渡り廊下の恋

抹茶もち

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誰よりも綺麗で美丈夫な不良さん

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思わず目をシパシパとさせながら、豆柴はよくわからんが多分僕の名前だろうとあたりを付けて口を開いた。


「えと、僕は五十鈴結翔ですっ!以前は助けていただいてありがとうごじゃっ、ございました・・・っ!」


・・・・・・緊張しすぎて噛んじゃったけど。


「ふは・・・っ!結翔ね。りょーかい。俺、蓮」


田原先輩が笑った・・・・・・!こんなふうに笑ってくれたなら噛んで良かったかも、なんて。



「はい、存じております!田原先輩ですよね?」

「・・・・・・蓮」



あれ・・・?なんか眉間に皺が寄っちゃった。なんで?な、名前で呼べって事かな・・・?いいの?何のご褒美??


「・・・蓮先輩?」

「ん、そう」


名前で呼ぶと、一気に表情が柔らかくなった蓮先輩。良かった、合ってた・・・!


ホッとして強張ってしまっていた肩の力が抜けた瞬間、急にガバッと肩に腕が回されビクッと体が跳ねてしまう。何事!?と目を白黒させていると、どこかで聞いたことがある声が耳元から聞こえてきた。


「噂の豆柴ちゃんはゆいちゃんってゆーんだねぇ!かぁわいい名前っ!」

「へぁ!?」


驚いて耳を両手でガバリとガードして声が聞こえた方を見ると、僕の肩を抱いていたのは青髪さんだった。えと、中嶋先輩、だったよね?なんで僕中嶋先輩に肩抱かれてるの?どうしてこんな事に??っていうか噂の豆柴ってなに!??


「俺ねー、蜜樹みつきってゆーの!みっくんって呼んでねぇ!」


・・・うん、なんかチャラい。すごい。


「えと、みっくん先輩、できれば肩を離して頂けると・・・」
「うぁ・・・っ!」


僕がそう言ったのと、蓮先輩がみっくん先輩の襟首を引っ張って僕から引き離したのがほぼ同時で、僕もびっくりして目をまんまるに見開いてしまった。


「蜜樹、近い」

「えぇ~、良いじゃあん。なんかゆいちゃん可愛いし」

「良くない。お前怠いぞ。結翔困らせんなよ」



・・・今僕の目の前で何が起こっているのでしょうか。

昨日までもう一生話せないと思っていた大好きな先輩が、僕の事庇ってくれてるような気がするのですがこれは夢ですか??



目の前の信じられない光景に僕の脳はキャパオーバーして、キョトンとしたまま2人を見つめ続けてしまう。



そんな僕の隣に、今まで様子を見るように陸と一緒に後ろで大人しくしていた匠が寄ってきてポツリと呟いた。


「コレ、今後も今までと変わらないと思う?」

「その筈だったんだけど・・・・・・、何がどうしてこうなった?」


動揺している匠に、コテリと首を傾げる僕。その背後にはポカンとしている陸に不機嫌丸出しな静。


本当、何が起こってどうしてこうなった?


コレ、僕の心臓、持つ??


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