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誰よりも綺麗で美丈夫な不良さん
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「あの・・・五十鈴君、廊下にお客様が・・・」
昨日の夢のような時間は団長さんが蓮先輩とみっくん先輩の頭にゲンコツを落とした事で終わってしまった。
「お前らも先輩になったんだからもうちょっと落ち着け。後輩の手本になるように行動しろよ」
って呆れた様子の団長さんに、蓮先輩はスンッて無表情に戻って、みっくん先輩は唇を尖らせて、2人ですんませ~んってやる気のなさそうな謝罪をしてた。可愛い。
せ~ん、だって!語尾伸ばしてる蓮先輩すごく可愛くないですか!
あの時僕、心臓ギュンってなってほっぺが緩んじゃいそうなの我慢するのすっごく大変だった。心臓もつかな?って思ったすぐ後に心臓壊れそうになるなんて、蓮先輩恐るべしだよね。
団長さんのおかげで蓮先輩が2年生って事が分かったのも凄く嬉しい。黒団の2年生はC組だったはずだから、蓮先輩は2年C組。
ちょっとずつ蓮先輩の事が知れて僕の心はホックホクです!
全校集会の翌日の放課後、匠達と帰る約束をしている僕はいつものようにみんなの委員会が終わるまでの時間、渡り廊下を見下ろしながら昨日の事を思い出して1人でニコニコとしていると、帰り支度をした同じクラスの子に声をかけられた。
お客さんって誰だろう?僕、他クラスとかに知り合いなんて居ないんだけどなぁ。
「お客さん?」
キョトンとしながらそう言った僕を見て、ツイッと視線を廊下に向けるクラスメイトくん。その視線を追うように廊下を見ると、そこにはキラッキラの蓮先輩が気怠そうに教室の入り口にもたれ掛かってこっちをジッと見ていた。
「ひょあ!?あ、あああありがとう!」
驚きのあまり変な鳴き声みたいなのを発してしまった僕は、混乱のままクラスメイト君にお礼を言って足をもつれさせながら慌てて蓮先輩の所に走った。
「蓮先輩っ!」
「ふ・・・っ、くくっ、そんな慌てなくても・・・ふはっ!」
ピシッと直立する僕の頭をぐりぐりと撫でながら肩を震わせて笑う蓮先輩。蓮先輩に頭を撫でられてる、だとか、目をくしゃりとさせて笑う蓮先輩が可愛すぎる、だとか認識しちゃうと顔にどんどん熱が集まってきちゃう。うぅ・・・顔が熱いよぅ。
顔を真っ赤にして蓮先輩のされるがままになっていると、しばらく肩を震わせて笑っていた蓮先輩がふぅ、と1つ息を吐いた。
「っあー・・・こんなに笑ったの久々だわ。なぁ結翔、携帯貸して」
そう言って悪戯っぽく笑う蓮先輩にまた見惚れちゃう。この表情初めて見た。格好良い・・・。
蓮先輩の年相応な表情に見惚れたままぼんやりとした頭で何も考えずポケットから取り出した携帯を渡すと、またククッと笑った蓮先輩が僕の携帯を何やらスイスイと操作し始めた。蓮先輩、指まで綺麗。
「ロック掛けてないとか不用心かよ。ちゃんとかけてないと今みたいに俺みたいなやつに勝手に操作されるぞ?」
そう言って返された携帯に視線を下ろすと、そこには蓮先輩の連絡先が表示されていた。
・・・・・・蓮先輩の連絡先!?
ここ何年間で1番驚いた。ワンチャン生まれてから1番かも。目をまん丸にして携帯を凝視しながら夢かな?ってほっぺを抓ってみた。うん、痛い。
嘘でしょ?現実??
混乱してる僕を見てまた楽しそうに笑っている蓮先輩に頬っぺたを抓っていた手を取られた。
「こら、何してんの?痛いでしょ」
「へぁ・・・?ゆ、夢かと思って・・・?」
「ははっ、ちゃんと現実。ほら、俺の手の感覚あるだろ?」
そう言った蓮先輩は、僕の手にスルリと自分の手を添わせてから指を絡ませ、1度ぎゅっと優しく僕の手を握った。
「ひゃい・・・っ!?」
なんで!?なんで僕蓮先輩と恋人繋ぎしてるの!?何?明日僕死んじゃうの!?
耳の先まで熱くて熱くてたまんないくらい、一気に僕の体温が跳ね上がる。そんな僕を楽しそうに見てニヤリと笑った蓮先輩は、ゆっくりと僕の手を離してポン、と僕の頭を撫でた。
「じゃ。俺が連絡したらすぐ返事しろよ?」
そう言い残した蓮先輩は、ヒラヒラと手を振りながら帰っていった。
真っ赤になったままの僕を残して。
・・・蓮先輩の手、凄く大きかった。僕の手なんてスッポリ包まれちゃうくらい。それになんだかひんやり冷たかった。僕が子供体温なだけなのかもしれないけど。
蓮先輩の後ろ姿を見送りながら、手の感触を思い出してしまった僕はその場でズルズルと座り込んでしまう。
「ゆい?どうした?」
「えと・・・、ちょっと腰が抜けちゃって?」
「え?・・・なんで?」
1番最初に委員会を終わらせて教室に戻ってきた静に心配そうに声をかけられるまで、教室横にしゃがみ込んでもたれかかったまま動けなかった。
その後心配そうに理由を聞いてくる静を必死に誤魔化しているうちに、匠と陸が戻ってきたので、これ幸い!とこれまた必死に帰宅を促した。
なんとか誤魔化せて良かったけど、匠には何かあったのバレバレだったみたいで帰ったら電話!とコッソリ約束させられた。
僕もまだ現実なのかどうか疑ってるのに、匠に説明なんて出来るんだろうか?って帰って頭を抱えちゃった。
昨日の夢のような時間は団長さんが蓮先輩とみっくん先輩の頭にゲンコツを落とした事で終わってしまった。
「お前らも先輩になったんだからもうちょっと落ち着け。後輩の手本になるように行動しろよ」
って呆れた様子の団長さんに、蓮先輩はスンッて無表情に戻って、みっくん先輩は唇を尖らせて、2人ですんませ~んってやる気のなさそうな謝罪をしてた。可愛い。
せ~ん、だって!語尾伸ばしてる蓮先輩すごく可愛くないですか!
あの時僕、心臓ギュンってなってほっぺが緩んじゃいそうなの我慢するのすっごく大変だった。心臓もつかな?って思ったすぐ後に心臓壊れそうになるなんて、蓮先輩恐るべしだよね。
団長さんのおかげで蓮先輩が2年生って事が分かったのも凄く嬉しい。黒団の2年生はC組だったはずだから、蓮先輩は2年C組。
ちょっとずつ蓮先輩の事が知れて僕の心はホックホクです!
全校集会の翌日の放課後、匠達と帰る約束をしている僕はいつものようにみんなの委員会が終わるまでの時間、渡り廊下を見下ろしながら昨日の事を思い出して1人でニコニコとしていると、帰り支度をした同じクラスの子に声をかけられた。
お客さんって誰だろう?僕、他クラスとかに知り合いなんて居ないんだけどなぁ。
「お客さん?」
キョトンとしながらそう言った僕を見て、ツイッと視線を廊下に向けるクラスメイトくん。その視線を追うように廊下を見ると、そこにはキラッキラの蓮先輩が気怠そうに教室の入り口にもたれ掛かってこっちをジッと見ていた。
「ひょあ!?あ、あああありがとう!」
驚きのあまり変な鳴き声みたいなのを発してしまった僕は、混乱のままクラスメイト君にお礼を言って足をもつれさせながら慌てて蓮先輩の所に走った。
「蓮先輩っ!」
「ふ・・・っ、くくっ、そんな慌てなくても・・・ふはっ!」
ピシッと直立する僕の頭をぐりぐりと撫でながら肩を震わせて笑う蓮先輩。蓮先輩に頭を撫でられてる、だとか、目をくしゃりとさせて笑う蓮先輩が可愛すぎる、だとか認識しちゃうと顔にどんどん熱が集まってきちゃう。うぅ・・・顔が熱いよぅ。
顔を真っ赤にして蓮先輩のされるがままになっていると、しばらく肩を震わせて笑っていた蓮先輩がふぅ、と1つ息を吐いた。
「っあー・・・こんなに笑ったの久々だわ。なぁ結翔、携帯貸して」
そう言って悪戯っぽく笑う蓮先輩にまた見惚れちゃう。この表情初めて見た。格好良い・・・。
蓮先輩の年相応な表情に見惚れたままぼんやりとした頭で何も考えずポケットから取り出した携帯を渡すと、またククッと笑った蓮先輩が僕の携帯を何やらスイスイと操作し始めた。蓮先輩、指まで綺麗。
「ロック掛けてないとか不用心かよ。ちゃんとかけてないと今みたいに俺みたいなやつに勝手に操作されるぞ?」
そう言って返された携帯に視線を下ろすと、そこには蓮先輩の連絡先が表示されていた。
・・・・・・蓮先輩の連絡先!?
ここ何年間で1番驚いた。ワンチャン生まれてから1番かも。目をまん丸にして携帯を凝視しながら夢かな?ってほっぺを抓ってみた。うん、痛い。
嘘でしょ?現実??
混乱してる僕を見てまた楽しそうに笑っている蓮先輩に頬っぺたを抓っていた手を取られた。
「こら、何してんの?痛いでしょ」
「へぁ・・・?ゆ、夢かと思って・・・?」
「ははっ、ちゃんと現実。ほら、俺の手の感覚あるだろ?」
そう言った蓮先輩は、僕の手にスルリと自分の手を添わせてから指を絡ませ、1度ぎゅっと優しく僕の手を握った。
「ひゃい・・・っ!?」
なんで!?なんで僕蓮先輩と恋人繋ぎしてるの!?何?明日僕死んじゃうの!?
耳の先まで熱くて熱くてたまんないくらい、一気に僕の体温が跳ね上がる。そんな僕を楽しそうに見てニヤリと笑った蓮先輩は、ゆっくりと僕の手を離してポン、と僕の頭を撫でた。
「じゃ。俺が連絡したらすぐ返事しろよ?」
そう言い残した蓮先輩は、ヒラヒラと手を振りながら帰っていった。
真っ赤になったままの僕を残して。
・・・蓮先輩の手、凄く大きかった。僕の手なんてスッポリ包まれちゃうくらい。それになんだかひんやり冷たかった。僕が子供体温なだけなのかもしれないけど。
蓮先輩の後ろ姿を見送りながら、手の感触を思い出してしまった僕はその場でズルズルと座り込んでしまう。
「ゆい?どうした?」
「えと・・・、ちょっと腰が抜けちゃって?」
「え?・・・なんで?」
1番最初に委員会を終わらせて教室に戻ってきた静に心配そうに声をかけられるまで、教室横にしゃがみ込んでもたれかかったまま動けなかった。
その後心配そうに理由を聞いてくる静を必死に誤魔化しているうちに、匠と陸が戻ってきたので、これ幸い!とこれまた必死に帰宅を促した。
なんとか誤魔化せて良かったけど、匠には何かあったのバレバレだったみたいで帰ったら電話!とコッソリ約束させられた。
僕もまだ現実なのかどうか疑ってるのに、匠に説明なんて出来るんだろうか?って帰って頭を抱えちゃった。
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