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夢のような日々
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突然聞こえて来た大きな声に驚いてビクリと肩を震わせると、蓮先輩が大丈夫だって言ってくれてるみたいに頭を優しく撫でてそのまま僕の顔ごと隠すみたいに抱え込んでくれた。
蓮先輩の香りでいっぱい。ドキドキ心地いい鼓動も聞こえる。しあわせ。
トロトロに蕩けた頭はうまく働いてくれなくてさっきの大きな声が何だったのかも分からない。
まぁいいやって考えるのを諦めた僕は、抱き込まれたのをいい事に蓮先輩の胸元のシャツをぎゅって握ってただひたすら蓮先輩の甘い香りを肺に吸い込み鼓動に耳を澄ませて幸せに浸る。
「あれぇ~?ゆいちゃん抱っこしてんの?ずるぅい!」
「・・・蜜樹なんで居んの?お気に入りくんは?」
「え~?俺もゆいちゃんと仲良くなりたいからかなぁ?お気に入りくんはねぇ~、もうバイバイしたぁ」
「・・・結翔はやんねぇよ?」
「え~、だめ?ゆいくんは俺の方が良いかもしんないよぉ~?一緒に写真も撮ってくれたしねぇ」
「は?お前いつ結翔にちょっかいかけたんだよ」
「ん?昨日ねぇ、偶々偶然ゆいちゃんにぶつかっちゃっただけだよ?いっぱい荷物持ってたからかわいそぉだなぁって手伝ってあげた!」
「偶々と偶然は同じ意味だし答えになってねぇんだけど・・・まぁいいか。どうせ蜜樹が無理矢理か不意打ちで撮ったんだろ。結翔は俺のだからダメ。もうちょっかいかけんなよ」
「・・・レンがそんなに執着するなんて珍しいねぇ?余計に興味出て来ちゃうよねぇ~!」
「出すな、しまえ。なんなら捨てろ」
蓮先輩の鼓動を聞いていたらなんだか眠くなって来てしまって、目を閉じてとろとろと微睡んでいたら優しく包んでくれていた筈の腕に突然ぎゅうっと力が入った。
なんだろう?って思わず今にも閉じてしまいそうなトロリとした瞳で蓮先輩を見上げると、僕じゃない所を見ていた蓮先輩が身じろぎした僕に気付いて視線を向けてくれる。
「あぁ、ごめんつい力入った・・・って眠そうだな?まだ時間も大丈夫だからそのまま寝てていいよ」
大丈夫・・・蓮先輩がそう言うなら大丈夫だぁ。
また優しく頭を撫でてくれた蓮先輩に寝惚けたようなふわふわの頭で、んってコクリと頷いた僕はスリスリと蓮先輩の胸元に擦り寄りながらまた腕の中にスッポリと収まった。
そのまままた頭ごと包み込んでくれた蓮先輩の腕の中で甘い香りを感じながら重たい瞼を閉じた。
「何その可愛い生き物ぉ!レンずるい!」
「うるせぇ結翔が寝てんだろぉが静かに話せ」
「・・・・・・ごめんてぇ」
「なんなら教室戻れ」
「えぇ~!やだよぉ!」
「だから静かに喋れっつの」
蓮先輩の香りに包まれて幸せいっぱいの僕は、頭上でヒソヒソと交わされる言葉の応酬を耳に入れる事なく、なんならみっくん先輩の事にも気付かないまま心地の良い微睡に身を任せていた。
蓮先輩の香りでいっぱい。ドキドキ心地いい鼓動も聞こえる。しあわせ。
トロトロに蕩けた頭はうまく働いてくれなくてさっきの大きな声が何だったのかも分からない。
まぁいいやって考えるのを諦めた僕は、抱き込まれたのをいい事に蓮先輩の胸元のシャツをぎゅって握ってただひたすら蓮先輩の甘い香りを肺に吸い込み鼓動に耳を澄ませて幸せに浸る。
「あれぇ~?ゆいちゃん抱っこしてんの?ずるぅい!」
「・・・蜜樹なんで居んの?お気に入りくんは?」
「え~?俺もゆいちゃんと仲良くなりたいからかなぁ?お気に入りくんはねぇ~、もうバイバイしたぁ」
「・・・結翔はやんねぇよ?」
「え~、だめ?ゆいくんは俺の方が良いかもしんないよぉ~?一緒に写真も撮ってくれたしねぇ」
「は?お前いつ結翔にちょっかいかけたんだよ」
「ん?昨日ねぇ、偶々偶然ゆいちゃんにぶつかっちゃっただけだよ?いっぱい荷物持ってたからかわいそぉだなぁって手伝ってあげた!」
「偶々と偶然は同じ意味だし答えになってねぇんだけど・・・まぁいいか。どうせ蜜樹が無理矢理か不意打ちで撮ったんだろ。結翔は俺のだからダメ。もうちょっかいかけんなよ」
「・・・レンがそんなに執着するなんて珍しいねぇ?余計に興味出て来ちゃうよねぇ~!」
「出すな、しまえ。なんなら捨てろ」
蓮先輩の鼓動を聞いていたらなんだか眠くなって来てしまって、目を閉じてとろとろと微睡んでいたら優しく包んでくれていた筈の腕に突然ぎゅうっと力が入った。
なんだろう?って思わず今にも閉じてしまいそうなトロリとした瞳で蓮先輩を見上げると、僕じゃない所を見ていた蓮先輩が身じろぎした僕に気付いて視線を向けてくれる。
「あぁ、ごめんつい力入った・・・って眠そうだな?まだ時間も大丈夫だからそのまま寝てていいよ」
大丈夫・・・蓮先輩がそう言うなら大丈夫だぁ。
また優しく頭を撫でてくれた蓮先輩に寝惚けたようなふわふわの頭で、んってコクリと頷いた僕はスリスリと蓮先輩の胸元に擦り寄りながらまた腕の中にスッポリと収まった。
そのまままた頭ごと包み込んでくれた蓮先輩の腕の中で甘い香りを感じながら重たい瞼を閉じた。
「何その可愛い生き物ぉ!レンずるい!」
「うるせぇ結翔が寝てんだろぉが静かに話せ」
「・・・・・・ごめんてぇ」
「なんなら教室戻れ」
「えぇ~!やだよぉ!」
「だから静かに喋れっつの」
蓮先輩の香りに包まれて幸せいっぱいの僕は、頭上でヒソヒソと交わされる言葉の応酬を耳に入れる事なく、なんならみっくん先輩の事にも気付かないまま心地の良い微睡に身を任せていた。
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