目が覚めたら黒髪黒目至上主義の世界に転生していたみたいです

抹茶もち

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どうやら僕は転生してしまったらしい

side:セオドア②

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母の願いを聞き弟に興味を持ったが、特別な子ってどう言う事なんだろう、と思った。正直もしかしたら生まれる前から親バカなだけなのかもとも思った。

しかし黒髪黒目である母の頼み事を断るなんてありえない事だから、疑問を抱きつつも分かりましたと頷いたんだ。

そうしてどんどん大きくなっていく母のお腹を観察しながら時は過ぎた。

ちなみにノアは母のお腹の中にいた時から愛らしかった。俺が母のお腹を撫でると必ずそこに向かってぽこりと手や足を当ててきたのだ。

母に「この子はセオドアの事が大好きなのね」なんて言われて嬉しくなったのをよく覚えている。

そんなふうに過ごしているうちに、ただの興味の対象だった弟の事をだんだんと愛おしく感じはじめたのだ。


そうして俺も含めた皆がノアの誕生を心待ちにしてソワソワしていた冬の日、母が産気づいた。
俺は父が母の手を握り魔力を渡しているのを少し離れた場所でジッと見つめていた。

淡く光っていた母のお腹の家紋が、父が魔力を渡すたびにどんどん光を強くしていく。苦しそうな母と魔力がどんどん吸われて顔色が悪くなっていく父。出産とはとても大変なことなのだと幼心に思い、何もできない自分にやきもきしていたその時、突然家紋が一層強い光を放った。その光の強さに俺は思わず目を瞑ってしまったのだが、その一瞬のうちにノアは産まれたのだ。

光に包まれて母のお腹にぼきゃほぎゃと泣きながら寝そべるノアはそれはそれは神秘的で美しくて。

その光に見惚れていると母がノアを抱き上げて目を丸くした。


「この子・・・・・・黒髪だわ!」


母の一言でハッとしてもう一度きちんとノアに目を向けると、確かに黒の髪で。
まだ目を閉じているから瞳の色は分からないが、黒の瞳だとしたら大快挙だ。自らと同じ黒髪黒目を産み落とす事は黒髪黒目にとって一番の功績だから。母が特別な子と言ったのはこの事だったのかもしれないとその時思った。

感極まった父がボロボロと泣いている中、母が俺に向かって手招きしたので、何となく恐る恐る近寄ると、用意しておいたおくるみを身に纏ったノアがパチリと目を開けたのだ。

見えたのは吸い込まれそうな程綺麗な漆黒の瞳で。ほぎゃほぎゃ泣いていたはずのノアが俺の方を向いて、その綺麗な瞳を細めてにこーっと笑ったのだ。

・・・・・・可愛すぎると思わないか?そりゃあもう甘やかしたくもなると思うだろう?


その時俺は確信したのだ。



俺の弟は天使なのだと!



こんな可愛い生き物、目を離したらきっとすぐに攫われてしまうだろう。だから俺は誓ったのだ。何があっても必ず俺の天使を護るのだと!



ちなみに俺を見て可愛らしく手足を動かして喜んでいるノア。それを父が必死に自らの方を向かせようと頑張っていたのを見て、ちょっと優越感などを抱いてしまった。

初めは父を取られるのではなんて思っていたのに不思議なものだ。


それから空き時間はひたすらノアの世話をしたくてノアの部屋に入り浸っていた。
しかしノアの自慢の兄になれるよう、勉学もきちんと頑張ったし、早く一人でノアを抱えられるようになりたいと筋力アップも頑張った。そして好きではなかった剣術や魔術の訓練も、ノアを守る為だと思えば頑張れたのだ。

今でも格好いい兄でいられるよう、日々鍛錬を続けている。

しかし俺はノアが可愛いばかりに構い過ぎたのかもしれない。10歳を迎える前に拒否されてしまったのだ。

あの時は絶望した。ノアが産まれてから初めて泣いた。もう止まらないほど泣いた。それほどノアに拒絶されるという事はショックだったのだ。


だからこれ以上ノアに嫌われないように、表情筋を管理し、ノアの名前を呼ばないようにしていたのだ。


────────

ファンタジーの出産はファンタジーで!笑
お子はお腹にある家紋から魔法の力で光り輝きながら産まれて来ます。
産道は父の魔力の流れ、的な感じでふんわりと認識してもらえると嬉しいです。笑

ちなみに母の魔力量が多ければ父の魔力量が少なくても問題はないのですが、黒髪黒目は魔力量が少ない事が多く、魔力量が多い男性を選ぶ傾向があるため魔力量が多ければイケメンじゃ無くても割とモテます。

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