。また話聞いてね』
匠から届いたメッセージに思わずコテリと首を傾げつつ笑ってしまう。
匠ってエスパーの魔法使いなのかも。僕の緊張、一気にどっかいっちゃった。
ありがとう、と呟きながら柴犬が大きなハートを抱えて大好き!って言ってるスタンプを送る。
本当に匠には助けられてばっかりだなぁ。
先程よりは幾分か軽くなった足取りで待ち合わせ場所の近くまで行ったんだけど。
待ち合わせ場所には何やら綺麗なお姉様方に囲まれながら無表情で携帯を弄っている蓮先輩が居た。
・・・・・・え、どーしよう。
「なんかすっごくオシャレしてる!可愛い~!」
「どこ行くの?」
「デート?」
「イケメン?」
「それとも可愛い系?」
───待ちに待った蓮先輩と約束していた土曜日。
姉ちゃんズや兄ちゃんに出かけるって言うと、誰と?どこに?って質問攻めにされるのが分かっていたから父さんにだけ出かけるからご飯当番お願いしますって言ってソロリと出かけようとしてたんだけど、いざ玄関を出ますって時に姉ちゃんズに見つかってしまった。
好きな人と出かけるって家族に言うの、なんか恥ずかしいし内緒にしたかったんだけど。
しかも完璧僕の片想いだしね。
「・・・先輩とケーキ食べに行くだけだよ」
嘘はついてないよ、嘘は。
「・・・ふぅ~ん?先輩、ねぇ?」
「怪しい。すっごく怪しいねぇ」
あ、これはまずい。このまま質問攻めされるやつ。僕の本能が今すぐ家から出ないと遅刻するって言ってる!!
2人顔を見合わせてニンマリしはじめた姉ちゃんズに一気に危機感が膨れ上がって、後ろ手で玄関の扉を押し開けた。
「じゃあ姉ちゃん!僕行くね!行ってきます!!」
「あ!コラ!」
「ゆいくんが逃げたぁ!」
僕だって伊達に長年姉ちゃん達の弟やってない。こういう時は逃げるが勝ちです!
後ろから追いかけてきた声を華麗にスルーして蓮先輩と待ち合わせしている駅に向かうべく歩みを進めた。
あー・・・・・・、今更緊張してきた。服、大丈夫かな?
放課後匠に付き合ってもらって買った真新しい服に身を包む自分を見て不安になる。
『ゆいはこういう可愛い感じのが似合うと思うんだよね』なんて匠に言われて買ったのは、ネイビーのダボっとしたVネックTシャツと白と黒に細い茶色の線が混じっている大きいチェックのストンとしたパンツ。
Tシャツの首元には白のラインが入っていて、なんか学校に着て行ってるニットベストみたいって匠に言ったら半目で見られちゃったんだよね。それにしても柄物のパンツなんて初めて履いたからなんだかソワソワする。
僕はだいたい無難に無地のTシャツかパーカーにジーンズみたいな組み合わせばっかりしてるからなぁ。オシャレって難しい。
緊張で心臓大爆発しそうになっていると、携帯の通知音が鳴った。
『ゆいの事だから今頃不安になってるんじゃない?僕の見立ては正しいよ、絶対可愛いから大丈夫!デート楽しんでね!ちなみに僕も今日は陸とデートなんだ。また話聞いてね』
匠から届いたメッセージに思わずコテリと首を傾げつつ笑ってしまう。
匠ってエスパーの魔法使いなのかも。僕の緊張、一気にどっかいっちゃった。
ありがとう、と呟きながら柴犬が大きなハートを抱えて大好き!って言ってるスタンプを送る。
本当に匠には助けられてばっかりだなぁ。
先程よりは幾分か軽くなった足取りで待ち合わせ場所の近くまで行ったんだけど。
待ち合わせ場所には何やら綺麗なお姉様方に囲まれながら無表情で携帯を弄っている蓮先輩が居た。
・・・・・・え、どーしよう。
41
お気に入りに追加
888
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
真柴さんちの野菜は美味い
晦リリ
BL
運命のつがいを探しながら、相手を渡り歩くような夜を繰り返している実業家、阿賀野(α)は野菜を食べない主義。
そんななか、彼が見つけた運命のつがいは人里離れた山奥でひっそりと野菜農家を営む真柴(Ω)だった。
オメガなのだからすぐにアルファに屈すると思うも、人嫌いで会話にすら応じてくれない真柴を落とすべく山奥に通い詰めるが、やがて阿賀野は彼が人嫌いになった理由を知るようになる。
※一話目のみ、攻めと女性の関係をにおわせる描写があります。
※2019年に前後編が完結した創作同人誌からの再録です。
目が覚めたら、カノジョの兄に迫られていた件
水野七緒
BL
ワケあってクラスメイトの女子と交際中の青野 行春(あおの ゆきはる)。そんな彼が、ある日あわや貞操の危機に。彼を襲ったのは星井夏樹(ほしい なつき)──まさかの、交際中のカノジョの「お兄さん」。だが、どうも様子がおかしくて──
※「目が覚めたら、妹の彼氏とつきあうことになっていた件」の続編(サイドストーリー)です。
※前作を読まなくてもわかるように執筆するつもりですが、前作も読んでいただけると有り難いです。
※エンドは1種類の予定ですが、2種類になるかもしれません。
ある日突然Ωになってしまったけど、僕の人生はハッピーエンドになれるでしょうか
柚ノ木 碧/柚木 彗
BL
夏休み中に家族で田舎の祖母の家に帰省中、突如Ωになりヒートをおこした僕。
そして豹変したように僕に暴言を吐き、荒れ狂う祖母。
呆然とする父。
何も言わなくなった母。
そして、僕は今、田舎の小さな無人駅で一人立ち尽くしている。
こんな僕だけど、ある日突然Ωになってしまったけど、僕の人生はハッピーエンドになれるでしょうか。
初BL&オメガバース連載で、オメガバースは三ヶ月前に知った、超が付く初心者です。
そのため、ふんわり設定です。
不良×平凡
おーか
BL
不良副総長×平凡です。
不良7割、一般生徒3割の不良校に入学した、平凡な香夜(かぐや)は、不良が多いものの絡まれることもなく、過ごしていた。
そんな中で事件が起こった。ある日の放課後、掃除のためにバケツに水をくんで歩いていると、廊下で何かに躓き、バケツは宙を舞う。
その先には、赤髪と青髪の不良様がた。見事にびしょ濡れになった不良様がたに追い掛け回されているところを、不良の副総長である秋夜(しゅうや)に助けられる。
オメガバースは別で新しく書くことにします。
他サイトにも投稿しています。
※残酷な表現については、不良ものなので念の為つけています。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
ポケットのなかの空
三尾
BL
【ある朝、突然、目が見えなくなっていたらどうするだろう?】
大手電機メーカーに勤めるエンジニアの響野(ひびの)は、ある日、原因不明の失明状態で目を覚ました。
取るものも取りあえず向かった病院で、彼は中学時代に同級生だった水元(みずもと)と再会する。
十一年前、響野や友人たちに何も告げることなく転校していった水元は、複雑な家庭の事情を抱えていた。
目の不自由な響野を見かねてサポートを申し出てくれた水元とすごすうちに、友情だけではない感情を抱く響野だが、勇気を出して想いを伝えても「その感情は一時的なもの」と否定されてしまい……?
重い過去を持つ一途な攻め × 不幸に抗(あらが)う男前な受けのお話。
*-‥-‥-‥-‥-‥-‥-‥-*
・性描写のある回には「※」マークが付きます。
・水元視点の番外編もあり。
*-‥-‥-‥-‥-‥-‥-‥-*
※番外編はこちら
『光の部屋、花の下で。』https://www.alphapolis.co.jp/novel/728386436/614893182
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる