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誰よりも綺麗で美丈夫な不良さん
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『もしもしゆい?』
「はいはい結翔です~!」
しばらく頭を抱えてもだもだしてたら匠の方から電話掛かってきちゃった。とりあえずあったことをそのまま言えばいっか、って開き直ってポスっとベッドに仰向けで寝っ転がりながら電話を取った。
『それで?何があったの?ゆい、今までにないくらい顔が惚けてたよ?』
「え、そんなに?」
『そんなに。ゆいがそんな感じになるのなんて田原先輩の事くらいかなって思ってあの場で問い詰めるのやめたんだからっ!』
「わぁ~・・・、ごめん、ありがとう匠」
『どういたしましてっ!2人にはあんまり言いたくないんでしょ?正直ゆいにはもっと誠実な人とって思うけど・・・、でも好きな気持ちは自分でもどうにもできないじゃん。だから嬉しい事も悲しい事も、とにかく話したいことは全部僕が聞くから!1人で我慢せずになんでも言ってね?ゆいは僕のとっても大事な友達なんだからっ』
「たくみぃ~・・・。ありがとう。もーほんと大好きだよぉ!僕も匠の話なんでも聞くからね!なんでも言ってね!」
匠の不意打ちの優しさにちょっとウルっとしちゃった。匠がいい子すぎる!
『あははっ、ありがとう!んで?今日は何があったの?田原先輩が渡り廊下通ったとか?』
「んーん、それがね、何故か教室に蓮先輩が来てね、僕、呼ばれて」
『え!?なんで!?』
「分かんない。でもね、僕が惚けてる間に気付いたら連絡先交換してて。俺が連絡したらすぐ返事しろよって。めちゃくちゃ格好良かった・・・」
『え?なんでそうなった?』
「僕が聞きたい・・・!それもね、僕、コレ都合のいい夢かなって思って思わず頬っぺた抓ったらね、コラってなんか手、恋人繋ぎされて・・・!蓮先輩の手、大っきかった・・・」
思い出したらまた顔熱くなってきちゃった・・・!
思わず足をバタバタと動かしてこのなんとも言えない気持ちを発散させていると、匠がいつもより低い声でポツリと呟いた。
『田原先輩・・・同姓相手にも噂に違わぬプレイボーイなの?キャッキャしてるゆいは可愛いけどそんな調子でゆいのこと泣かせたら許さん・・・!』
「へ?匠・・・?」
『ん?どうしたの?』
「え?さっき・・・えぇ?」
『それよりさ、田原先輩からもう連絡きたの?』
なんか話を逸らされた気がする・・・。けどまぁいっか。あの可愛くて優しい匠があんなドスの効いた声出すなんてありえないよねっ!気の所為だ、うんうん。
「んーん、来てない。なんで蓮先輩連絡先交換してくれたんだろう?パシリかな?パシらせてくれるのかな?それはそれでオイシイ・・・!だって合法的に蓮先輩の役に立てるって事でしょ?最高じゃない?」
なんて瞳をキラキラさせながらそう言うと、匠が盛大に戸惑った。戸惑わせてごめん。でも僕、もう一生話す事無いって思ってた好きな人とまたお話出来るだけでもめちゃめちゃ嬉しいんだもん。パシリ上等よ!
『・・・まぁゆいが楽しそうだからとりあえずいっか。また何かあったら1人で悶々とする前に僕に話すこと!いい?』
「はぁ~いっ!ありがとね」
その後、匠と陸の話とか、体育祭の話とか、他愛もない事をキャッキャと話してからじゃあまた明日って電話を切った。
一気にシンと静まり返った部屋に少し寂しさを感じながらも、電話をしている間に来ていた通知を確認すると、LIMEの通知に蓮先輩のお名前が・・・!
『もう帰ったか?』
通知は3分前。すぐにお返事!と慌てて返信を打ち、無意識に携帯をギュッと握り込んでジッと見つめてしまう。
はい、もう家です!
なんて、捻りが無さすぎただろうか?もっと何か言いようがあったのでは?
なんてうだうだと面倒な事を考えていると、ピロンっと通知が鳴り目を見開いて少し震える指で携帯をタップする。
『そうか。明日の昼、屋上来いよ。一緒に飯食うぞ』
おおおおお昼のお誘い!?僕が?蓮先輩とお昼??
・・・・・・待て待て落ち着け僕。あれだ、今こそパシリをさせてもらえるって事なんじゃない?
「分かりました、何かお持ちしますか?っと」
ふぅ、と一息ついた瞬間間髪入れずに、自分の昼飯だけ持ってこいって返事が来た。
え?本当に?パシリじゃなくて?何にも無いのに僕が蓮先輩とお昼一緒に食べていいの?そんなの僕遠慮なんてせずに喜んで行っちゃうんだからね!?
震える手で柴犬のかしこまりました!って敬礼してるスタンプを送ると、ぽっちゃりした熊さんがグッて親指立ててるスタンプが返ってきた。え、チョイスが可愛すぎない?
そこでしばらく悶えて、さっき電話を切ったはずの匠にもう1回かけ直した。
開口一番、明日のお昼蓮先輩が僕と一緒にお昼ご飯食べてくれるって連絡が来たんだけどぉおおおお!!!って叫んだ僕に負けず劣らず、えぇええええ!?って大きな声で驚いた匠とさっきのLIMEの話をすると、陸と静の事は僕に任せて田原先輩メロメロにしておいで!と頼もしい事を言ってくれた。
メロメロはちょっと無理が過ぎるんじゃないかと思うんだけど、緊張の方が大きい僕はそれどころじゃなくて全然ツッコめなかった。
どうしよう、今日は緊張しすぎて眠れないかもぉ!
「はいはい結翔です~!」
しばらく頭を抱えてもだもだしてたら匠の方から電話掛かってきちゃった。とりあえずあったことをそのまま言えばいっか、って開き直ってポスっとベッドに仰向けで寝っ転がりながら電話を取った。
『それで?何があったの?ゆい、今までにないくらい顔が惚けてたよ?』
「え、そんなに?」
『そんなに。ゆいがそんな感じになるのなんて田原先輩の事くらいかなって思ってあの場で問い詰めるのやめたんだからっ!』
「わぁ~・・・、ごめん、ありがとう匠」
『どういたしましてっ!2人にはあんまり言いたくないんでしょ?正直ゆいにはもっと誠実な人とって思うけど・・・、でも好きな気持ちは自分でもどうにもできないじゃん。だから嬉しい事も悲しい事も、とにかく話したいことは全部僕が聞くから!1人で我慢せずになんでも言ってね?ゆいは僕のとっても大事な友達なんだからっ』
「たくみぃ~・・・。ありがとう。もーほんと大好きだよぉ!僕も匠の話なんでも聞くからね!なんでも言ってね!」
匠の不意打ちの優しさにちょっとウルっとしちゃった。匠がいい子すぎる!
『あははっ、ありがとう!んで?今日は何があったの?田原先輩が渡り廊下通ったとか?』
「んーん、それがね、何故か教室に蓮先輩が来てね、僕、呼ばれて」
『え!?なんで!?』
「分かんない。でもね、僕が惚けてる間に気付いたら連絡先交換してて。俺が連絡したらすぐ返事しろよって。めちゃくちゃ格好良かった・・・」
『え?なんでそうなった?』
「僕が聞きたい・・・!それもね、僕、コレ都合のいい夢かなって思って思わず頬っぺた抓ったらね、コラってなんか手、恋人繋ぎされて・・・!蓮先輩の手、大っきかった・・・」
思い出したらまた顔熱くなってきちゃった・・・!
思わず足をバタバタと動かしてこのなんとも言えない気持ちを発散させていると、匠がいつもより低い声でポツリと呟いた。
『田原先輩・・・同姓相手にも噂に違わぬプレイボーイなの?キャッキャしてるゆいは可愛いけどそんな調子でゆいのこと泣かせたら許さん・・・!』
「へ?匠・・・?」
『ん?どうしたの?』
「え?さっき・・・えぇ?」
『それよりさ、田原先輩からもう連絡きたの?』
なんか話を逸らされた気がする・・・。けどまぁいっか。あの可愛くて優しい匠があんなドスの効いた声出すなんてありえないよねっ!気の所為だ、うんうん。
「んーん、来てない。なんで蓮先輩連絡先交換してくれたんだろう?パシリかな?パシらせてくれるのかな?それはそれでオイシイ・・・!だって合法的に蓮先輩の役に立てるって事でしょ?最高じゃない?」
なんて瞳をキラキラさせながらそう言うと、匠が盛大に戸惑った。戸惑わせてごめん。でも僕、もう一生話す事無いって思ってた好きな人とまたお話出来るだけでもめちゃめちゃ嬉しいんだもん。パシリ上等よ!
『・・・まぁゆいが楽しそうだからとりあえずいっか。また何かあったら1人で悶々とする前に僕に話すこと!いい?』
「はぁ~いっ!ありがとね」
その後、匠と陸の話とか、体育祭の話とか、他愛もない事をキャッキャと話してからじゃあまた明日って電話を切った。
一気にシンと静まり返った部屋に少し寂しさを感じながらも、電話をしている間に来ていた通知を確認すると、LIMEの通知に蓮先輩のお名前が・・・!
『もう帰ったか?』
通知は3分前。すぐにお返事!と慌てて返信を打ち、無意識に携帯をギュッと握り込んでジッと見つめてしまう。
はい、もう家です!
なんて、捻りが無さすぎただろうか?もっと何か言いようがあったのでは?
なんてうだうだと面倒な事を考えていると、ピロンっと通知が鳴り目を見開いて少し震える指で携帯をタップする。
『そうか。明日の昼、屋上来いよ。一緒に飯食うぞ』
おおおおお昼のお誘い!?僕が?蓮先輩とお昼??
・・・・・・待て待て落ち着け僕。あれだ、今こそパシリをさせてもらえるって事なんじゃない?
「分かりました、何かお持ちしますか?っと」
ふぅ、と一息ついた瞬間間髪入れずに、自分の昼飯だけ持ってこいって返事が来た。
え?本当に?パシリじゃなくて?何にも無いのに僕が蓮先輩とお昼一緒に食べていいの?そんなの僕遠慮なんてせずに喜んで行っちゃうんだからね!?
震える手で柴犬のかしこまりました!って敬礼してるスタンプを送ると、ぽっちゃりした熊さんがグッて親指立ててるスタンプが返ってきた。え、チョイスが可愛すぎない?
そこでしばらく悶えて、さっき電話を切ったはずの匠にもう1回かけ直した。
開口一番、明日のお昼蓮先輩が僕と一緒にお昼ご飯食べてくれるって連絡が来たんだけどぉおおおお!!!って叫んだ僕に負けず劣らず、えぇええええ!?って大きな声で驚いた匠とさっきのLIMEの話をすると、陸と静の事は僕に任せて田原先輩メロメロにしておいで!と頼もしい事を言ってくれた。
メロメロはちょっと無理が過ぎるんじゃないかと思うんだけど、緊張の方が大きい僕はそれどころじゃなくて全然ツッコめなかった。
どうしよう、今日は緊張しすぎて眠れないかもぉ!
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